第10話 2人の反応。
2人にすべて伝え終わると、ポカーンと間抜けな顔であたしを見上げていた。
「何間抜けな顔してんの?きれいな顔が台無しだよ?」
2人は表情を戻し、改めて姿勢を正す。
「本当なんですか?ユウラが今考えた…とか言わないですよね?」
ジュノは信じられないらしく、そんなことを聞いてくる。あたしはため息をつきながら、「自分で考えるわけないでしょ。」と言い放つ。
アリアはまだ頭の中で整理が追い付いてないのか、一生懸命うなっている。そんな姿がとってもかわいい。守ってあげたくなる。
あたしはその間、騒ぐジュノを押さえつけながら自分の置かれている状況、今後のことについて考える。
女神さまにいろいろなことを聞かされて、正直自分でも頭の中はいっぱいいっぱいだ。
女神さまにあんな風に頼まれて引き受けちゃったけど、倒す相手もいないから何をどうすればいいのかさっぱり。でも一度、4種族の長に会いたい。会ってそれぞれの歴史を聞きたい。まだあたしは、この世界のことを知らなさすぎる。「何も知らないで世の中に出ると命取りになる。」と昔、誰かに言われた。
一番最初に会えそうなのは神族長「ベルウェール・アセリアル」だな。そういえば、神族長になったものは長生きするといっていた。それに、神族長になったのはジュノとほぼ同時期。もしかして知っているのかもしれない。お互いのことを。
ジュノにも話を聞かないといけなさそうだな。
「ユウラ様?ユウラ様…どうなされたのですか?」
物思いにふけっていたら、アリアも整理がついたらしい。
アリアはどことなくすっきりしたように見えた。どうしてか尋ねてみた。
「なんでだろう?って思ってたんです。魔王が復活したとリリーヌ様は言いませんでした。勇者を探し出せとも言いませんでした。ただ、この世を一つにまとめれる者を探し出せと言われました。私は経験がまだ浅いので、てっきり勇者様のことかと思いましたが違うんですね。よかったです。真実がわかって。」
アリアは割り切るのが上手なんだろうな。本当かどうかわからないあたしの話に、真剣に耳を傾け自分なりの考えを導き出す。これは、即戦力になりそうだ。アリアは連れて行こう。
「アリア、お願いがあるんだけどいいかな?」
まだ信じたわけじゃない。女神さまの話もアリアもジュノも。でも誰の言葉にも耳を傾けないで、一人で納得して進んでたらいつかはぼろが出る。だから耳を傾けはする。はっきり言うと、利用させてもらうのだ。アリアの立場を、ジュノの立場を、女神さまの立場を…。
罪悪感?そんなもの感じない。この世界は、利用し利用されの頭脳が働くものが勝者となる世界。だから利用されるほうが悪い。
「何でしょうか?」
あたしの考えを知らないアリアは、嬉しそうに聞いてくる。
「今現在の神族長「ベルウェール・アセリアル」に会わせてほしいの。」
「はい。大丈夫です。そのくらいなら、すぐにできます。今から行きますか?すぐそこですけど…。」
今すぐ…か…。今すぐ行っても、何か策があるわかけじゃない。向こうに警戒させないための、話をしてもらうための策が…。考えるためには何日か間を開けたほうがいいだろう。この町のことも知りたいし、何より今の恰好のままじゃ目立つからなぁ。
「今すぐじゃなくてもいいよ。会いたいときにまたアリアに言うから。」
「わかりました。ではここは好きに使ってください。ここはあなたの部屋です。ジュノさんの部屋も作らないといけませんね…。確か隣の部屋が空いているので、そちらでゆっくりしてください。」
なぜか闘争心燃やしてるよこの2人。…まぁ、仕方ないか。真実を知ったからと言って、今すぐによき隣人になれるわけでもないしね。仲良くしてもらわないと困るけど…。
そういうのもあるし、しばらくはここに居候させてもらう。
「ジュノ、よかったね。自分の部屋できて。さぁ、出てって?」
少し疲れた…。こういう時は一人にならないとダメ。
あたしのそんな雰囲気を感じ取ったのか、無駄な抵抗はせずに出て行った。
あたしはベッドへ寝転がると再び意識を手放した。




