第22話 今日も疲れがたまりそうです。
あの出来事から一夜明け、あたしは昨日の自分のことを思い出しベッドの上で暴れている。
周りから見ればただの変な人ですこんなの。
あたしの部屋に訪れてきたジュノは、固まっちゃってるし……。
そんなことも気にせず一人で暴れていたら、コノルにたしなめられた。
コノルには迷惑をかけるわけにはいかないので、おとなしく従い朝食を食べる。
固まっていたジュノには、魔法で風圧をぶつけ我に返ってもらう。
「ねぇ、なんか用があってきたんじゃないの?こんな時間にさ。」
こんな時間と言ってはいるが、もう昼前だ。あたしは朝からずっと暴れていたのだ。
ジュノは思い出したように慌てて用件を伝えに来た。
「実は、襲われたんだ………魔族の小さな集落が、何者かによって…!」
「は!?」
思わず大声をあげてしまったあたしに、ジュノは驚き肩を「ビクリ」と揺らす。
ジュノのことはお構いなしに、状況を詳しく説明するようにせかした。
「村の男たちは交代で村の警護に当たっていたんだ。けど、その時10人ぐらいの男が出てきて、警備にあたっていた男を取り囲み、何かをしてその男を気絶させ、そのあと何かをぶつぶつと呟いたかと思うと、家々に火が付き、瞬く間に燃え尽きてしまったそうだ。幸い異変に気が付いた村人たちがいつでも逃げれるよう家の外に出ていたからけが人は気絶させられた男だけだったんだけど、火をつけたと思われるやつらはそのまま逃走。身元もはっきりしないんだ。」
パニックになっているのだろう。そこまで言うとジュノは紅茶を一気に飲み干し、深呼吸した。
女神さまに頼まれたこと、実行不可能だな。という考えが頭をよぎる。
「何かを呟いた後に家に火が付き燃え尽きる」なんて完璧に神族の力だ。神族は、使える力が個人で違うが、まったく違うというわけではない。同じ力を持っている人もいる。そして神族が力を使うときには決まった言葉を詠唱しなければならない。
魔族も詠唱はするが魔族の場合、力を人体ではない何か―杖などの物|(基本的に何でもいい)―が必要となるので、それを持っていることと、その杖などを力を伝えたいものに向けなければならないので、簡単に魔族だと分かる。
以降の事柄から「神族」の行為だと断定できる。
『ふざけんな』
思わずそう叫んでしまいそうになり、何とか理性を保つ。
ジュノはあたしの雰囲気を感じ取り「ズザァーーー」と後ずさりする。気にせずあたしはコノルを呼ぶ。
「この前特注で作ってもらったやつ、全部持ってきて。あ、もちろんあれもだよ。」
「かしこまりました。」
コノルは頭を下げると、すぐにクローゼットのほうへ移動する。
「ジュノ何ぼーっとしてんの?あんたも行くに決まってるでしょ。早く着替えてきて。動きやすい服装だよ。」
「アリアは呼ばないの?」
「呼ぶわけないでしょ?早く着替える!!」
元気よく返事をしてジュノは風のように部屋を出て行った。
ジュノが出て行ったのを確認したあと、違う場所からコノルに入ってくるように命じる。
万が一ジュノとすれ違われるときっとうるさいだろうからだ。
「ありがとう。そこにおいて。」
「手伝わなくてよろしいでしょうか?」
「あ、うん。これ簡単だから大丈夫。誰か来たら適当にごまかしといて。」
「わかりました。」
頭を下げて下がるコノルを見送り、着替えに入る。
上下ともあたしがいた世界に似た特殊素材|(元いた世界では普通の素材)を探し出し、魔法や神族の力をはじく魔法陣を織り込んだもので、服を作ってもらった。
黒いTシャツに迷彩柄の少し薄い色のジャージズボン。はたから見れば男物の服だが、あたしは元の世界で愛着していた。
そしてこれまたあたしが結構好きだった物。まぁ、物騒なものだがここでは持つことぐらい許されるだろう。元の世界だったら完璧に捕まってしまうが…。まぁ、気にすることはないだろう。今回は自己防衛のために持って行くのだ。
あたしのは基本的に防御・治癒・能力アップなど補助魔法が得意で、攻撃魔法は極端に強いか弱いといった感じで、こういうちょっとしたことには向いていないのだ。
「準備できたけど……。」
扉から顔だけ出して報告してくるジュノに向けてにやっと笑い、部屋に引きずり込む。
そして一言「瞬間移動」と唱えることなくあたしはジュノの頭の中にあるであろう村を勝手に読み取り、位置を確認して、襲われたという村へ向かった。
みなさん、あけましておめでとうございます。
これからも、「魔王と勇者にさせられました。」をよろしくお願いします。
今回も読了くださりありがとうございました。
ここで、一つ相談なのですが、ひらがなの上にルビや・・・などをふりたいのですがわかりません。
知っている方があれば、感想などで送ってください。
お願いします。




