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劇の脚本と進行は増田くんと水野さん。

ザ・既定路線と言える高嶺祭の三年、教室劇!!


(ワタクシ)、増田も脚本チーフと演出を務めます!!

今は、夏休み入ったばかりの全体練習兼美術、大道具製作大会が開催されている教室です。


というか、一年のあの映像以来、渾名がカントクになってしまったので、カントクを続ける大義名分になりました。

正直に言いますと、一年の高嶺祭が終了して、年末頃にはもう取り掛かっていたと思いますので、二年弱掛けてます。

なんでそんなに掛けるかというと、やっぱり勉強のレベルを保っておかないとこちらへ情熱を掛けられないという建前があり、本音では「どんなに迷っても時間が足りない」です。


一応、原作はあり、原作者の許可も得てます。この高校の演劇には歴史がありますので、先輩達の実績のお陰で許可取りは容易です。

で、原作を跡形もなく改変するという伝統にも実績があり、そういうのに寛容な原作者さんがリストアップされています。

なぜそんなことをするのか?


これは教室劇という特殊な環境によります。

・場面転換に制約が多い

 舞台でないので、極端な場面転換はできません。暗転くらいはできますが。

・演者がクラスメイト

 基本的に、素人にしてはウマい、程度です。

 演者の素に合わせて役のほうを変えて、より演劇要素を高めます。

・時間の制約

 一公演80分です。かつ基本、押しがちなのです。

 72分くらいで終演できるように調整すると原作の場面が入りきりません。

 これでも一アドリブに返しがあると80分を越えます。

・ブラッシュアップという名の混ぜっ返し

 なんせ一年以上あーせいこーせいとやってます。

 どんどん変わっていくし、時事ネタを突っ込もうとするし、まあ大変です。


そうやって、クラス全員ではないものの、10人、1/4程度は一年以上前から準備を始めていました。

ざっくりで言うと、コアメンバー、準コアメンバー、サブメンバー、あまり興味はないけど当日の手伝いはします。が、全部10名前後です。

他の高校に比べたら、相当強力な結束力だと思います。


ちなみにスピシスさんは、準コアかサブです。

一年のときの主役、マイティさんはサブメンバーです。

まあ、彼女の場合他のことがあまりにも忙しすぎますからね。

例えば、一年から理学部の部長様でいらっしゃるとかです。


「でもー、そのマイちゃんは今はアメリカだけどなーー」


ユカさん、分かってます・・・でも彼女は重要な役ではありますが、出演シーンは少ないですし、あの記憶力と演技力なら問題ないかと。

まあ、あなたを含め、演者は全員当て書きですから、それほどの演技力も必要とはしないはずです。


「アタシもー、こんなしゃべりで劇になるのかー~?」


できます。します。むしろ普段よりも歌い気味でお願いします。


「りょ~~」


そんな感じでお願いします。

あなたは準コア、主役女優のうちの一人ですからね。


まあ、僕は彼女が普通の口調でしゃべることもできるのは知っています。

英語だと流暢なだけでなく早口です。

それでマイティさんと話してます。でも、聞き取れる人はわずかです。

歌もうまいです。


マイティさんはサブですが、一年の時、ぶったまげる級の演技力でした。

さらに二年の冬のころ、まだ荒々の台本の一部を渡して、一シーンだけやってもらったところ、「なんでこんな行間まで読めんねん」とツッコみたくなるほどエチュードがうまかったんですよ。


聞いたところ、「これ、私の当て書きだろう?もしや、全員当て書きか?」と言われ、その通り、と答えたところ、一つ、大きく頷いて、そのまま帰っていきました。


彼女の自分のスケジュール最優先行動には慣れていたので、みんな驚きませんでしたが、脚本チームは僕も含めて彼女の演技力に驚き直した次第です。


「彼女を使わない手は無いわね。シーンを絞れば協力はしてもらえるでしょう?」


周りとの調和は大丈夫かな?


「ゲネ一発でも大丈夫かもしれない。あー、でも直前練習は時間取ってもらえるようにジョージくんに依頼しておきましょう」


流石にゲネ一発だけってのは怖い。それは今からならなんとかなるかな。


みたいな会話をした記憶があります。その時点では一年近く前でしたが、ジョージくんにスケジュールのブッキングを依頼しました。


「はい、なんでしょうか、カントク」


高嶺祭前日の全体練習と、そこに至る一週間くらいの劇の練習日程を押さえてほしいんだけど、可能かな?


「はい。承知いたしました。えーと・・・中間テストの理学部執行部反省会がありますが・・・長時間ではないので、30分枠くらいであれば、仮で押さえることは可能です」


そうか、年間スケジュールは決まっているから、反省会も決まっているんだよな・・・本当に忙しいな、マイティさん。


「そうですね。暇とは言い難いです。しかし三年の夏を過ぎてますので、モデル仕事のほうも事務所が勝手に入れてくることもないと思います」


それもあったんだな。ま、ともかく仮置きはお願いします。


「承知いたしました」


今となってはそれもぶっ飛んだ状況で上書きされている、ということは聞いていますが。


そして、飛行機の免許を取りにアメリカに行っていることも、存じてはおります。さらに、明日以降、ジョージくんも飛び立つとも聞いてます。


みんなは練習しつつ・・・どうせ最終稿が上がるのは下手をすれば高嶺祭前日とかになるんですから・・・練度を上げていきましょう。


           ・・・


水野です。カントクとは一応、彼氏彼女な関係にはなりましたが、大したことをしているわけでもありません。


なんと、ウチに泊まったことすらありますが、徹夜で脚本を書いていただけです。

父は中央高出身なので、劇の脚本と進行と聞いて・・・「まあ、多分だけど何もおこらないから、ママも安心して。泊まってもらって大丈夫だと思うよ」

と、母を宥めていました。

と、言いつつも、「これ、念の為ね?」と、新品のコンドームを一箱渡してくれましたが・・・ウチでは使う機会はなかったです。


彼の家に泊まったときも、家族は大歓迎してくれて、夕食も豪華でした。

でも彼の箸は進まず、一応私のことを気遣って明るい笑顔で会話には参加していましたが、自室に戻ってからは酷い状態でした。

一番、企画自体が煮詰まってしまっていたころだからです。


その日は一緒のベッドで寝ました。私は女子高生なりの勝負下着で、マジで下着で寝るんか、これじゃ完全に私から誘っていると言われても反論できないな、と思いつつ彼のシングルベッドに先に入りました。

普段はパジャマ着てますからね。


彼は男子高校生としては普通なのかそうでないのかちょっと分かりませんでしたが、下着のボクサーパンツとTシャツでした。

こりゃ、臨戦態勢ってやつか、と思いつつ、


カントク、あまり思い詰めても体にも頭にもよくないよ。今日は一緒に寝よう?


と言いつつ、あー、これ、完全に誘いのセリフだなー。まー、今日が散り時か、なんて思ってました。


そしてあらかじめ枕元に隠しておいたその箱を取り出すと、彼もまったく同じ箱を持ってました。


「親に渡されたんだ。まあ、するなら付けるべきとは思うよ」


お父さんにもらったの?


「まあね」


私もお父さんにもらったの。


「なんで同じメーカーなんだろうな」


わかんないけど薬局やコンビニで一番目立つところに置いてあるんじゃないのかな?


「見るからに同じ製品だよな。数字も一緒だし」


そうね・・・


私が先に笑いだしてしまったせいか、二人で声を抑えた大爆笑?のような状態になりました。


しばらくして、笑いが収まった状態で彼が言いました。


「なんか・・・枕が二つあるんだね。気が効いているというかなんというか・・・でも狭いよな」


狭くていいよ。してもしなくてもいいけど、くっついて寝ようよ。

一応、二つの枕の下には、それぞれの箱を置いておこう?


「それではありがたく寝ることにします。下着姿の女子が自分のベッドに寝ているというのは非常にエロくて有り難いですが、現実感がないね」


歯磨きもしてあるし、キスくらいなら許可しよう。


「僕もしてある。勇気が出るかどうかはともかく、布団に入らせてもらうね」


結局、くっついて寝ましたがキス以上には進みませんでした。


睡眠不足のせいか、すぐ寝たのはいいんですが、最初、譫言(うわごと)のように、ぶつぶつ呟いていたかと思うと、突然硬直したりして、結構ストレスで酷い状況のようでした。

手足も最初は凍っているかと思うほどの冷たさでした。


ずっと睡眠不足が続いているのは学校でもわかるほどでしたので、彼が眠れるように逆抱きまくらになって少しでもストレス解消してあげようって思うほど、酷い状態だったと思います。


まあ、私もしばらくして寝てしまいました。


           ・・・


翌朝、目が覚めると至近距離に彼の顔がありました。

あ、泊まったんだ、と思い出しつつ、正直、結局しなかったな、とも思ったりもしました。


しばらくして、彼が目を覚ますと、声こそ出しませんでしたが、「うわっ」っという表情になり、飛びのこうとしました。


カントク、手足をからめているので離れられませんよ?


「まいったな・・・起き抜け至近距離美少女は心臓に悪いよ・・・」


褒めても何もでませんよ。それにウチのクラスは美少女だらけじゃないですか。

私なんて並でしょう?


「それはウチのクラスがおかしいだけで、水野さんなら完全に、並、という表現を越えた存在です。それに僕こそ、自分を褒めても、並、が関の山です」


女子が必ずしもイケメン好きとは限りませんよ。私はカントクの顔、嫌いなんて思わないですよ。むしろ好きです。


「・・・ありがとうございます。あの、朝というのもありますが、生理的現象とういうだけでなくちょっと・・・」


はい、下腹部に感触だけは感じてます。今からでも遅くはないでしょうか?


「・・・やめて下さい、いや、イヤというわけではなくてですね。すでに朝ごはんの準備がされているにおいがしますから・・・本当に理性が飛びそうです・・・」


まあ、私もカントクのママが生暖かい体液の飛び散ったシーツを洗うところを想像すると恥かしくなりますから、やめておきましょう。

一応それなりに覚悟を決めて来たんで・・・三度目の正直、でよいですか?


「・・・努力します・・・」

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