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女神(邪神)様はカプ厨!  作者: ぺんぎん
第二章

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お土産のことを聞こう


 カフェ&バーの店長さんはお土産のカレー粉にすごく喜んでくれたね。驚いた顔で受け取っていいのか聞いてたけど、お土産なんだから当然。良いお土産を渡した後は気分が良い。ここはしっかりと他のところへも渡しにいかないとね。


 中央広場の噴水でよく待ち合わせをしているカップルさんたちはいなかった。また後でかな。となると、大聖堂の方は司祭様が持って行ってくれるから私が届ける必要はないし、ガズ兄ちゃんには渡したからお店の方は大丈夫。店長さんを経由して畜産場のシュノアさんたちにも渡るからそっちも問題ない、と。


 そういや、エルド様にカレー粉のお土産なんて良かったのかな? 司祭様が喜ぶと思いますって言ってたから渡したけど、こんなんでいいのって思っちゃう。司祭様が言うんだから大丈夫だと思うけど、駄目でも司祭様のせいにしよう。


 でも、気になる。司祭様は終始アンニュイな感じだった。しかも私の顔を見てため息をつくとかどういうこと? 確かに悪女ムーブしたけどさ、そんなに私を聖女にしたかったのかな? 申し訳ないけど、御免被る。


 まあ、それはいいや。あとは冒険者ギルドのルルさんと錬金術師ギルドのソナルクさんだ。うん、ここは冒険者ギルドへ向かおう。ルルさんとソナルクさんは仲がいいから一緒にいるかもしれないからね。そうと決まれば出発だ。


『待った! マリアちゃん、もう少し待って!』

『一応聞きますけど、どうしました?』

『まだカップルを見たい! やっぱりこの国の王都は最高よ! 祝福あれ!』

『喜んでもらえたら何よりですが』

『他国に行って分かったけど、この国のカップルはいい! べたべたする感じじゃなくて、ちょっとためらいがちな距離感が最高! カップルマイスターとして貴方達は最高だと認定します!』


 カップルマイスターって何さ。というかエスカリテ様のテンションがおかしい気がする。でも、今回はエスカリテ様すごく頑張ってくれたし、カップルの鑑賞に関しては何も言わないでおこう。とはいえ、まずはお土産を渡しに行きたい。帰りにもう一度寄るってことで先を急ごう。


『お土産を渡したらまた寄りますから、先に冒険者ギルドへ行きましょう』

『ぐぬ。まあ、仕方ないわね。でも、大丈夫、私、好物は最後に食べる派だから』

『……ギザリア様、エスカリテ様って昔からこんな感じだったんですか?』

『昔はもっと酷かったぞ』

『もっと酷い!?』

『ほらほら、二人とも何してんの、すぐにお土産を渡して広場に戻らないと!』


 大昔のことだからギザリア様の思い違いかもしれないし、あまり突っ込んで聞かない方がいいかもしれない。それに酷いとはいってもテンションがもっと高いって意味だろう。うん、そういうことに決定。世の中、知らなくていい事って多いもんだ。


 そんなわけで冒険者ギルドに到着。


 冒険者の皆さん、魔物退治、いつもお疲れ様です。冒険者さんは命懸けの仕事が多いからお仕事には注意してほしいね。


 ……はて? なにか掲示板にものすごい量の紙が張られてない? クエスト用の掲示板じゃなくて情報提供用の掲示板だけど。なになに、魔物の生息地情報、今日の天気予報、この草にピンと来たら即採取……なにこれ?


「マリアちゃーん」


 最近、クールビューティーという称号がなくなっている感じのルルさんが笑顔でこっちにやってきた。しかも石鹸とかコスメでルルさんの攻撃力が上がってる。遠巻きに見ている男性諸君、私と比較するなよ。


「ルルさん。お久しぶりです」

「うん、久しぶり。聞いたわよー、ルガ王国でも大活躍だったんだって?」

「いえいえ、大活躍はエスカリテ様で、私は余計なことしかしてませんよ」

「ああ、悪女とか悪い巫女とか略して悪巫女とか言われているみたいねー」

「もうそんな情報が届いているんですか」

「教団が発表してたわよ。まあ、仕方ないわよね、ああしないと周辺国が黙っていないだろうし。こういう役を引き受けちゃうのがマリアちゃんよね」

「……んん? ええと、まあ、そうです、ね?」


 役って何? 悪役令嬢的な? それにルルさんの目がものすごく優し気だ。周囲の冒険者さん達からも同様な温かいまなざしがこっちに向けられているような? どういうこと?


「にゃーん」

「え? 猫ちゃん!? 可愛い! マリアちゃんの猫なの?」

「ええ、ルガ王国から連れ帰りました」

「白い猫って珍しいわねー、名前はなんて言うの?」

「あー、ええと、ギザリア様です」

「ギザリア……様? 確かに高貴そうに見えるわね。ギザリア様、私はルルです。よろしくね」

「にゃ」


 ギザリア様の名前、そのままでよかったかな? 別に問題はないだろうけど。しかし、クールビューティーが笑顔で猫と談笑か。お金とれるレベルだね。周りの冒険者さん達もレアなものを見たって喜んでる。分かるよ。


 っと、それはともかくお土産……の前にこれのことを聞いておこう。


「ルルさん、これってなんです?」

「ああ、これね、マリアちゃんと同じ巫女様が情報を提供してくれてるの」

「私と同じ……」

「クフム様とトッカ様」

「ああ、あのお二人が」


 話を聞いてみると、エスカリテ様が持ってきた資料でお二人の才能というか天使様の知識が向上した。呪病が蔓延した時もお二人は無双状態だったけど、私がルガ王国へ行っている間にさらにパワーアップしていたみたいだ。


 魔物の生息地や天気予報に関してトッカさんが虫から情報が得ているとか。特に天気は各地にいる虫たちからリアルタイムで情報が送られてくるようで、その情報を元に教団の職員さんがギルドまで届けてくれているそうだ。


 草に関しても、クフム様だからこそエキスを抽出できる特別な草を募っているみたいで、持ってきたら即座に購入するっていう依頼書みたいになっているとか。それにポーションにしなくてもその場で使える応急処置的な草の情報も出しているらしい。


 お二人が活躍していると思うと嬉しいね。戦闘では役に立ちそうにない神様の巫女だから他国にスカウトされなかったらしいけど、多くの人の役に立てるほうがすごいってもんよ。


 ルルさんの話だとギルドではこの情報のおかげで草神ドバ様と虫神ロシダス様を信仰している人も増えているとか。ここだけはちょっと失敗しちゃったね。ライバルを作っちゃったよ。しかも強敵とかいて「とも」と呼ぶ、最強のライバルになりそう。負けらんねぇぜ。


 まあ、それはそれとしてまずはお土産だ。


「ルルさん、これ、お土産です」

「え? お土産? 私にくれるの?」

「はい、いつもお世話になってますから」

「お世話になってるのはこっちなんだけどね。でも、ありがとう」

「いえいえ、どういたしまして。カレー粉なんで日持ちしますから。それに香辛料を加えてオリジナルのカレー粉を作るのも――ん?」


 はて? ルルさんが固まっちゃったぞ。パソコンのフリーズみたいに止まってるんだけど、どういうこと? なんか周囲の冒険者さん達も止まってる? もしかして、私って何かの攻撃を受けてる?


「カレー粉……?」

「あ、動いた。驚かせないでくださいよ」

「マリアちゃん、それは私のセリフだと思うの」

「えっと?」

「カレー粉って希少な物だからお土産にならないと思うんだけど。しかもこの袋に詰まってるんでしょ? これだけで結構なお値段だと思う」

「希少? だって王都のお店でカレー粉を扱っている店がありましたよ?」

「だからそれが高値で売られているんだって」


 なんてこったい。いつか買いたいとは思っていたけど値段までは見てなかった。くそう、前世の癖が抜けてねぇ。スーパーとかで余計な買い物をしないように、買うものを決めてから目的の物をヒットアンドアウェイで買う癖がここで出てしまったか……スパイシーな調味料を買った時にちゃんと値段を見ておくべきだった。


 でもさ、カレー粉だよ? なんで高値で取引されてんの? ルガ王国でこれでもかって作っちゃったけど。


「なんで高値なんですか?」

「南の国でしか作れないの」

「他の国は作り方を知らないってことですか?」

「そうね。色々な香辛料の混ぜ合わせだっていうのは知ってるけど、何をどれくらい混ぜるのかは秘密になってるの。国の産業に関わることだから、カレー粉に限らず、そういうのを秘匿にしている国は結構多いわよ」


 やべぇ、やっちまった。昔の転生者が南の国で作って、それを秘密にしていた可能性がある……うん、大丈夫。これはエスカリテ様の知識です。ガズ兄ちゃんにもそう言ったから何の問題もない。私は悪くない。


「これはエスカリテ様の知識ですから大丈夫なはず」

「そうね、神様の知識なら国も文句言えないわよね」

「そうですよね」

「それにしてもエスカリテ様って博識よね、カクテルとか石鹸とかもそうだし」

「はい、エスカリテ様はすごいです」


 うん、こうやってエスカリテ様の株を上げていこう。あと、迂闊な行動に気を付けないと……無理かもしれんが。まあいいや、エスカリテ様の知識ってことにすれば万事解決だ。私には神様っていう最強の盾があるんだ。カプ厨だけど。


『なあなあ、カクテルって俺の家から資料を持ち出したのか?』

『勝手に入ったのは悪いと思ったけど、もういないからいいかなって』

『そりゃそうだな。まあ、別に構わねぇよ。ただし! ぜってぇに猫でも飲める酒を作ってもらうからな! 最悪、今ある酒を祝福して猫に無害な酒にしてもらう!』

『猫かぁ、カップルが飲むとイチャイチャする感じのお酒ならいいんだけどねぇ』


 お酒を飲むと大体のカップルはそんな感じになりますけどね。確かにギザリア様にはカクテルでお世話になったし、しっかり感謝しないといけないね。あとで、教皇様か司祭様に酒神様の巫女様と連絡したい旨を伝えておこう。


「それでね、マリアちゃん、帰ってきたばかりで申し訳ないんだけど」

「なんでしょう?」

「邪神像が増えちゃってるから破壊をお願いしていいかしら? マリアちゃんもエスカリテ様も帰ってきたばかりで疲れているなら明日でもいいんだけど」


 おっと、それがあったか。こればっかりは私の判断じゃ決められないね。


『エスカリテ様、広場に戻るのが遅れますけど大丈夫ですか?』

『もちろんよ! ガンガン破壊するわ!』


 趣味よりも仕事を優先してくれる神様でよかったよ。これはギリギリまで広場でカップルウォッチングをするしかないね。


「エスカリテ様が大丈夫って言ってますので、さっそく破壊しますね」

「ごめんね。代わりにお茶菓子をいっぱい用意しておくから。今日はアップルパイ」

「助かります」


 ルルさんお手製のアップルパイをゲットだぜ。邪神像の破壊はエスカリテ様のストレス解消にいいだろうし、張り切って破壊してもらおう。


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