台本の改変作業
お久し振り、神田です。
文才とか、無いですが、ラノベ好きではあるし、いくらか成績的にマシなのが現国ということもあって、なぜか脚本組に入れてもらえました。
カントク的には色々な発想が欲しい、ということですが、まあ、そんなに奇抜なのは難しいかもな、と思いつつも何を言ってもバカにされたりしないので、案外と気分良く参加できてます。
まあ、煮詰まっているときの息苦しさも結構すごいものがありますけどね。
さて、脚本をマークダウンで印刷したものが配られましたけど・・・
カントク、これってまだ量的に半分くらいしかないよね、あとさ・・・
「だね。言いたいことはわかる。これじゃ使い物にならない」
ダメダシというかそういう意図じゃないけど、なんで急に新しい脚本やろうなって言いだしたんだい?
「うん、別に前のを完全破棄するって意味じゃなくて、一種のブレスト、ブレーンストーミングだね。これ自体はAIに書いてもらったんだよ」
えー、そうなんだ。水野さん知ってた?
「はじめて聞くよ?でもAIってコッテコテのストーリー書くんだね・・・」
それは思った。
「うん、あとちょっとスケールが小さいよね。まあ、僕のAIの使い方がよくないんだと思うけど。ただね、場面転換とか、劇のエピソードの積み重ねとか参考にできるところもあるんだよ。中身は全とっかえだけどね」
全とっかえ前提かよっ!
「教室劇じゃバスケ勝負なんか無理だからね」
スピシスが居ればやれることはやれるだろうけど・・・
「神田くん、それ、このストーリーみたいな僅差に全然ならないよ・・・女バスレギュラー三名に、第一よりうまい第二が二名、そこに超絶パフォーマンスのマイティさんだもん」
まあ、マイティさん抜きでもクラスマッチの決勝で余裕のトリプルスコア、相手の屈辱負け宣言を引き出すチームだからなあ。
「そうですよ?一年で優勝どころか男バスをぶちかましたチームが持ち上がりですからね?」
ミツキさん、そういえばあなたも当時は盛大にぶちかましてましたね。
「褒めなくても結構ですよ?」
別に褒めてませんよ・・・何かと司書は体力勝負とか言ってるけど、あれは方向性が違うでしょう?
「まあ、あれは悪乗りでしたね。ユカやマイティさんがしきりに目で行け行けって促してきたのでつい、ですね」
つい、で自分よりデカい男子をぶちかませるだけで凄いですよ・・・
やりかたはマイティさんに習ったんですか?
「うーん、ほんの小手先の技だけ教えてもらいました。私立強豪高とかじゃなければ私でも女子なら大きいほうなので、ファイブファールの範囲内でツブしに行く手段は必要ですから」
でもいやまあなんだろう・・・まあいいか。三年になって、改めてマイティさんの学力にはぶったまげたし・・・ミツキさんもそう?
「はい。今年初めて、あれを全部埋めて一時間で出ていくことの本当の凄さがわかりました。ユカも全部埋められたみたいだけど、真っ白になって彼女は神か悪魔か的なこと言ってましたけど、それも実感としてわかっちゃいました」
一応、英数ともBにしがみつけているから挑戦したけど、まあ、無理も無理だったよ。オレには。ミツキさんは?
「大問が一つ二つ真っ白なままでした・・・多分、埋めるだけで、+30分は必要だったと思います」
やっぱオレよりはだいぶ上だね。オレは埋めるだけでプラス一時間って感じかな。でもそれだと二日目だけでトータル9時間になるから体力が持つか心配だよ。
まあ、でもユカさんもミツキさんもマイティさんに負けてないよね。体力もね。
「まあ・・・負けてはいますが・・・ユカはスポーツテスト的なスコアでも例のごとくのダントツ二位ですからね・・・」
リコさんもパワー的にはすごそうだけど?
「そうですね。パワーと持久力だけなら彼女が一番ですね。でもスコア的なものになると柔軟的なものとか、持久力にしても5分かそこらだと差がつかないですねぇ。30分とかならリコが一番だと思いますが、それじゃ体育の授業中に計測できませんもんね・・・」
確かに30分計測に使ったら全員計るのに半年かかるかもwww
「そこまではかからないと思いますけど・・・マイティさんもそうですけど、ユカもスコアがかかるものになると『効率』を考えてハイスコア取りにきますからね・・・キレいにポイント配分しますね、彼女たちは」
そういえば普段の体育って彼女たちどうしてんの?
「マイティさんは全流しですね。走るのでも泳ぐのでも陸部や水部をちぎってますが、明らかに流してますwww。ユカもだいたい流してますね。ユカの場合は流すと負けますけど」
普通は全力でも負けると思うんだけど・・・
「はい。私もそう思います。マイティさんは流しながら、アクビしながら勝っちゃって、ギギギギ・・・ってなってる陸部や水部の子を、ユカが、いつも通りに、だら~っと歌いながらなぐさめている感じですね・・・」
「おーい、二人とも、横道に逸れすぎてない?ね?カントク?」
「まあ、こういうのから何か出ないかなーとも思ってるんでいいんだけど」
だよな。それは感じてる。
で、カントク、前に言っていた『活動写劇』って概念、それに乗ってみようと思ってる。
「あー、あれか・・・」「なんだっけ」「何でしたっけ?」
ものすごく雑にまとめると劇の場面転換で暗転とかするじゃん?あれを映像で繋ぐんだよ。
教室劇の宿命として、教壇部分だけだと演台が狭いから、教室を広く使いたいじゃん?でも観客席も作らないといけないから、教室を三角形というか台形・・・長方形をナナメに切った形で広く使う。
で、演者がハケる場面とかでプロジェクターで次のつながっているシーンを投影して、観客から見た『芝居』は続いているけど、演者としては交代したり、舞台の暗転部でセットを組みかえたりする。
まあ、白バックの場所は固定されちゃうし、プロジェクターを天井に付けなきゃいけない、またはかなり高い所に固定する、とかいろいろ制約はあるけど、面白いと思う。準備はすごく大変になるけど。
「そう、そういうことだ。演技、エチュードとエチュードを映像で繋ぐ。今までだと音楽プラスナレーションくらいだったと思うんだけどそこに映像も使うわけだ」
この台本だとバスケシーンとかが効果的かな
「だね。バスケシーンに入るところは実演で、バスケの試合中は映像、最後のキメのところからもう一度演者の演技に戻る感じかな?」
「うーん。そうですね。この試合の流れだとバスケシーンは教室で演技は不可能ですからね。でも、それで盛り上がれますかね?」
「正直に言うと、やってみないとわからない」
「カントク・・・さすがに無責任じゃない?」
いや、それこそ神様じゃないんだから何が受けて何が受けないか事前に知るのは無理でしょ。オレ的には映像シーンが一分未満だったら問題ないと思う。
または、映像がウルトラインパクトあるものならもう少し長くてもいけると思うけど。
「やる前の感覚としてはオレもそんなもんだね。基本的には、劇でアニメのカット割をやるようなもんだと思う。みんなもアニメって見るよな。深夜アニメとかも含めてだけど。あれって、寄るも引くも自由自在だけど、それは劇には無理だ。活動写劇は無理に作った言葉だけど、基本は寄りがメイン。その部分を実演で、引きの部分を映像で繋げられないか、という思考実験だと思ってくれればいい。正直にいうとそういう劇を上演しているのは2.5次元中心に普通にあるんだ」
「なるほど、2.5次元ならそういう演出じゃないと演劇にならないかもね」
「それでバスケシーンは・・・かなり忙しい気がしますよ?」
で、このホンには一切出てないんだけど、野球はどうかな?
教室をナナメに使ってマイティさんにボールを投げてもらう。赤池なら綺麗に捕れるだろう?実弾というか、実際の投球は教室劇ならものすごくインパクトがあるはずだ。
その一球だけで、二人ともハケて、映像はスクリーンに向かって45度の状態から90度つまりピッチャー・キャッチャー間を横から撮った映像になれば30秒やそこらは持つだろう?
「ははあ・・・実演を画像に投影してパンしたところから引きのシーンをやってはどうか、ということか・・・まあ、結構なインパクトはあるだろうな」
「実行委員的には安全性が気になるな・・・地獄のようなコントロールも赤池くんのスーパーキャッチも見てるから大丈夫だとは思うけど、万が一ハジいて観客のほうに硬球が行くとかちょっと怖いよね」
「マイティさんなら簡単に成功させそうですし、流した状態、例えば8割投球っていうんですか?そんなんでも至近距離で生のピッチングでのインパクトはあるでしょう?」
懸念点を上げたらいくらでもでるだろうけど、今日はブレストなんでしょ?
あと、今はジョージもキャッチだけならできるから、赤池が使えない事情があっても代役はいるよ?
「そうだな。ブレストだからあまり否定しちゃだめだ。野球は二年前の備蓄が山のようにあるし、こないだも新ネタがたっぷり撮れたから、編集次第でどうにかなるな」
「そうね。モトネタでは教師だけど、ともかく敵対勢力との一球勝負とかヒネりようはあるよね?」
「ジョージくんなら8割投球はきっちり捕るでしょうね」
また、マイティさん映画にならないか?
「いや、ユカさんにも出番一杯よろしくね?でお願いしてある」
「そうなんだ?」
「でもカントク、ユカのしゃべりは眠気を誘い過ぎじゃないですか?」
「・・・そこで、プロジェクションのもう一つの使い方が生きてくる」
なんだい、タメるね?カントク?
「まあ、タマにはいいだろ。・・・日本語字幕だ」
は?「へ?」「何ですか?」
「ユカさんのセリフは全部英語だ」




