三崎町の自習室に一人で潜んでいた司令塔のリオンはバスケサークルで無双する
リオンです。
リオンです。未だに桃花とリコと巣鴨に住んでます。
三崎町でバスケサークルに入るにあたって、実はちょっと気合を入れて「電車を使わず、徒歩かランニングで通学しよう」と思い立ち、実際に走ってみたんです。そしたら「あれ?」と思うほど近かった。これなら定期を買わなくてもいいんじゃないか、ってくらいに。
元々都営線で一本。乗車時間は10分弱で、家から駅、駅から大学までの時間を足しても20分ちょい。それが走ってみたら……早朝限定ですが、やっぱり20分ちょい。予想より全然近い! 広い歩道のある道路がほぼ真っ直ぐ通じているので、そこを走るだけで学校に着くってことに気づいちゃいました。真夏……というか、今や一年の半分近くを占める酷暑期はキツいですが、寒い時期なら雨や雪でない限り、ジョギング通学もありかなと思っています。
一応、一年遅れの「大学デビュー」はそこそこ成功し、サークル加入後の練習会ではちょっとした無双をカマせました。 まあ、あんな規格外・論外・人外たちの司令塔モドキをしていた経験を持つ普通人は、そうそういないはずです。
重戦車のリコ。ステルスのユカ。体幹と知識の化け物・ミツキ。無邪気で明るい破壊者・桃花。そして、真正の異次元プレーヤー・・・マイティさん。
私の168cmだって、一般女子の中では決して小さくない。それは自覚しています。でも、高校時代のあのチーム――通称『スピードシスターズ(スピシス)』の中では、私はチビで非力な部類でしたから。
普段ふにゃふにゃしているから長身の印象がないユカでも173~4cm。
リコはほぼ180cm。桃花は168cmで差があっても私と数ミリ差。
ミツキは172cmで、マイティさんに至っては188cm(!)です。 デカいしパワーもすごい。リコ以外はスピードもとんでもない!
そのリコだって、あの体格にしては速い方なんです。筋肉の鎧をまとったパワータイプで、最近では珍しいタイプの女子選手らしいですから。彼女、マンションの自室でもトレーニングを欠かさないし、流石です。
ユカ曰く、副彼女権限でマイティさんの実質彼氏でほぼ将来の夫でマネージャーでもあるジョージとの・・・あっち方面の・・・下半身的な練習は3回目までやって、あと二回の権利があるらしいですが・・・ジョージも名前はジョージだけど普通の日本人顔で・・・ただ、色々おっきいです。
身長も189cmってことになってるしね。体重はしらんけど・・・90は越えてる。本気で押し潰されると・・・重い・・・でもそれがいいって意見も理解できる。
安全な範囲でね?って感じ。
あと、匂いって重要だよね。多分、ジョージは姉様方にそれを指導されてたんだろうねぇ・・・なんで、いろいろフレグランスな感じです。
そんなんで色々とそちらのほうも自信が付いたのかな?
言動も少しはポジティブになったかもしれない。
そういうわけで法学部のバスケサークルに突撃してみた次第です。
・・・
「エグいね・・・あんた・・・リオンだっけ?」
江口先輩?エグいですか?
「いや、名前呼びでいいよ。のりこ、でも、のり、でもいいよ?」
じゃあ、のりこさん、とお呼びしていいでしょうか。
「いいよ。リオン、あんた個人技が凄いやつかと思ったら、連携の組み立てが・・・理解不能なほどに・・・凄いな」
「高校時代はそればかり叩き込まれまくりましたから」
「つーことは・・・元・チームメイトも結構やるってことね・・・誰か大学でマジでやってるヤツとかもいる?」
一人だけですね・・・大学は違いますが。
あと、一人この大学に入りました・・・江古田ですけどね。あそこは同じ名前の違う大学みたいですが。
「江古田は・・・まあ、実質的に別の大学だよ。それ以外でも、ここは学部毎に別の大学だと思ったほうがいい。一体感が出るのは・・・箱根駅伝と学祭くらいじゃない?」
はあ・・・一年間なんか勉強だけして過ぎちゃったので・・・
「まあ、法学部は最初は大変だよね。でも、一年間勉強できたってことは英語もそれなりに高校で得意だったってことだよね?あと現代文とか社会系科目も・・・普通、その前に脱落とかも珍しくないからね」
はい、自習室も図書館もあったんで・・・しかし、みんな静かですよね。通いまくったつもりですが・・・友達はできませんでしたよ・・・とほほですよ。
「自習室も図書館も無言の行だからねーー。出来なくて当然!!試験はどうだったの?」
それなりにガリ勉したつもりですが・・・まあまあ、が関の山でした。Sは一つも取れなかったです・・・
「じゃあ、Cや不可だらけってこともないよね?」
Cはいくつか・・・大体はA だったりB だったり・・・B のほうが少し多いですが。一応、不可は食らいませんでした。
「一人で勉強していて、不可なしでA・Bメイン……それ、めっちゃ優秀だよ?」
そうなんですか?
「うん。このサークルに入れば過去問も手に入るし、教授ごとの対策もわかる。試験の時に『どこまで資料持ち込みが許されるか』なんて裏情報もあるし。あんた、たぶんシラバスに書かれた通りのものしか持ち込んでないでしょ?」
ああ……試験のとき思いました。周りを見て『えっ、あれ持ち込んでいいの?』って
「そういう情報は、こういうコミュニティで共有されるわけ。法学部の成績は、ある意味で雑な順位付けだからね。デキがいい順に並べて上からS、A、B……って割り振っていく。だから受験テクニックの『とりあえず埋めとけ』が通用しないのよ」
・・・思いっきりやっちゃってました
「だよね・・・知らないもんね。ぐちゃぐちゃと書くより、要点ヒト単語のほうが部分点をもらい易いまであるもん。まあ、センセー次第だけど」
はあ・・・一年前に戻りたいです・・・
「それは不可能だけど、挽回はできると思うよ?正直、Sは本当に難しい。A/BメインでAのほうが多いくらいでキッチリ優秀だよ?」
はい。私も・・・先輩はともかく、同学年なら教え合いくらいならできると思います。
「司法試験受けるつもり?」
まだ、わかりませんが、目指そうとは思ってます。
「茨の道だよ?」
はい。諦めたくなってます。
「そっちがほとんど。公務員試験とかに切り替えたりしてね。まあ、まだ二年になったばっかりならギリギリまで足掻くのもありかと思うよ。責任取れないからちょっと長く生きてるだけの先輩のテキトーな発言ってことでヨロシクだけど」
はい。大丈夫です。行けるところまでは行ってみたいです。
「英語は得意?」
うーん・・・大学の試験で困りはしませんでしたが・・・高校時代のクラスメイトが異常過ぎて得意と言えないです。
「何それ?」
英語で数学を同級生に教える・・・とか、ヨーロッパの言語はバスク語も含めてほぼ全部わかる・・・とか・・・この二人は超高速のUK英語で会話するんで、英語教師どころか、ALTのおにーさん達もお手上げでした。
「ちょwww。男子?女子?」
二人とも女子で、私より背が高くて美人でナイスバディです。
「なにそれ・・・リオンだって普通に美人のうちに入ると思うよ?」
のりこさんこそ。私は彼女達に私に合ったお化粧とかも教えてもらいましたから。
「ああ、高校とか大学入ったばっかくらいだと化粧もあまりうまくないよね」
はい、イチから教えてもらいました。
「英語だけじゃなくてお化粧もうまいんだ」
デカいほうはモデルですし、もう片方もモデルと言われても驚かないです。
「デカいって?」
たぶん・・・187cmですかね? 単にデカいだけじゃなくて足も長くて巨乳・・・という言い方をするかは主観次第ですけど、お胸も立派です。
「マジでデカいね・・・もう一人は?」
173くらいだったと思いますが。こっちは正統派美少女という感じですが、なぜか金髪でしたね。似合ってましたけど。
「その子はモデルじゃないの?」
モデルじゃないですね。英語は爆速なのに日本語が激遅という謎な仕様でしたが。
「ハーフとか帰国子女じゃなくて?」
本人曰く純粋日本人。海外旅行経験すら無いそうです。
「へー、バスケはうまいの?もしかして、さっき言ってた大学でもやってる一人って、その背の高い人?」
違います。実はシェアハウスというか、同じ高校の同じクラス出身の女子三人で住んでて、一人がさっき話をした江古田の子、もう一人が、大学でバスケやってる子です。
江古田の子は、ほぼ姉妹というか双子というか・・・幼稚園のころからの付き合いで家も徒歩数分なので・・・一緒に住むと言っても両方の両親を含めて誰も何も疑問を持たないレベルです。
家賃的に予算オーバーだったところに、そのバスケの彼女が割り込んで来て、部屋的にも大丈夫だったので、契約書とか、一緒に住む上での規約集を作ってみんなでサインして住んだんです。
「契約書とか規約集とかしっかりしてんだね。そのバスケの子も大きいの?」
女子としては。180・・・もしかしたら、何ミリか下回るかもしれません。
「普通に充分デカいよ。日本人としてはだけど。姉妹みたいな子とだけなら規約なんか作んないよね?」
ですね。もっとデカい子が、契約書を作ってしっかり契約しろ、と薦めてくれたんです。異常なほどに頭がいい人なんで。
「異常なの?気になるじゃん?」
そうですよね。小五で大学入学の準備が終わってて、中一の三学期・・・ほぼ中二ですね・・・から、数学の論文を書き始めて・・・今は新宿の大学に通っていますが、その学校が本郷から定年退官の教授を受け入れたんで、その教授の指導の元、今じゃ本郷にも通っているらしいです。
もう、博士論文が大体できてるという・・・
「・・・どこからツッコめがいいのかわかんないほど情報が満載ね・・・嘘じゃないとしたら、確かに『異常』レベルね・・・まあ、でもなんで駒場や本郷に通ってないの?」
彼女のことを話すと冗談やホラ話にしか聞こえないのが難点なんですよ・・・
これは伝聞ですが、中一から大学模試の試験で全国一桁を取り続けていて、その関係者と定年退官された大学教授の方が知り合いで、面白い子がいるんだが、と教授から新宿の大学の理事長に紹介があったらしいんですよ。
「特待生ってこと?」
そういうことです。まあ、大学二年でM2どころかD3相当なら特待生にもなれるでしょう。
「縁が無いけど・・・なれそうなのは分かる。で、リオン、CEFR ってわかる?」
英語のレベルですか?
「今の聞くと、その二人はCEFR でいうとC2よね?」
余裕ですね。
「リオンは?」
B2ならなんとか。C1は無理です。
「一年間英語だけ勉強できるとしたら、C1に到達できる自信ある?」
うーん・・・英語だけならできると思いますが・・・法学忘れちゃいますよ?
「じゃあ、この学部でも英語は出来るほうに入ると思う。私も教えてもらいたいかも」
え・・・そうなんですか?
「文章はなんとかなっても、会話がダメとか聞き取れない、は、私も含めて、普通に一杯いる」
ああ・・・ユカとは急ぎのときは英語のほうが早かったから・・・会話の機会は多かったですよね。
「ネイティブレベルと日常的に会話してたんなら強いよ。ユカ、さんて、大きいほう?」
小さ・・・くはないですが、二人のうちでは小さいほうです。
「大きいほう、モデルさんは?」
まあ、マイちゃんと呼んでますね。
「写真とかあったりする?」
最近モデルやってる時の写真を共有してもらったのがあります。
これですが・・・
「・・・え~~?!この人知ってる。昔からロリータで有名な人じゃん!!そんなデカいの??」
この写真もそうなんですが、椅子や机が巨大なんだそうです。
これも椅子にチョコンと座ってますが、椅子は3メートル以上あるって言ってました。背景も引き伸ばした騙し絵みたいなもんだそうです。
「・・・えーと・・・ああ、そういうことかぁ・・・遠近法というか対比というか・・・家具の大きさを常識が脳内で補正すると、細くてちっちゃい子に見えるけど、実寸は大きいのね・・・」
そうみたいです。
「じゃあ、この超長い足も、服装とか靴とかの効果だけじゃなくて、本当に長いと。・・・じゃあ、腕も?」
はい。校内にファンクラブもあったんですが、155くらいの女子はおっぱいと話してました。
「え?・・・あ、顔も小さくて足は長いからそうなるのか・・・」
相手が小さくてもかがんだりしてくれませんからね。彼女。
「唯我独尊的な?」
中学のころはそうだったらしいですが、高校では威風堂々のほうが形容詞としては近かったと思います。
私達が知り合った時には、独善的でもないし、人の忠告も聞ける人でしたから。
「それでこの美貌で頭も天才的って・・・神様は不公平ね」
その不公平を一身に浴びまくっていたのが、もう一人の・・・ユカです。
彼女も美人でスタイルもよく、胸もあって、そして、マイちゃんを除けば断トツ学年一位というのを中学から6年間やり続け、『断トツ二位のユカ』の名を欲しいままにしてましたから・・・
しかも6年間同じクラスです。
「中高一貫?」
普通の公立中学と高校です。
「・・・一瞬聞いただけの関係だけど・・・同情するわ・・・よくグレなかったわね、ユカさん」
負けず嫌いなのは間違いないです。
エピタイが異世界転生無双系っぽいですけど、すぐやめるかもです。




