ビルドアップ!!③ 強化合宿!!
さらにリオンです。
強化合宿の様子です。
土曜日早朝5時半集合。
ジャージで集合。それ以外に普段着、水着、パジャマ的存在、下着適宜などを持ってくるように言われる。
まだ暗いので、お家の人に車で送ってもらうか、難しければ送迎車を出すので希望する人は手を上げて、と言われてました。
桃花と私はウチの車でパパに送ってもらうことにして・・・それこそミニバス以来十年以上のお話だし・・・ミツキとユカも親に、リコはすまんけどお迎えお願いとのことでした。
想像通りだけどマイティさんちはデカかった。ちょっとした公園一つ分くらいありそうな大きな、住宅街の外れの森、というのが第一印象。
会社だから家といってもウチじゃないってのはわかりますが・・・
「リオン・・・マイちゃんっちって・・・」
そう言うなよ・・・豪邸というより・・・要塞?
高い塀・・・5mくらい?かなり高い・・・に囲まれた門のところで、さて、どうするか?メッセ送るか?と後席で桃花としゃべっていたら、ゲートが開き、敷地内を車で、女子社員が出迎えに来てくれた。
「やーやー、おはようございますー。HLS の藤崎と申しますー。えーと、後席に二人ってことは、ももリオちゃんとリオンパパさんですか?」
「はい、おはようございます。おっしゃる通りです」
「はいはいー。では100mくらいですが、車で先導するのでついてきてくださいー。厳密には飲酒運転になるかもしれないので、会社の外に出られなかったんすよ。ゆっくり運転するのでよろしくですー」
パパ。それって大丈夫なの?
「会社敷地内だと・・・本来ダメだがセーフのうちになるんだろうな。厳密に言えばっておっしゃってたし、昨日金曜だったしちょっと飲み過ぎたくらいと信じよう」
まあ、前の車が事故ってもゆっくり車間を開けて走れば大丈夫って意味?
「ちょっと違うが・・・まあ、100mなんでこんなんだな。お、またゲートがあるのか・・・」
社員の方がIDかなにかをかざすとゲートが開きました。ゲートといってもショッピングモールにあるような棒のやつじゃなくて、本当に門の一部が3mくらいの高さまで開くマジな仕組みです。
なお、入口のゲートもマジのゲートでした。
社員の方が車を降りて、
「ゲート止めとくんで、通過してくださーい。すぐロータリーがあってどんつきにお嬢がいますから、荷物持って降りてー。お父さんが帰るとき用にここにいますからー」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
なんかすごいセキュリティだね・・・
その定型文句も・・・実質何も言ってないけど、意図が伝わる便利な言葉だね。パパ。
「仕事用語かもな。まあ、便利だよ。ここは有名な会社だし、県庁や市の仕事の中には機密情報だってあるだろうしな、これくらいしてても不思議じゃない」
そうなんだ。
「ここじゃないか?」
「マーイちゃーん!!」
「うむ。二人ともご苦労である。御尊父にも、斯くの如くご足労を賜り、謹んで厚く御礼申し上げる」
「・・・」
パパ。ちょっと古語っぽいだけだよ?手伝ってくれてありがとうって言われただけだよ
「ああ・・・こちらこそ、二人がお世話になります。本当に費用などは不要なのですか? 妻もせめて菓子折りなどを、と言ったのですが、リオンがダメと言ったので・・・」
「私の趣味に付き合っていただくのに費用負担などとんでもない。あと、バスケ強化合宿との名目ではありますが、入試対策のほうもしっかりとやりますので御安心召されい」
え? そうなの? 「えーー、そっちもやるのぉー」
「桃花!!どちらかというとお前のほうが必須だ!!」
そりゃそうだ。「でもーー」
「でもーじゃない!! ウチの兄様姉様は全員理系の院卒以上だからスパルタするなら本気でやらせるぞ!!」
「ま、まぁまぁ・・・彼女のご両親も十年来の付き合いなんで・・・わかってくれますよ」
パパ・・・フォローになってない・・・
「では、御尊父殿、明日の夜遅くになりますが、22時のお迎えをお願いいたします」
「はい、わかりました・・・なぁ、リオン、普通のお嬢様じゃないか?」
言い方が古風な時がある以外は学校でもそうよ。じゃあ、また明日。
「・・・気をつけてな。ご迷惑を掛けないように」
善処します。
「・・・その仕事用語はいわなくていいよ・・・」
・・・
そんな感じでみんな集合しました。
ユカ、来たことある顔してるね?
「あーー?、まー、そりゃー、もうほぼ6年も『おともだち』しているから~~」
ああ、同中だったね。最初驚かなかった?
「二回目でもう慣れる」
あれ?しゃべりが?
「あ、本当の素よ?これが。ここじゃツクる余裕がないよ。強化合宿だしね」
・・・初めて聞いたかも・・・
「かもね。なんとか軍曹が来るからピシっと立って!」
え?
「全員!!気を付け!!」
え?
「遅い!!マイティ・ジョージ隊員は罰則!!腕立100回!!」
「はいっ!!」「承知しました!!」
え?
二人がとんでもないスピードでプッシュアップしているのが見える。
壇上には30後半から40歳くらいの・・・めっちゃマッチョな女性が腕組みをして立っている。
「諸君らに許される返事はハイかイエス・マムの二択だ!!良いか!!」
「「「イエス・マム」」」「いえすまむ」「はい」イエスまむ?
「迷ったら、イエス・マム一択だ!!」
「「「「「イエス・マム」」」」」
「では、その場で股上げ!!ハイハイハイハイハイハイハイハイ」
「「「「「ハイハイハイハイハイハイハイハイ」」」」」
「罰則二名も股上げ!!ハイハイ」
「「ハイハイハイハイハイハイハイハイ」」
「では緩斜面5kmコース!!初回なのでゆっくり15分!!」
「「「「「「「イエス・マム」」」」」」」
・・・
軍曹的マッチョレディは嘘はついてなかった。緩斜面は緩斜面。ただ、それはスキーとかスノボの緩斜面で、人間が走るには緩斜面と言うには無理があるだけ。
階段どころかロープのみ、腕力のみで10m近く登るところあったし。要は垂直。
で、15分で強引にがんばって登りきれましたけど、下りがツラいし怖い。
アップしてなかったのはこっちのせいかもしれないけど往復30分ちょいでボロボロにされてしまった感がすごいです。
マイティさん?
「どうだ、リオン?」
私的には目一杯ですけど、手加減されてる雰囲気を感じます。
「そうだな。私とジョージなら往復で20分だ」
・・・今日明日は難しくても試合の日までにはなんとかします。
「頼むぞ!」
・・・
汗だくになってしまったので、シャワーして着替えました。で、朝御飯です。
特に高価っぽいものはありませんが、おいしいです。
鶏胸肉愛好家のリコさん、いかがですか?
「うまい。ウチで茹でたり蒸したりしているのとは段違いのうまさ!」
やはりですか・・・ワタシもすごくおいしいと思います。
「それはソミュール液だねっ!!」
えーと・・・どなた様でしょうか・・・
「はい、ウチの母です」
え、ジョージくんのママなの?若いね。
「調子に乗るのであまりそれは」「まーまー、実際若いほうなんだからいいじゃん」
で・・・ソミュール液って何ですか?
「えーとね、鶏肉を料理するときの合法ズル?な液体だよ。ブライン液とソミュール液。名前はなんかアレだけど、ブラインが砂糖と塩、ソミュールは塩水だけどね」
シンプルですね。比率はどのくらいなんでしょうか?
「ブライン液が水100ccに砂糖と塩をそれぞれ小さじ1/2、重さで言うと砂糖が、1.5g、塩3g。ソミュール液は塩だけね」
ああ、砂糖だから低糖質で気にしないといけない場合もあると・・・たとえば、ゼロカロリーで砂糖と同じ甘さ、同じ量使えばいい調味料ありますけど、そういうのはだめなんですか?
「砂糖の化学構造で保水力を高めてるみたいだからダメみたい。マイティさんかジョージに聞いて?塩は微量だとお肉を柔らかくするみたいよ?」
まあ、私はご飯も食べてるし、1.5gくらいなら砂糖も気にしませんが・・・どれくらい漬け込むんですか?
「最低30分。最大12時間。冷蔵庫の中ね。先に言っておくと、こんだけ大量だと返って楽。でっかいタッパーに放り込むだけだから。胸肉一枚に対して水100gだから、このくらいの人数だと10Lに塩150g、砂糖300gをしっかり溶かして、胸肉100枚ぶっこんでから寝れば翌朝には丁度いい感じになるわけ。大量だと計量ミスもかえってないし」
100枚ですか!・・・さすがに余りませんか?
「全然?余ったとしても真空パックにするなりすれば夕食に使えるし、適当な大きさに切ってかたくり粉まぶして揚げ焼きにすれば冷えてもおいしいよ?」
そうなんだ・・・リコ?
「うん、三年くらい前に知りたかったな・・・」
あまりおいしくなくても義務感で食べてたんだね・・・わかるよ・・・。
「まあ、これからも食べるだろうし、知れてラッキーってことにしておくよ」
だね。




