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第一話 恋の始まり
答えは実にシンプルで、簡単に見つかるはずなのに。
どうしてこんなにも複雑化して、すれ違いを生み出してしまうの?
どうせならとか余計な言葉が邪魔して、上手く伝えられない。儚いぐらいに消えそうな気持ち。
あの日、君に惹かれた時の胸の鼓動。今も…忘れてないの。高鳴る、高鳴って、何でも出来る気がした。
まるで空を飛んだように気持ちは弾む。すべてに感謝したい気持ちになるんだ。ありがとうを繰り返し、繰り返し、笑顔が溢れ出す。
メイクアップも気合いなんか入っちゃって、自分のコト、少しだけ好きになる。まわり言われて
少しニヤニヤしながら、そんなコトないって笑った。
そんなあたしに、分かりやすいって友達は笑っている。
外を見れば、夕暮れのオレンジ色。いつもは見落としがちなのに、恋をしてると、そんな変化にも気がつく。
お花屋さんの前を通れば、綺麗だと見とれてる。
夕暮れの街も
あたしも
好きになるんだ。不思議だね。こんなに変わっていくあたし。
今日も君を想う。
君が好き。