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女神(邪神)様はカプ厨!  作者: ぺんぎん
第三章

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調査内容を聞こう


『――とまあ、こんな感じね!』

『なるほど。少なくともあと五倍くらいの信仰心が必要になると』

『うん、多分だけどそれくらいは必要になると思う』


 お借りしている自室に戻ってきて、エスカリテ様が調べてくれた内容を聞いたところ、やっぱり結構な信仰心が必要ってことが分かった。でも、今の五倍って。とはいえ、すぐに信仰心が増えるとも思ってなかったからね、十年くらいで達成する感じでやっていきたい。急ぎ過ぎてやらかしちゃったなんてことがあったら大変だ。


 色々まとめると、勇者エイリスさんに刺さっている魔剣は「魔剣ブラック」……そのまんまやん。まあ、名前はともかく、その性能はすさまじく、時を操る魔剣とも言われていて天界でも結構な部類に入る神器だとか。


 未来に行くとか過去へ行くとかそういう感じではなく、斬りつけた相手の時を操作するという感じらしい。ただ、発動には相当な魔力が必要で、対象の時を止めるなんてのはかなりの魔力を使ったに違いないとのこと。人が使用するのは難しいため、魔王ベルトさんが神に操られたとき、逆に操られた時の神々の魔力を魔剣に使ったかもしれないとのことだ。それが本当ならベルトさんはすごいね。これが愛のなせる業か……!


 そんな状態ではあるけど、魔剣は確実にエイリスさんを貫いているわけで、魔剣を引っこ抜いた直後から時が動き出して、血が噴き出して死んでしまうとか。心臓に掠っている状態なので、エスカリテ様は魔剣を抜いたと同時に治癒を施す必要がある。魔剣を引き抜くことよりもエイリスさんの治療で信仰心が必要だそうだ。


 神様なので生き返らせるということもできなくはないけど、そのための信仰心は天文学的な数値になるそうで、はっきり言って無理っぽい。なので、治癒用の信仰心を溜めるのが常識的な対処になるとか。


 ただ、それでもちょっと不安なので保険をかけたいらしい。


『魔道具とか神器が必要なんですか?』

『なにかあった時のための補助って言うか、サポート的なものが欲しいかなって』

『天界にあるんですか?』

『それが貸し出し中でないのよ! あんなにバラまいちゃって、もう!』


 神器の貸し出しはカードに書くんだっけ? 天界にないってことはこっちの世界にあるってことか。誰が持っているのか分かるのかな? それなら取りに行くというか返してもらえばいい気がする。


『なら探しに行きましょう』

『いいの!?』

『必須ではないかもしれませんけど、安全性が高まるならあった方がいいですよ』

『マリアちゃん最高! 誰かが持ってたり、どっかのダンジョンに置かれていたりするけど、大体の場所は分かるから任せて!』

『え? ちょっと待ってください。交渉はともかく、ダンジョンにあるなら危険じゃないですか。私じゃ無理ですよ』


 さすがに本職の冒険者みたいにダンジョンの奥深くまでは行けないぞ。だいたい、そういうお宝は最下層の宝物庫にあって強いガーディアンが守ってるって相場が決まってんだ。ドラゴンとかいたら困るよ。


『いやいや、さすがにマリアちゃんに行かせるわけないでしょ。ダンジョンの方は冒険者ギルドで頼めるんじゃないの?』

『ああ、なるほど。確かにその通りですね』


 依頼料さえ何とかなれば危険なダンジョンでも冒険者が行ってくれるからね。場所によっては上級冒険者に頼むしかないかもしれないけど。さすがにその辺の冒険者に頼んで命を落としたとかになったらご飯を美味しく食べられないよ。


 ……あ。よく考えたらすごい人がいたよ。その辺のダンジョンなんかすぐに踏破できる。それに信頼できるから取ってきた神器を持ち逃げされるような心配もない。


『エスカリテ様、うってつけの人がいました』

『ダンジョンに行ってくれる冒険者で? 誰の事?』

『孤児院の先生です。ロディス先生』

『ああ、マリアちゃんがお世話になった人ね。英雄って呼ばれているんだっけ』


 実は私も最近まで知らなかったけど英雄らしい。出入りの商人に滅茶苦茶ぼったくられていて、孤児院はいつも貧乏だったから英雄なんてイメージはなかったけど、強かったのは間違いない。たまに遠征とか言ってどこかに行っちゃうから孤児院の皆で団結して生き延びたもんよ。


 しっかし、あの先生、なんかずれてんだよね。強いのは強いんだけど、知識やら何やらがちぐはぐで、庶民のことを知らない貴族様かと疑ったこともあったよ。生まれは普通に庶民らしいけど、よくあの年まで普通に生きてこられたなと感心したもんだ。たしか五十前だったかな。でも、全然衰えていない感じだから、現役冒険者に引けは取らないと思う。


『王都に戻ったら一度辺境に行くつもりなので、その時に先生に頼んでみましょう。結構な仕送りを送ったんですから、それくらいやってもらわないと』

『さすが立ってる相手は神でも使っちゃうマリアちゃんね。育ての親だって容赦なく使っちゃうんだから』

『先生には育ててもらった感覚はあまりないんですけどね。たまに魔物の肉を持ってくる遠い親戚くらいの感覚しかない……』

『先生が聞いたら泣いちゃうから言っちゃダメよ』


 孤児院の経営自体は皆でやってたようなもんで、先生はほとんど何もしてなかった感じなんだけどな。戦闘技術を教えてくれたことには感謝しているけど。あと、市場価格の把握とお金の計算ができれば完璧だったのに。


 まあいっか。誰にでも得手不得手はあるもんよ。全部ひとりでやる必要はないってことをあの孤児院で学べたってことにしよう。私なんかほとんど何もできないからね。料理関係はガズ兄ちゃんにお任せだし、魔法関係で何かあったらみっちゃんにお願いしよう。


 さて、ダンジョンの方は問題ないだろうけど、神器や魔道具を誰かが持っていた場合だよね。それは私が交渉した方が良いんだろうけど、主に武力での交渉しかできない私にはハードルが高い気がする。大体お金持ちが持ってそうだし、何らかの交換条件とかならいいんだけど、完全にお金になると払えそうにないんだよね。


 これは出たとこ勝負かな。何を要求してくるか分からない以上、対策のしようがない。一応、エスカリテ様が補助として使いたいくらいの物だし、交渉決裂になってもいいくらいの気持ちでやろう。もしくは交渉で誰かを雇うか。


『ところでマリアちゃん』

『どうしました?』

『外には出ないの?』

『今のところ特に出る予定はないですけど』


 大司教様とかに会いたくないしね。君子危うきに近寄らずは人生において一番大事な戦略だよ。向こうから来たら仕方ないけど、さすがにそれはないでしょ。たぶん、偶然を装うはずだから外へは出たくない。出たとしても教皇様や司祭様と一緒にかな。冒険に出るときはパーティを組むのが常識だ。RPGで学んだ。


 今、教皇様は帰還後の報告とやらがあって会議に出ているけど、大司教様は出席しているかどうか分からない。司祭様にその義務はないみたいだから、暇している可能性はある。状況的に出たくはないんだけど、エスカリテ様は何かやりたいことがあるのかな。私としてもいい香りがした焼き鳥は食べたいが。


『外に出たいんですか?』

『カップルウォッチングを嗜みたいとは思ってるかも』

『さっきまでエイリス様のために燃えてたのになぁ』

『そのせいで刺激されたの! 私の中のカプチュウが! それにコトちゃんの肖像画を見て、あの頃の記憶が蘇ってきたわ!』

『ああ、エントランスに飾ってありましたね』


 ずいぶんと若い頃の絵だったけど、確かに今の教皇様に似ている。それにエイリスさんを初めて見たけど、姉妹だから当然そっちも似ているよね。


『よく二人で道行くカップルの馴れ初めを想像したものよ……やっぱり、騎士が姫を連れて逃避行って夢のある話よね? 追手にばれないように、庶民として暮らす……控えめに言って、最&高……!』

『そういうのは創作の中だけです。絶対に二日くらいで姫様が音をあげますよ』

『マリアちゃんは夢がないよね……』

『神様なんだから現実を見ましょうよ』


 ロマンチックを求めすぎちゃいけない。理想はあるけど白馬の王子みたいに迎えに来るなんて思ってないよ。サンタクロースと同じくらいないね。むしろこっちから迎えに行く。そして自分アピール。炊事、掃除、洗濯、格闘、ある程度は何でもできる技術はあるぞ。あと、将来的に美人になる可能性はある。可能性だけなら無限大だ。


 そんなことよりも、私も焼き鳥の香りを思い出したら食べたくなってきた。ここはリュートちゃんと司祭様を呼んで町へ繰り出すか。それに信仰心のためにエスカリテ様のアピールもしておかないとね。


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