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東京BOMBー再起動ー  作者:


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第4話 もうひとつの影

天城の怒声と同時に、六人は反射的に距離を取った。


ゴォォ……

低く、重い振動音が地下空間を這うように広がる。


三島が即座に黒川を庇う位置に立ち、八木沢は計測器を胸に抱えたまま後退した。

東京BOMBの三人も、条件反射のように散開する。


黒川「音源は上だな……久賀、見えるか?」


久賀は天井を睨みつけ、わずかに首を振った。


久賀「……見えない。だが“ある”。

あの爆弾、単体じゃない」


白旗が乾いた声で笑った。


白旗「やっぱりねぇ。

こんな“作品”、一個だけで終わるわけがない」


天井のコンクリートの隙間。

そこから、目に見えないはずの“圧”が降りてくる。


八木沢の計測器が、今までにない数値を叩き出した。


八木沢「……信じられない。

微弱だけど、爆弾の反応と“同期”してる」


天城の目が鋭く光る。


天城「やはりな。

これは“爆弾”じゃない。“システム”だ」



黒川は即断した。


黒川「全員、動くな。

下手に刺激すれば、何が起きるかわからない」


だが天城は一歩だけ前に出た。


天城「刺激しなくても、これは常に“起動状態”だ。

見張られている、と言った方が正確だな」


三島が眉をひそめる。


三島「誰にだ?」


天城は爆弾を見つめたまま答えた。


天城「“人”とは限らない」


その瞬間、白旗が天井の一部を指差した。


白旗「あれ見て。

コンクリート……わずかに削れてる」


照明を当てると、確かに不自然な削痕があった。

最近の工事でできたものではない。

もっと古く、意図的だ。


久賀が低くつぶやく。


久賀「通路だ。

上に“別の空間”がある」


黒川は即座に無線を入れた。


黒川「こちらEOD。

爆発物の直上に未知の構造物あり。

図面に存在しない空間だ」


無線の向こうで、緊張した声が返る。


管制「……確認できません。

その位置、再開発計画の設計図には“空白”です」


その言葉に、八木沢が息を呑んだ。


八木沢「空白……?

そんなこと、あり得ない……」


天城は静かに言った。


天城「意図的に消されている。

この爆弾は“隠すこと”から始まっている」



沈黙の中で、黒川が決断する。


黒川「一度引く。

今日はここまでだ」


白旗が即座に反論した。


白旗「今引いたら、相手の思う壺だよ?

これは“こちらを観察してる”。

行動パターンを学ばれる」


八木沢も頷く。


八木沢「確かに……反応は、私たちが近づいた“後”に起きてる」


黒川は歯を食いしばった。


天城が一歩前に出る。


天城「なら、役割を分けよう。

処理班は“触れない”。

我々は“考える”。

三島、久賀。君たちは“感覚派”だ。

空間の違和感を探れ」


三島と久賀が一瞬だけ視線を交わし、黙って頷いた。


黒川はしばらく天城を見つめ、ついに言った。


黒川「……任せる。

だが一線を越えたら、即撤退だ」


天城は小さく微笑んだ。


天城「越えないさ。

これは“起爆”じゃない。“対話”だから」



そのとき。


ピッ……


八木沢の計測器が、初めて“警告音”を鳴らした。


八木沢「反応が……増幅してる……!」


爆弾の表面に、今までなかった微細な光の線が走る。

まるで、何かに“応答”しているかのように。


白旗が息を呑んだ。


白旗「……これ、起動条件の一つを満たしたかも」


黒川が叫ぶ。


黒川「全員、距離を取れ!」


だが天城は動かなかった。


天城「違う。

これは“警告”だ」


天城は、爆弾ではなく——天井を見上げた。


天城「我々に気づいた“誰か”が、こう言っている。

——『見つけたな』と」


地下の闇が、わずかに軋んだ。

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