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女神(邪神)様はカプ厨!  作者: ぺんぎん
第二章

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お土産を買おう


『マリアちゃん! カップルウォッチングしに行こう!』

『そんなことよりもまずはお土産を買わないと駄目です』

『最近、カプいことがなくて死にそうなんだってば!』

『他人の恋愛ごとが死因でどうするんですか』

『見に行こうよー、私、今回、頑張ったって思うんだよー、ご褒美欲しいなー!』

『最近、幼児化してません?』


 だいたい、カプいって何さ。確かに色々あり過ぎてそういうことから離れていたけどね。それにエスカリテ様が色々と解決してくれたんだから、それには報いたいとは思う。お土産を買ったら広場で休憩でもしようか。でも、今は呪病が蔓延してるから人はあまり外に出てない気がする。ネロロフさんやモハルト様でも、一度発動した呪いは取り消せないって言うし。そう考えるとエスカリテ様はやっぱりすごいね。


 せめて身内にそういうのがあれば問題なかったんだろうけど、みっちゃんを筆頭に全然ないからなぁ。司祭様とみっちゃんとかさ……ああ、そういえば婚約破棄になったんだっけ? どこの悪役令嬢じゃい。


 ガズ兄ちゃんもなさそうだ。ホットチョコを崇めるリュートちゃんとなら可能性があるかと思ったけど、それもなさそう。リュートちゃんは「貴方がチョコの創造主……!」って拝んでたけど、ガズ兄ちゃんが「発案はあっち」と私を指すから、リュートちゃんが私を拝みだしたよ。なにしてくれてんねん。


 アイレダちゃんはみっちゃんのそばに付きっきりで、いつも控えているって感じで男っ気がまったくない。むしろ最近は覚悟が決まったのか、イケメン度が増した。その上でメイドさんにクラスチェンジした。なんかリュートちゃんに護身術的なことも教わってるみたいだけど、メイド服になっただけで戦闘力が上がった気がするよ。メイド服は攻撃力が高いぜ。


 私の知り合いたちにカプいことはないね。私? あるわけねぇ。どこかに普通の筋肉さんはいないかなぁ。畑仕事が似合いそうな人ならなお良し。一緒に美味しい野菜を作ってくれとか言われたら即座に頷くね。


 ……つまらない妄想は止めよう。それよりも私には重要なミッションがある。今日の午後はお土産を買いに町へ繰り出す。エスカリテ様のカップルウォッチングはその後だ。


 慌ただしいけど明日帰ることが決まったからね。そもそも私達はネロロフさんを助けに来ただけで、国の事情に関してはノータッチだ。みっちゃんがいるから多少は待ったけど、解決したなら即座に撤収だよ。余計なことに巻き込まれる前にね。


 それに揉めそうになった後継者はカリアさんに決まった。


 会議でみっちゃんがこの国がヤバい状況であることを説明したら、騒いでいた貴族さん達が意見を出さなくなったらしい。みっちゃんが貴族の言い分を全て論破したというのもある。みっちゃんは孤児院でレスバ最強だからなぁ。


 そんなヤバい状況の国でみっちゃんが女王になるわけもなく、弟さん達を王にしようとしていた派閥も沈黙した。そんな状況でもカリアさんだけはやる気満々だったみたいだ。むしろカリアさんの派閥も「やばくね? にげる?」って感じだったんだけど、カリアさんが「嫌なら国外に逃げていいけど、帰ってこられるとは思わないで。だいたい、受け入れてくれるところがあるの?」と言ったら、従うようになってくれたとか。


 これがカリアさんのカリスマ的なところなのか、貴族の打算的なところなのか分からないけど、少なくとも前の国王よりは一致団結したっぽい。ここはちょっと気になってて、なーんか、みっちゃんが色々と動いた気がするんだよねぇ。会議の前にみっちゃんはすでに王位継承権を放棄してたけど、その後、みっちゃんがカリアさんと二人っきりで話したあとに忙しそうにしてたんだよね。どんな話だったかは知らないけど和解したから協力したのかな。それなら嬉しいことだけどね。仲が悪いよりも良い方が良いに決まってるし。でも、みっちゃんの姉の座は譲らんぞ。


 そんなわけで、後継者も無事に決まったから明日帰ることになった。歓迎式典もあるから急いで帰るのは仕方ないんだけど、それでもせっかく遠くまで来たんだからお土産を買っていきたい。できればご当地グルメを堪能したい……!


『分かるわー、私もご当地カップルを堪能したい!』

『心を読まないでください。というか一緒にしないでください』

『私の脳内に心の声が溢れてたわよ。てか、似たようなものだってば!』


 そうだろうか。全然違うような気がするんだけど。だいたいご当地カップルって何? 人気のデートスポットを確認するとか? そういうガイド本があればいいんだけどね。そういや、ウチの国にそういう大衆向けの雑誌ってないな。ファッション誌とか。ああ、でも、文字が読めない人が多いのか。王都の人は識字率が高いほうだけど字が読めなくてもイラストなら分かると思うんだけどな。それにそういうのがあれば文字を読めるように頑張るかも。


 おっといけねぇ。そんなことよりもお土産だ。いまだに呪病の影響はあるけど、エスカリテ様の像のおかげなのか、王都では元気になってる人が増えたらしい。完全に元に戻るにはまだ時間はかかるだろうけど、少しでも回復したのなら良かったよ。


 準備をしていたら、リュートちゃんが近寄ってきた。


「マリア様、本当にお土産を買いにいくのですか?」

「ダメかな? リュートちゃん達がいるから大丈夫だと思ったんだけど」

「それは問題ありませんが、マリア様がわざわざ買いに行かなくとも買いに行ってもらえばよいのでは? 我々は護衛なので離れるわけにはいきませんが、マリア様の命令ならどなたでも――」

「お土産を他人任せにするとね、高確率で後悔するんだよ……」


 適当に買っておいての適当はテキトーじゃねぇんだ、いい加減にって意味じゃなくて適切にって意味なんだよ……アレは人選が悪かっただけだと思おう。まあ、そんな後悔は前世だけでお腹いっぱい。たとえセンスがなくとも自分で選ぶのがお土産よ。そして自分の分も買う。それがお土産の醍醐味……!


「承知しました。そういうことでしたら護衛はお任せください」

「うん、お願いね」

「ところでマリア様がお金を出して買われるのですか?」

「そりゃそうだよ。私がお土産を買うんだし」

「なら、この城の宝物庫から金貨を数枚持ってきます」

「駄目だよ、何言ってんの」


 リュートちゃん、キリッとした顔で変なことを言い出した。おかしい、初めて会った時はできるメイドさんだと思ったのに、だんだんメッキが剥がれてきたぞ。


「ですが、マリア様はこの国を救いました。教団からも褒賞があるとは思いますが、この国から直接お礼を貰うべきかと。大丈夫です。バレずに取ってこれます」

「たとえそうだとしても宝物庫から持ってきちゃダメだってば。だいたい、金貨で買うようなものをお土産にしないから」

「そうでしたか……」


 無表情だけど残念そう。それは宝物庫に潜入できないからかな? でもね、予算は決めている。銀貨五枚。これでやりくりする。あと、値切る。辺境で鍛えた値切りの交渉術を見せちゃうぜ。


 やっぱりお土産は食べ物がいいね。これならご当地グルメも楽しめるという寸法よ。ちゃんと味を確かめてからお土産にする。さて、張り切って行こうじゃないの。


 部屋を出たらガズ兄ちゃんが近くに立ってて、私に気付いて近寄ってきた。


「土産を買いに行くのか?」

「うん、ガズ兄ちゃんも行く?」

「ああ、なんかやらかしそうで心配だしな」


 酷い言われようだけど私には分かる。ガズ兄ちゃんは荷物持ちをしてくれるわけだ。ナイスガイかよ。なんでこれで彼女がいないのか不思議でならん。孤児院ではモテモテだったから、王都の女の子は見る目ないんだな。まあ、いっか。孤児院でもまだ狙っている子達がいたから逆に安心だろう。


 そんなわけでガズ兄ちゃん、リュートちゃん、私、そして見えない護衛の皆さんで王都を散策、そして市場に到着した。ルガ王国の王都もウチと似たようなもので、色々なブロックに分かれているけど、食品が多い市場的なエリアがあった。こういうのは異世界情緒っていうのかな、ワクワクするね。残念ながら活気は今一つだけど、こんなもんだろう。


「ちょっと聞いていいか?」

「なに?」

「お土産って食べ物か?」

「そのつもりだけど?」

「呪病で数日前から流通が止まってたはずだぞ。新鮮な食べ物はないと思うが」

「え? 新鮮じゃなくても――あ」


 やべ。そういや、ここって異世界だった。前世みたいに袋で密封された食べ物なんてないよ。乾燥剤もねぇ。一週間くらい持つ食べ物って干し肉くらいだ。ご当地グルメでもなんでもないじゃん。いや、肉が良い物なら――いやいや、待てよ? 燻製とかチーズとかそういうのなら向こうに帰るまでもつ気がする。あれも保存食だし。駄目でも私が食べればいいか。私の胃袋は鉄を超えてアダマンタイト製だ。賞味期限とか甘え。


 おっと、発見しちゃったよ。これはあれだ、私じゃなきゃ見逃しちゃうねってやつ。お土産としては微妙だけど、これなら腐る心配はないんじゃない?


「香辛料か……」

「うん、これなら保存がきくし、種類も多いから混ぜ合わせて面白い味になりそう」


 スパイシーな感じのポップコーンはできたけど、これだけ種類が豊富ならカレー味にできそうな気がする。クミンとコリアンダーと……あとなんだっけ? ナツメグとかターメリック? えっと、あとは……面倒だ、全種類買ってくか。やべぇ、セレブ的な発想をしちまった。この店の物、全部頂くわって言っちゃう?


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