新たな貨物機
ジョージです。
あのですね・・・戦闘発生確率100%の発掘調査は、調査でなくただの戦闘なんじゃないかと思います。
ピルルルルルル・・・
会社の電話です・・・また、イヤな予感がします・・・
はい。MMC 、ジョージです。
「おう、スコットだ。例の話は聞いたぞ!」
はあ、耳が早いですね・・・
「DHC-5は名機といえば名機だが・・・あまりにも年代物だからな・・・」
スコットさんがそう仰るんならそうなんでしょうね。
「で、今度は、まだ二年はかかる話だと思うが・・・彼女に操縦士をやってもらえねぇかなと思ってさ」
いきなりパイロットの要請ですか?
「まあ、落ち着け。今度も輸送機の話なんだ」
ちょっと話が掴めませんが・・・
「L-100っていう輸送機なんだが・・・知ってるか?」
いえ、存じ上げません。
「じゃあ、C-130だったらどうだ?」
あーー・・・アメリカのどの軍かは分かりませんが・・・軍用の輸送機ですよね?
「空軍、海軍、海兵隊だな。沿岸警備隊も持ってたかもしれん」
ん?陸軍は持ってないんですか?兵站とかで必要な気もしますが・・・
「過去の経緯ってやつがあってな。空軍に依頼するって仕組みになってるんだ」
なるほど・・・
C-130は、名作輸送機という話を聞いたことがあると思いますが・・・
先程のL-100というのは派生機か何かですか?
「ドンピシャ!。おっしゃる通り。まさに、L-100は C-130の民生品としての輸送機なんだ」
しかし・・・記憶ではこれも古い飛行機ですよね?
「こいつは長期間製造されまくった名機中の名機でな、1960年代のロールアウトにも関わらず、1990年代、少なくとも95年までは新規製造がされていたほどのロングモデルだ。その上、そのビッグマイナーチェンジ的なC-130Jという航空機は・・・フルのグラスコクピット化されたバージョンで、未だに作られている」
そうなんですか・・・ざっくりで70年くらい作られてるなんて・・・凄いですね。
じゃあ、部品の入手性とかはあまり気にしないでいいんでしょうか?
「まあ、そこはキモだが・・・L-100 は民生品って話をしたよな?」
はい、おっしゃいましたね。
「でもな、L-100 を買ってる軍もあるんだ」
はぁ??・・・ああ、アメリカの輸出規制で軍用だと買えないとか、そういう話ですか?
「それもある。単純に少し安い、というのもある」
ああ、お値段の話もあるんですね。
「そうだ。そして、民間機の再軍備、というのもある」
ええと・・・民生品化した、L-100 を再度整備というか改造して、C-130 相当にする、ということでしょうか。
「その通り。輸出規制のこともあれば、それ以外の理由もある。分かりやすい例で言うと、民間機登録しておいて、貨物輸送の航空会社に持たせておいて、臨時で軍用に使う、みたいなことだな」
うーーん。先日以来、お話の端々に登ってくる PMC さんが使いそうな手ですね。
「軍や、内戦勢力ということもあれば、PMC ということもある」
ああ、内戦ですか・・・確かに正規軍ではない、ということでは PMC と違いはないですね。
「そして、あまりにも長期間、製造、運用されているので・・・未だに現役で運用歴50年越えなんてのがいくらでもある・・・改造例も数えきれない」
なるほど・・・そういえば、プロペラを替えるだけで、ターボプロップの場合、性能も変わるなんて話も聞いたことあります。
「そうなんだよ!1960年代と、今のターボシャフトエンジンを交換するって考えたら、同じ馬力なら省燃費になるし、同じ燃費なら馬力が出せる!!」
え?ターボプロップじゃなくてターボシャフト・・・ああ、そこから減速機でプロペラ出力にするから中身はターボシャフトエンジンなんですね・・・なるほど。
「実際には馬力が出るモードと燃費モードを切り替え可能で、離着陸はより短距離に、そしてフェリー距離は長くってのが基本だ」
まあ、そうですよね。
「進化しているのはエンジンだけじゃねぇ。アビオニクスなんか全くの別物だ!!」
そりゃ、1960年代だったら、レーダーもブラウン管でしょうし、今じゃコンピューター処理してモニター数枚で表示できそうですもんね。
「その通り!!で、ガーミンって会社知ってるか?」
えーと・・・GPS 関係のガジェットメーカーとしてなら知ってますが・・・ドライブレコーダーとかも有ったと思います。
「そのガーミンだ。あそこはな、軽飛行機用のアビオニクスを作っててな、結構もう歴史もある。で、本家のC-130J 、最新版な?これの民生機もあるにはあるが・・・クソ高いんで、エンジンにしろ、プロペラにしろ、ツギハギだけど安く仕入れて作っている、という話があるんだよ!!」
ちなみに最新版のお値段はどのくらいでしょう?
「7千万ドルって聞いてる」
そりゃ・・・お高い・・・
「輸送機なんて新品を仕入れる必要ねーよ」
そうかもしれませんが・・・つまり、それなりに程度がよい、C-130 の民生版の L-100 があって、それを寄せ集めながら、程度もよくて交換部品も豊富なターボプロップエンジンやらベータ可能なプロペラですとか・・・アビオニクス関係も大幅に入れ替えるというか増強するということですか?
そんなに載せ替えられます?場所足りるんですか?
「もちろん! 真空管やらトランジスタのディスクリート品を外せば場所なんかいくらでも空く!!それに、元々は4名乗員体勢だが、航法手と航空機関士は、アビオニクス更新で無しにできるんで、乗員二名分の場所もさらに確保できるんだ」
ああ・・・真空管の機器とか古いトランジスタの装置を外せば・・・場所は空くでしょうね。でも、航法手さんはともかくフライトエンジニアさんも外して大丈夫ですか?
「経験的には大丈夫なんだ。もちろん100%とは言えないんだが、ほぼ100%に近い。そんなもののために場所を空けてやる余裕は民間航空会社には無いよ」
ずいぶんと怪しい民間ですね・・・
ちなみにフライバイワイヤにするんですか?
「そこまではしない。軍事装備の再装備はするけどな」
他には何をつけますか?
「えーとな、まずDIRCM(指向性赤外線妨害装置)だろ?スティンガーもこれで恐くない!!で、FLIR やら高倍率カメラなんかのタレットを機首に付けて、ガーミン経由のデータリンク、コクピットと燃料タンクの防弾性能を格段に上げて、後部ドアのエアデフレクター追加と油圧系統の強化。火器管制システムは・・・輸送機前提だから、まあ、やらねぇか。これで VFR / IFR 両対応になるし、GPS誘導も使える」
一応・・・録音してますから、用語は後で検索しますね。
しかし、そんな装置を付けて・・・『民間機』登録でいけるんですか?
「そこは、ちゃんとした軍との契約書ベースでのフェリー業務の提供という形になる」
しっかりとしたドキュメント、指示書、契約書も含めて準備をお願いしますよ?
「もちろんだ。彼女の経歴にキズを付けたくないのはこちらも一緒だ」
本当にしっかりお願いします。
で、こないだのような利用の予約と予約金払込のお話じゃなくて、パイロット要請なのは何故でしょうか?
「まぁなぁ・・・なんちゃってグラスコックピット化まではできるんだが・・・操縦桿もペダルも油圧のままになるんだ・・・」
と、いうことは?
「ネジ伏せる腕力、伸びで出る遅れに対する予測なんかが必要で、調子を見てワイヤーの張力の調整くらいはできねぇといけねぇ上に、最新設備を使いこなすとなると・・・あんたんとこの彼女閣下くらいしかいねぇんだよ・・・」
つまり、古典機と最新機の経験が両方あって、現場で機転が効いて体力も胆力もあるパイロットが必要・・・ということは彼女は初搭乗でいきなり機長ですか?
それは無茶が過ぎませんか?
「それは認める。何とか機会を探して実機の搭乗訓練ができるようにするよ!あと、Microsoft フライトシミュレータのプラグインでC-130 の機体はあったと思う!!」
そこを力強く言われても・・・そっちは探しておきますけど・・・
「どちらにしろ、まだ最低1年半、多分、二年経たないと完成しねぇ。今日は頭出しってことでよろしく」
わかりましたが・・・二名運用の安全性検討の証拠書類がないと機体の登録が難しいんじゃないでしょうか。
あと、繰り返しになりますが、軍との契約書や指示書、その民間航空会社との契約書や指示書はしっかりとお願いしますね!!
「わかった。これから詰める所もまだあるが、今の裏で握っている状態から、紙のドキュメントが残せる状態になるよう、全力で取り組ませてもらう!! 本人に話を繋いでおいてくれ!」
はい、お話は伺いました。今後共、よろしくお願いいたします。
グラスコクピット予想図?




