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新生活!!③

ジョージです。


某私大に入学したマイティさんは、リベラルアーツ系で謎ムーブを盛大にカマしていきました。


例えば哲学ですが、講義終了後に先生を捕まえて、延々とラテン語で問い掛けをします。で、もう私はこの講義に出る必要がないよな?という話をするんです。

何なら先生の本もいっぱい買うし、レポート的なものを提出するから、それでOKとしてくれないか?的な交渉です。


「君は古典ラテン語の使い分けができるのか・・・工学部にそんな学生がいるなんて思ったことすらないよ」

「必要があれば古典ギリシャ語もヘブライ語もある程度はわかる。ヘブライ語の古典発音はちょっと自信が無いが・・・」


「僕だって辛うじて読める程度だよ。わかりました。まあ、僕の本を買ってくれるのは嬉しいけど、印税は一割程度だからね。いっぱい買ってくれてやっと何千円ってところ」

「かと言って、直接先生に金品を渡すのも贈収賄的な動きになるので宜しく無かろう?」


「よくないね・・・献本はどうかな?」

「それは、私から本を贈呈するという意味でよいですか?先生」


「うん。研究で欲しい本があるんだけど高くてね・・・」

「十万くらいまでなら私は構いませんが、研究費とかで買えないんですか?」


「うわー、お金持ち。人文にそんな研究費は無いんだよ」

「しかし・・・価値の提供という意味では賄賂とあまり変わらないのでは?」


「もしかして個人で会社とか持ってない?」

「ありますが?」


「即答かよ。その個人会社からの贈呈なら普通はセーフだよ?まあ、この大学の事務局を経由しておけばだけど」

「なるほど・・・大学の事務局・・・研究支援課的なところ経由で先生に献本すればよいのですね?全額損金算入になるかは微妙ですが、まあ、そこは構いません」


「かまわないんだ・・・お金あるんだね」

「それなりには」


「ま、じゃあ、後でメッセ送るからアドレス教えて?あと、他の学生への手前、レポートは出してね。あ、日本語でいいからね? 古典ラテン語だと読むの大変だからwww」

「承知いたしました」


           ・・・


「兄様姉様方から聞いておいたのだ」


何をですか?


「理系の私学では、やる気のない文系科目の講師、先生がそれなりに居るということだ」


まあ、僕としてもそれなりに真面目に受けるつもりはありましたが、想像以上に先生がやる気がなくて、こうすれば単位が取れるとか、出席していれば試験結果によらずCは出すとか、そういう先生方もいらっしゃいましたからね。


「なので、積極的に絡んでいけば裏技的に確約が取れるのではないかと考えておったが予想以上に上手くいったわけだ」


お金はある程度必要なようですね。


「うむ、文系、人文系の学科はおカネが無いという話もある程度は事実だったようだな・・・まあ、私は今までの稼ぎもあるし、学費は本当に無料だったからな・・・実験費などは払ったが」


そこが僕との違いですね。僕は優待で減額でしたが、マイティさんは特待で無料です。


「まあ、優待になっただけでも感謝してよいだろう。試験も免除だったしな」


はい。もちろん感謝してます。切っ掛けをくれたマイティさんにもです。


「そうか・・・成績的には国公立に一般入試で、という可能性もあったのではなかったか? 金額的にも国公立なら優待された金額と変わらぬだろう?」


無くは無いですが・・・一発勝負の受験を免除されて、その後の勉強を始められるのはよい環境だったと思っています。

マイティさんのように研究室配属後の勉強を始めているわけではないですが・・・


「自分で言うのもアレだが私は特殊過ぎると思う。普通に学生生活も楽しめ」


はい。しかし・・・こんなに単位を急いで取るのは何故ですか?4年掛けて取ってもいいんですよね?


「まあ、その通りだが・・・在学中にちょっと留学したくてな・・・考古学の話はしているだろう?」


何故、数学から考古学に繋がったのかはもう一つ理解できませんでしたが、お話は伺っています。


「一言で言えば統計だ。考古学の分野でも数学の考え方自体は必要で、出土品について統計的解析なども普通に行われる。まあ、考古学の先生がオックスフォードなので学際的な研究に慣れており、自分の専門分野と違う学生を引き連れて研究するのにも慣れている、というのもある」


なるほど・・・オックスフォード大学にはそういう文化があるんですね。

では、発掘か何かに携わる可能性がある留学ということでしょうか。


「まあな。事業用の操縦免許もあるから丁度よい」


まさかその為に取得されたんですか?


「いや、あのグライダー体験でハマったのが切っ掛けだ。考古学の教授に押し掛けるにはバッチリの免許だったがな」


なるほど・・・でも不整地での離着陸なんかは大丈夫なんですか?


「サンノゼ郊外の飛行学校だって滑走路とは名ばかりの草っぱらだった。それ以外にも不整地離着陸訓練は、もっと砂漠っぽいとことか、ガタガタのところでも相当にやっている。お主の自家用免許とは訓練時間が違う。10倍は飛んでるぞ?」


そうでした。失礼しました。


「第一お主は飛行機の整備訓練もしておらぬだろう? 未開地では自分でエンジンを整備できなければ飛ぶことすら難しいのだ」


そうなんですね・・・で、すぐに留学するんですか?


「いや、一年くらいは日本で大学生活を楽しんでみたい。大学なら多少デカくても友人くらいできるだろう?」


多少じゃないですが・・・まあ、普通にお話はできてますね。皆さんと。


「一応は友人といってもよさそうな女子も何人かできた。みんな大きめだがな」


最初は共通点多めの人でいいんじゃないでしょうか。僕もそれなりには男子グループには入れています。


「お主はやさしいからな。心配はしておらん。こちらも女子は理系では少なめだから、女子同士というくくりで壁が無いのは助かる」


そうですね。イギリスの教授とはやりとりされているのですか?


「週一度くらい。事務連絡だな。まあ、入国だけでも面倒な国だとすると、発掘なり採取の許可を取るというのは何年がかりだろう。去年『あと少し』といっていたから、私が卒業するまでには許可が出る可能性が無いわけでは無いという感じか?」


・・・なんとも微妙な感じですね・・・研究室の先生とは?


「そちらも週一度とかだな。赴任されたばかりで忙しいだろうし、ゴールデンウィーク前とか、一般的な学生が遊んでいそうな時期に会っていただくよう調整中だ」


わかりました。大学一年生としては順調なスタートと言ってよいでしょう。


「まあな、ユカの件は・・・私は問題ではないが、お主はどうだ?」


ええ・・・なんとも微妙です・・・

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