表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王と勇者にさせられました。  作者: 水原緋色
魔王と勇者誕生編
2/27

第2話 魔王現る?

突然題名を変えてしまってごめんなさい!!

ちょっと自分でつけたくせに違和感を感じてしまって…

前の題名は「魔王と勇者にならされました。」です。

本当にごめんなさい。

 ムク


 …「ムク」って何?

 唯一漂っていた黒い丸い物体が動いたことに気づく。

 その物体を見てあたしは目を見張る。


 耳があって、しっぽがある黒い物体。それが予想通りの声で鳴いた。



「二、ニャー?」



「…なんで噛んでるの?!猫なんでしょ!だったら最後に疑問符つけんなぁ!!」



 あたしはそんな猫(?)を捕まえようと追いかける。

 泳いでではなく走って。


 この水の中は何でもありなのか?と思ったがやっぱりそうではないらしい。それなりに体力も削られていくし、猫も足が速い。



 たとえるなら、猛獣(あたし)に狙われた猫(?)って感じ。


 猫(?)も疲れたのかおとなしくつかまってくれた。

 だが、いつまでも猫でいるつもりなのかさっきから「ニャーニャー」騒いでいる。今更過ぎる行動だ。


 嘆息して、猫(?)がおとなしく自白するまで睨み続ける。視線をそらそうとするがあたしは食いついていく。猫(?)に逃げられないように警戒しながら。






「あーもうわかったから、そんな睨まないでよ!!」


 とうとう本性を現したか猫もどきめ。よくも余計な時間を食わせやがって。必要がなくなったら、ありとあらゆる嫌がらせをしてやる。




「今からいうことを、今すぐ説明しなさい。じゃないとどうなるか、知らないよ?」



 一度落ち着いてからそう告げると、猫(?)は大きくため息をついて「コホン」と一つ咳払いをする。



 こいつ、自分の立場わかってんのか?っていうか今すぐ殺したい目の前から消したい…。でもそんなことしたら大事な情報源がなくなってしまうので、しないけど。


「ここはどこで、なんで水の中なのに喋れてんの?なんで息できるの?」


「ここは、君と住んでる世界とは違う世界。」


 だろうね。だってあたしの世界ではこんなこと絶対ありえないからね。


「なんで、水の中で話せるのかというと君が次期魔王になる人だからさ!!」




 なんか誇らしげにバカげたことを言っている猫(?)が一匹いるが、誰かこいつを一瞬で私の前から消してくれないだろうか?もしくは、今すぐにここじゃない別のところに移動させてはくれないだろうか?



「魔王?何それ。意味わかんない。だからパス。誰か別の人に頼んで。」


それだけ言うと、あたしは踵を返しすたすたと猫(?)のもとを離れる。




 猫(?)は一瞬呆気にとられていたようだが、すぐにあたしの前に来て立ちふさがった。そして、誰も聞くなんて言ってないのに、勝手にペラペラと喋りだした。


「魔王はこの世界にいる魔物を操れる、唯一無二の存在。そして勇者の最大にして最強の敵。まあ、今はこんなのになってるんだけどね、魔王も。」


 自分を指さしながら、のんきに「あっははは」なんて笑ってるこいつを思いっきり蹴り飛ばしてやりたい衝動に駆られるが、ここは我慢時だユウラ。などと自分に言い聞かせ、何とかあの衝動を押さえつける。


「なんで魔王がそんなんなわけ?」

「ちょっと前の勇者に封印されちゃいまして、残った力がこれなんだよ。」


こいつ、どこまで行ってもマイペースだ。




 猫(?)改め魔王の話を全て聞くとこういうことらしい。

1000年ほど前に勇者が現れて、床に伏していた魔王はあっけなく負け封印された。そしてこのままじゃやばいと思い、残った力で猫の姿になり魔王の器にふさわしいものを探そうとした。だが魔王の器になるものは現れず、人間界に目を向けてみると地球上でただ一人相性がぴったりの人間が見つかったから、強引にこちらの世界へ連れてきた。…らしい。



 こいつ、マイペースじゃなくてただの自己中だ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ