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女神(邪神)様はカプ厨!  作者: ぺんぎん
第三章

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70/90

勇者さんに会おう


「なるほど、大司教様は何を考えているか分からないタイプだと」

「そうなります。権力を得たいというほどでもなく、かといって無欲でもない。無能であれば楽なのですが、優秀なのが問題ですね」


 教皇様の部屋から直通で神殿の地下へ行けるようで今はその階段を降りている。螺旋階段はちょっと怖いけど、灯りはあるから大丈夫だろう。結構な段数があるらしいので、その間に大司教のアリオン様のことを聞いていみた。


 結果、よく分からん、という感じだ。別になにかしでかしているわけでもないし、大きな失敗もない。部下からは慕われているようで、担当区域の巫女さんからも信頼が厚いとか。


 ただ、普通の真面目な人と断定はできない模様。なにかこう得体のしれないものを教皇様は感じているそうだ。他の人はそう思ってないみたいだけど、私も教皇様と同じでなんとなく危険な感じがする。イケオジだしね。同じイケオジでもカフェ&バーの店長さんはそうでもない。不思議だね。


 これは私が前世で騙され続けたから、悪い男を見極める能力が身についたのかもしれない。当てにはならないけど、なんとなく危険な感じなので出来るだけ近づかないようにしよう。


 とはいえ、今のところ教皇様と私くらいしか大司教様を危険視していないんだよね。司祭様はどうだろう?


「司祭様はアリオン様をどう思います?」

「実はお目にかかったことはありますが、話をしたことがないのです」

「え? そうなんですか?」

「はい、なので何とも言えないのです。ただ……」

「ただ……?」

「なんとなく避けられているな、と思ったことはあります」

「避けられている?」

「なんとなくですよ。ただの偶然かもしれません」


 神殿には年に何回か集まる会議みたいなのがあって、他の地域の教団関係者と交流を深める場にもなる。そのため司祭様も何度かここへ来ているけど、一度もアリオン様と話したことがないそうだ。司祭様を避ける理由がわからないけど、本当だとしたら何か秘密があるのかな?


『エスカリテ様はどう思いました?』

『あの男性のこと? 変な感じはしたけど、はっきりしたことは分からないかなぁ』

『変な感じがしたんですか?』

『うん、もしかしたらなにかの神器を持っているのかもね』

『神器を?』

『神器の中には力が強すぎるのがあってね、人が持っていると神や天使はその人に違和感を持っちゃうのよ』

『なるほど……私が借りている指輪もそうなんですか?』

『それはそこまでの力がないから大丈夫』


 魔法の絶対防御ってかなりすごいと思いますけどね。それはともかく、大司教様は神器を持っている可能性があるのか。何をどう入手したのかは分からないけど、エスカリテ様が違和感を感じるほどの神器ならちょっと危ないかも。危険度が増したね。


 神殿では教皇様の近くにいれば大丈夫だよね。それに司祭様に近寄ってこないなら司祭様といればいいのかも。あと神殿の中でもリュートちゃんとできるだけ行動を共にしよう。大事なのは一人にならないこと。ホラー映画と一緒だ。一人になったとたんにあぶねぇんだよ。なんで別行動するかな。


 そんな話をしていたら最下層に到着した。結構な深さまで降りてきたけど、こういう地下を見るたびに良く作ったなとか思えてしまうよ。ゲームによくあるラストダンジョンとか誰がどうやって作ったんだろうね。それに最強装備をなんで置いとくかな。ラスボスは最強の剣とか捨てなよ。


 おっと、どうでもいいこと考えてた。集中集中。


「この扉の先です。開けますがエスカリテ様は大丈夫でしょうか」

「ちょっと聞いてみますね」

『大丈夫! 大丈夫だからパパッと開けて!』

「大丈夫みたいです」

「分かりました。では開けますね」


 教皇様は鍵を取り出すと、それを鍵穴に入れて回す。カチッと小気味良い音がしてから、教皇様は扉を押し開けた。


 それと同時に部屋の中に明かりが点く。どうやら魔法で管理されているみたい。教皇様が中へ入ったのでそれに続くと、大きなドーム型の部屋の中心に氷漬け――いや、水晶かな? 大きな水晶が置かれていて、その中に女性がいる。これがエイリスさんか。


 茶髪のロングでめっちゃ美人。私よりちょっと年上かな? なにやらすごそうな鎧を身に付けているけど、その鎧を突き破って剣が胸を貫いている。目を背けたくなるような感じではあるけど、血は一切流れてない。それに顔も穏やかだ。生きているって感じはしないんだけど、それは時が止められている状態だからということらしい。時を止めるのと水晶で覆っているのが魔剣の力なのかな?


 刺さっている魔剣は、魔剣というだけあってなんか禍々しい感じがする。刀身も真っ黒で深淵とか漆黒という名前が付きそう。それに柄のところに埋め込まれている宝石も真っ黒だ。なんだろう? 人の目っぽい感じもするけど、そう思ったら不気味さが増したね。あまり見ないでおこう。


『ああ、エイリスちゃん、あの時のままずっとここにいたのね……!』


 エスカリテ様の声の感じから感情は分からないけど色々な感情が混じっているのかも。助けられなかった後悔とか、生きていてくれた感謝とか、放っておいた申し訳なさとか。ここは話しかけない方がいいかな。しばらくは二人だけの時間にしてあげよう。それじゃ私はこれからのことを考えないとね。


 結局、エスカリテ様への信仰心が増えないとエイリスさんは助けられない。そのためにも信仰心を稼がないといけないけど、どれくらいって目安がない。ここはエスカリテ様に状況を見てもらってからあとどれくらいって調べてもらうしかないかな。


 そしてエイリスさんと同様に魔国にいる魔王ベルトさんの方も何とかしないといけない。すぐには無理だけど、今度、魔国へ行かないと駄目だね。そっちもエイリスさんと同じようにどれくらいの信仰心が必要なのか調べないと。


 この辺りを教皇様と司祭様に話したら、二人とも頷いてくれた。


「そのあたりの調整は私の方でやりましょう。何かしらの理由を付けてマリアさんを魔国へ派遣するという形と取ろうかと思います」

「ありがとうございます」

「勇者エイリス様と魔王ベルト様を助けるのはコト様の悲願、ひいては我が一族の悲願なのです。それをこの目で見ることができるなら、どんなことでもするつもりですから何でも言ってくださいね」

「私もできる限りサポートさせていただきますので、何かあればすぐにご相談を」

「司祭様もありがとうございます」


 頼れる仲間がいるって嬉しいね。でも、出来ればもっと仲間が欲しい。信頼できそうな人に協力を仰ぐのはアリだと思う。私からすれば孤児院の皆は信頼できるんだけど、どうだろう?


 そもそもこれってバレちゃいけないのかな……いや、ダメか。教団の在り方というか、教団が出来た理由がアレだし、天使様たちを騙していたのもある。それに天使様たちは魔王さんを脅威だと思ってるみたいなんだよね。あの高慢なディアナさんがそんなことを言ってた。何かの妨害があるかもしれないし、少なくとも救い出すまでは公表できないね。


 いつかはばれるかもしれないけど、それはエイリスさんとベルトさんを助けたあとだ。助けてしまえばちまえばこっちのもんよ。よく考えたら、エスカリテ様は信頼できる天使っていないのかな……あれ? それ以前にエスカリテ様の天使っていないの?


『うおおおお! 燃えてきたぁ!』

『うわ、びっくりした。なんですかいきなり』

『マリアちゃん! 私やるよ! 絶対にエイリスちゃんとベルトちゃんを助ける!』

『はい。私も巫女として頑張りますので、お二人を助けましょう』

『うん! 二人の結婚式を派手に祝うって今決めた! これ以上ないってくらい祝福するわ! 太陽をもう一個くらい作る!?』

『それは止めましょう』


 そんなことできんのかい、ってツッコミは入れんぞ。そんなことができるなら、私の彼氏のことについてもちゃんとやって欲しいところだ。ハードルは上げないで欲しいけど。まあ、全部が終わってからだね。


 さて、それじゃエスカリテ様に魔剣のこととか調べてもらってどれくらいの信仰心が必要か算出してもらおう。私も二人を助けるためにあらゆる知識を総動員しちゃうぜ。次はどんな形で信仰心を得ようかな。


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