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スピードシスターズ・ファイナル!!③

「いやーーーー、やられたねーー。盛大にやられたーー。体力的にはこっちが有利と思わされて無茶攻めさせられたことには気づいたんだけど、最後はどうにもならんかったなーー」


ミツキです。親善試合、卒業試合終了後、物理実験室にハマミナメンバーを招いて懇親会です。

サッカーじゃないけどオフサイドってことなんでしょうね。


最初にムスっとしていた人も今は笑顔です。


「体幹女、おめーすげーなー。楽しかったぜ!!」


だからミツキですって。


「そうかミツキ、な。でも、最後もあんな体勢から打って届くどころか綺麗に一発インだもんなぁ・・・そういや、二桁達成って言ってたけどどういうこと?」


「んふふーー、みっちゃんの得意技はブザービーターなんだよ~~?公式戦で9回決めてるんだよ~~?」


「そりゃすげぇ!!三年間で一発決めればオンの字ってやつだろ?」


今日は公式戦じゃないですけどね。


「いやいや、今日のは並の公式戦以上に(リキ)入れて準備してんだからフタケタ達成ってことでいいんじゃね?な、みんな?」


「まあ、公式戦じゃないから記録としてはダメね。でも三年でブザービーター10回って・・・練習試合入れたって普通じゃなさすぎるからね?」


そうなんですか?


「あんたらねぇ・・・ちなみに理科室?でピザ焼いていいの?」


まあ、そこの理学部永世部長がいますから大丈夫です。


「ん、ミツキ?なんだその永世部長というのは?」


将棋とか囲碁でも永世名人とかあるじゃないですか。三年連続は永世称号クラスですよ。


「おー、永世ね。よくわからんけど貫禄あるし、いいんじゃね?でもなぜ普段から出てねーの?」


「いや、女バスに所属してないだけだが」


どんがらがっしゃーん


「おい、火を使っているんだ。あまに派手にコケるなよ?」


「所属してないんかーい!!それであの派手なダンクが何故出来るんじゃー!!」


「にひひ~~それがマイちゃんなのよ~?思い知ったか~~」


「もしかして、どこかのユースとかクラブに所属しているとか?」


「無いな。モデル事務所なら所属しているが」


「・・・斜め上の答えね・・・まあ、モデルできるでしょうね。顔ちっちゃいし長身だし、手足も長いしね・・・」


「あのーーー、追っかけの人が言ってたの聞いちゃったので・・・マイティ・(ゼロ)様ですよね?」


「まあ、公式にはマイティ・零-IIIということになっているが、そうだな」


「マジのモデルか?それであの動きかよっ・・・やってらんねーな。そういや永世って何が永世なんだ?」


ああ、理学部というメガ部活がありまして、理系の部活が全部入りなんですが、そこの部長というのは新歓テスト、という一年から三年まで共通の試験の得点順位で決めるんですよ。

彼女は新入生の時から三年連続一位です。女子で一位が初なんですが、三年連続は初で、かつ、三年連続実質満点です。


「・・・え・・・三年と同じテストを一年の時に受けて全校一位ってこと?そのテストってカンタン、難しい、どっち?」


とっても難しいです。二日で5科目10時間の500点満点、一年なら合計100点、二年なら200点、三年なら合計で300点取れば褒めてもらえるレベルです。


「そこのイカにも女バスのリコだっけ?は、何点って聞いても大丈夫か?」


「まあ、大丈夫だよ。今年は255点。アタシ的には上出来!!がんばった。そこの桃花、ピンク頭も同レベル。ここでなんとか落第しないって連中の中では高得点だよ!ちなみに、そこでだらーっとしている『にひひの美少女』は二位、表で番をしてくれてる細マッチョのジョージが三位だ。今年の400点超えは960人中この三人だけだ!!」


「すげーな・・・リコとももかんは何番くらいなんだ?」


「初対面でももかんはないにゃー!!」


「わりー、指示でももかんって呼ばれてたからつい」


「まーいーけど。あたしらは三年生320人のうちで200番台くらい。運がいいと180番台もあるけど、まあ200前半ならOKって感じかな。新歓全校だと300番くらいかな」


「体幹・・・じゃねー、ミツキは?」


「あー、コイツはAクラス。ランクが違う」


いえいえ、マイティさんはもちろん、ユカさんやジョージくんにも全く届かないですよ。


「・・・成績すげえのは聞いてたけど、なんかとんでもない格差社会っぽいな・・・」


成績による格差は習熟度別クラスだけで、あとはフラットですよ?


「でもよぉ・・・オレなんがが入ったらえれぇ目にあいそうだな」


入れれば大丈夫ですよ。ね、リコ?


「まあなあ・・・入りさえすれば、そして必要な努力と割り切ってやりきれれば大丈夫だ。アタシの場合、個別指導塾と、家庭教師?による補習にも頼ってるけどなぁ・・・」


「それじゃバスケやる時間なくない?」


「個別指導も毎日だが長くはないし、家庭教師は・・・そこにいるリオン、女バス仲間だから学校で見てもらうから、そんなに時間は喰わないんだよ」


「クラスメイトが家庭教師かよ?」


「ここはそういうところ。そのミツキも試験前はアタシらみたいな運動部の成績微妙組補習の先生なんだ。講義は普通の教師より分かり易い、いい先生だよ?」


まあ、私のやっているのはいかにして点数を上げるかってのに特化してますから、先生より分かり易いのは当然ですよ。


「・・・なんかすげーな。で、リコさんよ。補習で点数上がるんか?」


「上がる。超上がる。自信も付く。今じゃ偏差値63の大学でもBやC判定が出るようになった」


ざわっとしてますね・・・まあ、三年生の冬まで部活していた強豪高なら当然ですか・・・


「・・・マジか・・・それが三年で成績悪いほうなのか・・・うちじゃ上位だろ?63とか」


「・・・ベスト10までは行かないかもだけど、真ん中よりは普通に上ね・・・」


「その頭があってあの作戦か?」


あれはそれだけ、頭だけでは無理ですよ。敢えて体力的には有利な条件、こちらに不利な不平等な条件を相手に提示して、相手が何をやってくるか考えて、それに対応する戦術をしっかり練り上げて、対応できる体力を強引にでも付けさせて、その上で実際の試合になったら相手の様子を観察して、どうすれば相手が嫌がるか、体力を浪費するか、その上でこちらの体力を温存して、最後にブチかますにはどうすればいいか、というのを冷静に判断して実行に移す能力が全員に必要です。


「・・・まあ、実際に実行しきったんだもんな・・・いや、負けたよ。すごかったよ・・・正直、試合中は本当にイラついたけど、4Qの最後のタイムアウトで、ウチのキャプテンがさ『あたしらが舐めてたね。完全にハメられた。体力勝負に持ち込めば勝てると思っていた時点で負けてたってことだ』って言ってな・・・オレにも分かったよ。やられたなってな」


私達も・・・細かな作戦の狙いは聞いてないんですよね。二人ともそのあたりは先に教えてくれないタイプなんですよ。


「ん? リコがキャプテンじゃなかった・・・ってこと?」


「普段は私がキャプテンだけどね。今日はユカ。マイちゃんは副キャプテン」


「はあ、でもマイちゃん、永世は本気出してないよな・・・」


はい、本気を出すと大人気ないとでも思っているんじゃないでしょうか。


「なんだそれ・・・高校生同士だろ?・・・いやまあなんとなくわかるけど・・・そっちのスピードスターちゃんは?」


彼女は速度とステルスは本気度100%ですね。40分動きつづけるのはあのスタイルだと難しいので、もうちょっとやろうと思えばやれたとは思いますが、ずっとアレは無理だったと思います。


「そうなの?金髪美少女さん?」


「ず~っとあれはムリ。バテるよ~~。あと二回くらいならできたかな?」


「美少女否定しないんだ」


「むはは~~日本人的謙譲はしないよ~?褒めてもらったら褒めてもらったほうがいい~~」


「まあ、それでいいと思うけどな。しかしあんたら3Pバカみたいに入るよな・・・いろいろすげーと思ったけど正直、一番すげーかも」


そうなんですか、私は入って半分、5割いくかどうかですよ?リオンとユカはもっと行くよね?


「ん、6割」「75%くらい~~」


それくらいですよね。


「あのなぁ・・・そっちのリオンだっけ?経験者っぽいからわかってんだろうけど、3Pなんて3割がいいとこ。4割入れば『すげー』んだよ。知ってて言ってるだろ?」


「まあね。ここにいると色々麻痺するんだ」


「まじかよ・・・」


「そこのユカは中三のとき一試合で16本成功させてる。今はフルで出なくても10本はザラ。11本打って10本ってのも何度もやってる」


「聞いたことねーよ・・・」


「言ってないからね。ちなみにマイちゃんことマイティさんはシュートの成功率がほぼ100%」


「リオン、100%は無理だ。普通にリバウンドになるぞ?」


「あなたは自分で参加してその背と手足の長さで押し込めるから」


「まあ、それはそうだが・・・」


「そうなのかよ!!見た目で分かるし今日ジャンプ力も見せてもらったからな!!」


「だが、ジャンプ力はあればよいものでもないのだ」


「あったほうがいいだろ!!」


「いや、我々はどうしても重くなりがちなので、ジャンプできるのはいい事だが、ケガのリスクも増える」


「・・・そうだな、それはわかる・・・」


「高身長あるあるだよな、マイちゃん!」


「リコはふつーにヘビー級~~」


「うっせ、ユカ」


「と、いう訳で私は競技としてのバスケには傾倒しない。今回のような遊びであれば大歓迎なんだがな。年中やるにはリスクが高すぎるんだ」


「・・・くっそもったいねーな・・・あんたら、チームメイトとしてそう思わねーの?」


「「「「「まーねー」」」」」


「・・・なんだ、そのユニゾン」


あのですね。元々、このスピシスっていうミニチームは、一年のときのクラスマッチ、学校リクリエーションのクラス対抗戦のチームなんですよ。


そこのリコがマイティさんと一緒にバスケやりたいってだけで作ったチームです。ユカもどちらかというと巻き込まれ組ですね。私は自分の意思で入りましたけど。


「・・・このチームがクラスマッチ用だと・・・普通に県大会でもいいとこ行くと思うけどな・・・」


みんなそう思うんですよ。でも彼女は部活としてのバスケはやらない、と最初から宣言してまして、見ての通り、力押しでやらせることなんて無理な人材ですから。


「まあ、イヤだといったら意地でもやらない姫将軍って感じだよな」

「悪かったな。だがその通りだ」


というわけでせめても、という形でクラスマッチには出て、余裕の全勝。

エキシビジョンで、三年女バス、三年男子バスケも破って校内優勝したわけです。

あのノールックパスもそのころから出来てましたよ?


「・・・意味わかんね。一年女子が三年女子は・・・女子なら一年でもそれなりの背はあったと思うから、まあ、有り得るにしても、三年男子を破るって無理でしょ?」


今日と同じですよ。一見相手有利の不平等戦を提示して、それで相手の手段を封じるだけでした。


「どんな条件?」


一つは三年男子は5人固定、一年女子は6人で固定。それ以外のメンバーチェンジ禁止。


「ふんふん?まあ、体格にもよるけど男子有利気味だよね?」


もう一つは男子から女子へのチャージングは厳しく取るけど、女子から男子へは取らない。但し、マイティさんからのチャージは普通に取る。


「一応、男子不利だけど、ヒドく不利、とまでは言えないね。あー、あれか。ピボッティングで転がされたやつか、あれは取られないだろうね」


そうすると、リコがフリーになるわけです。


「ぶっ・・・ヒデー落とし穴・・・チャージングというかブチカマシしまくりじゃんwww」


で、フィジカル弱めの男子二名を四人で集中攻撃です。


「ぉぅ・・・妙に頭のいい奴が策略するとコワいね・・・そこで交代禁止ルールね・・・トラウマ級じゃない?その男子」


そうだったようです。

それを一瞬で考えたのが、彼女、本日副キャプテンのマイティさん、

より効果的な形で実行に移したのが本日キャプテンのユカなんです。


「そうか、このダンクやろーのワンマン即席チームじゃなくて三年の熟成期間があるチームだったのか・・・」


「ヨーコ、相手が許しているから大目に見てたけど、口悪すぎだよ?」

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