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女神(邪神)様はカプ厨!  作者: ぺんぎん
第二章

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59/89

難しいことは考えない


「どうもありがとうございました」

「呪病で無事だったのはマリアちゃんのおかげだからね、なんてことないよ」

「それでも重い物ですから。そうだ、これ、少ないですけど、受け取ってください」

「カレー粉ってこんなに気軽に渡してもらえるもんじゃないんだけどね。でも、ちょっと期待してたのもあるんだ。ありがたくいただくよ」

「はい、どうぞ。では皆さん、お気をつけて」


 石像を運んでくれた冒険者さん達にお礼としてカレー粉を渡した。皆嬉しそうだったな。ルルさんに渡した分の四分の一くらいだけど、あれだけでも結構なお値段になるらしい。お礼としては破格だったかもしれないけど、数人ががかりとはいえ、等身大の石像を運ぶのは大変だからね。お金に換えるもよし、食べるのも良しだ。


 でもねぇ、このタイミングでこの像が見つかるものかな。王都で化粧品が出回ったことに影響しているのかも。像の所有者の奥さんが美容にお金をかけるようになるって、結構な呪いだよね。そのおかげで綺麗にはなったみたいだけど、コスメが出回ったから結構な散財だったみたいだ。ごめんね、冒険者さん。


 でも、さっきから神様たちは像を見てなにしてるのかな?


『どう見てもミナイルの像よね?』

『俺が見てもそう思う。この高笑いしている感じが最高に似てるな』

『しかも魂が何かと繋がってるわよね?』

『エスカリテが俺の像を見て何かと繋がっている感じがするって言った気持ちが分かったぜ。こりゃ、ミナイルも何かに転生してるな』


 冒険者ギルドで邪神像の破壊をしていたら、ミナイル様の像があった。でも、それを見た神様がそろって「うわぁ」って言う神様って何さ。こちらとしては石鹸とかコスメでお世話になった神様だから、しっかりと感謝したいんだけど。


 それはそれとして、どうやらミナイル様も何かに転生しているらしい。ギザリア様は猫だったけど、ミナイル様はなんだろう。犬かな? 美を極めるとかいう神様だったらしいから、ファンタジーの美形の定番、エルフに転生しているかもしれないね。ドワーフに転生してたら、悲しんでるかも。ドワーフは大人になっても愛嬌があるタイプだから大人になっても可愛らしいイメージしかない。美とは方向性が違うよね。そもそも女性として転生してるかな?


 そういえば、ドワーフって言ったらお酒好きで酒豪が定番だ。ギザリア様がドワーフに転生していたらよかったのに。よりにもよってお酒が飲めない猫とは。何かの因果を感じちゃうよ。


 さて、教会の掃除も必要だけど、まずは石像を磨こう。結局広場は素通りだったからね。カップルさんがいたのでカレー粉は渡してきたけど、さすがに像を運んでもらうのに広場でカップルを見ているわけにはいかないよ。エスカリテ様もミナイル様の像を見て、なにか普通のテンションに戻ってるし、おかげで時間が空いたんだから有効活用しないと。


『マリアちゃん、ミナイルの像を磨くの?』

『はい、石鹸の件でお世話になってますからね。エスカリテ様のミニ石像もそうですけど、石鹸のおかげで他国も徐々に回復してきてるそうですから』


 石像は製造に時間がかかるからね。ソナルクさんが石鹸を作る方が数は多いし、お手軽で運びやすいから喜ばれているらしい。それにそもそも石鹸としての効能も高いから人気だとか。レシピの公開で自国でも作れるだろうけど、性能が良い石鹸はなかなかできないんだろう。なんか注文が増えたらしいし、ソナルクさんは大忙しだってルルさんが言ってたな。


 ソナルクさんへのお土産はルルさんにお願いしから、それで疲れを癒してほしいね。今、ルルさんとソナルクさんはご近所さんらしいからお願いしたけど、今度また一緒に食事をしたいもんだ。カレー味のポテトフライ、病みつきだぜぇ……!


 おっと、考えながら像を磨くのは失礼だよね。ちゃんと心を込めて磨こう。コスメ、ありがとうございます。素敵なお風呂時間を過ごせてます。今日も帰ってきてからすぐに一風呂浴びられたし。もちろん、コーヒー牛乳とセットだ。腰に手を当てて一気に飲むのがマナー。


『マリアちゃん! 私の像も! 私の像も磨いて!』

『順番にやりますから。ギザリア様の像も磨きますからちょっと待ってくださいね』

『おお、あんがとな。あまり気にしねぇけど、綺麗にしてくれるのは嬉しいわな』

『どうよ! うちのマリアちゃんは!』

『おめぇには出来過ぎなほどの巫女だとは思う』

『よぉし、その喧嘩買った!』

『やんのか、こらぁ! ……いや、待った』

『え? 何よ?』


 やんのかステップ中のギザリア様が普通のお座り状態になって首を傾げてる。私もつられて首を傾げた状態になったけど、たぶん、エスカリテ様も同じ状態だろう。でも、どうしたんだろう、なにか考えているみたいなんだけど。


『マリアが俺と話せるってことは俺の巫女でもあるんじゃね?』

『な、な、な、なんですってぇ!?』

『え? そうなるんですか?』

『オラクルの才能は一柱の神との会話しかできねぇけど、俺の巫女である可能性もあるだろ? もしかしたらマリアは誰とでも話せるオラクルなのかもしれねぇけど』

『他の神様とは話したことないですけどね』


 戦神マックス様や草神ドバ様、それに虫神ロシダス様も話したことはない。そもそも話そうともしてないけど、すくなくとも巫女さん達の会話は聞こえなかった。たぶんだけど、ギザリア様の話は違うと思うな。


 でも、違いがあるとすれば……神様と天使の違いかも。今の神様たちは天使がそう名乗っているだけで神じゃない。エスカリテ様は本物の神だし、ギザリア様も転生前は神。転生後はどういう扱いなのかは分からないけど、神に近い猫だっていうし、違いがあるとすればそこくらいかな。でも、ギザリア様の今の状態ってなんなんだろう。神様なのかな?


『ちょっと待った! マリアちゃんは私の! 私の専属だから!』


 おっと、まずはエスカリテ様のフォローだ。それは司祭様にも言われているから間違いないんだよね。


『私はエスカリテ様の巫女ですよ。洗礼の儀で司祭様に調べてもらった時に私はエスカリテ様の巫女だって聞きましたから。まあ、専属なんでしょうね』

『でしょ! でしょ! どうよ!』


 事情があったとはいえ、誰も覚えていないカプ厨の女神だとは思わなかったけど。悪い神様じゃない、むしろ良い神様。でも、ちょっと残念な姉って感じもする。


『ふうん。でも、なんだろうな、これ。エスカリテに会えたのに驚いて今まで違和感なく話しちまってたが、どう考えてもおかしいよな?』


 確かにそう言われるとなんでギザリア様の声が聞こえるんだろう。これあれか、世界初の特殊な力に目覚めたわけだ。世界が私を選んじまったか……!


 ……おっといけない。大昔に封印した心の闇が溢れた。あれは中学二年生までだ。指ぬきグローブはもう卒業したんだよ。それに別に困るようなことでもないし、むしろありがたいことじゃない。


『まあ、なんでもいいんじゃないですかね。私はエスカリテ様の巫女でギザリア様と話せるってだけってことですよ』

『その軽さはエスカリテに似てるよなー』

『……今のは遠回しに私を褒めたの? ギリ貶されてない……?』

『似てるって言っただけで、別にどっちでもねぇよ』

『そっか、そうよね……?』


 軽いと言った部分が抜けてるけど、面倒なことになるので黙っていよう。でも、仕組みに関しては神様でも分からないんだ? じゃあ、この仕組みを作った存在って誰、というかなんなんだろう? そもそも神って何って話にもなってくるんだけど。


 ……どうでもいいか。そういう哲学的なことは私の分野じゃない。そういうのは学者さんが考えることで普通の庶民は考えない。この世界には大地があって、海があって、天界があって、神様がいて、天使がいて、私達がいるってだけの話だよ。


 それに庶民は最優先で考えるべき問題がある。それは今日の夕食。ギザリア様が増えたんだから献立もしっかり考えないと。


『そんなことよりもですね、夕食は何にします? 私はカレー粉を使った野菜スープにしますが。もちろん肉は入れます。あれはマスト』

『私、カレー味のポップコーンが良い! 絶対に美味しいはず!』

『俺は焼き魚かなぁ。猫になってから魚がうめぇ』

『分かりました。なら準備しますので、喧嘩しないで待っててくださいね』

『仕方ないわね、ここは休戦にしましょう』

『たりめぇだ。料理人を怒らせたらろくなことにならねぇのは神でも知ってら』


 聞き分けの良い神様たちで何より。そんじゃ、腕によりをかけて作りますかね。私の料理に舌鼓を打つといい……!


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― 新着の感想 ―
 猫になってから魚が美味いとかんじるなら、クリームも大好物になってそうで微笑ましい気分になりました。前世の記憶でお酒が飲みたい辛党なのに、今世の体で甘党路線になるなんて本人にとっては悲劇でしょうか?
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