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女神(邪神)様はカプ厨!  作者: ぺんぎん
第二章

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48/90

待機しよう


『へー、大変だったのね』

『本当ですよ。私は何もしてないのに褒められるんですから』

『全部マリアちゃんがやったことだと思うけど?』

『何言ってんですか。エスカリテ様がやってくれたことじゃないですか』

『ごめん、本気で何を言ってるのか分からないんだけど?』


 翌日、帰ってきたエスカリテ様に何度説明しても分かってくれない。それに司祭様や教皇様、執事さんに説明しても分かってくれなかった。会話が通じないって怖いね。石像への祝福も、石鹸のレシピもエスカリテ様のおかげなのに。私は作った石像をお世話になった人に配っただけだ。それだけで「さすが巫女様!」と言われても恥ずかしいだけだよ。


 いくら説明しても分かってくれないのでちょっと諦め中。何か言われたら全部エスカリテ様のおかげですと返すしかない。これなら信仰心も稼げるだろうし、結果オーライだけどさ。


『そういえば、なんでエスカリテ様の祝福に呪いを撥ね退ける力があるんです?』

『風邪をちょっとだけ予防って方が難しいんだってば。酒樽を持って小さなカップにお酒を注ぐのって難しいでしょ? ああいう感じなの』

『蛇口を付ければいいのでは?』

『そういうたとえ話じゃないからね?』


 どうやら風邪をちょっとだけ予防するなんて微妙な祝福は今のエスカリテ様には簡単すぎて逆に難しいらしい。なので、やりやすいように色々な祝福を追加して風邪予防の能力を薄めたとか。その追加の中にに解呪が含まれていたそうだ。隠し味程度、と言っているが、サブ効果がメイン効果を上回ってどうすんの。


『なら石鹸は?』

『ミナイルのことだから呪いは肌に悪いとかじゃないの?』

『神様って雑すぎません?』


 助かったけど、なんとなく納得いかない。神様にはちょっとしたことでも、人にとっては絶大な効果だよ。改めて神様と人って違うんだなと思えたね。でも、今回は感謝だ。エスカリテ様とミナイル様のおかげでこの国は助かってる。


 感染対策というか、エスカリテ様のミニ石像に関しては国の主導で色々なところへ配置されている。そして石工技師さんのところへは教団からエスカリテ様の像を量産してほしいって依頼が出された。他国には無料で石鹸とレシピは送るけど、エスカリテ様の像に関してはこの国で作って教団が輸出するんだとか。個人的に売ろうとおもってたけど、国から売ってくれと要請されちゃ個人じゃ対応できないよね。この辺りは教団にお任せだ。収益は教団を通してもらえるから問題なし。


 なんか国が管理するか教団が管理するかちょっと揉めたみたいだけど、そんなこと言ってる場合かとやんわり言ったら、教団の方がやることになった。教皇様は強し。


 教団が強く成ったのはクフム様とトッカさんのおかげでもある。


 エスカリテ様が持ってきてくれた栽培日誌の情報が結構ヤバいらしく、その辺にある草からすごい薬ができるらしい。一般的には何の効果もない草って認識だったらしくてスルーされてたんだけど、草神様の恩恵というか、クフム様ならその何でもない草からエキスの抽出ができるとか。それを薬師ギルドへ提供することで、効果の高いポーションができるらしい。しかも呪病の症状を軽減させる効果まであるとか。


 クフム様、結構なお歳なのに、心配になるほど張り切ってるよ。私と違って教団の護衛さんがいるらしいから無理はしないと思うけどね。それに栽培の知識も増えたみたいで、今度土地を買って大規模に育てると興奮気味に言ってたな。お歳を召してもお仕事にどん欲な人って素敵だね。


 そしてトッカさんは虫との会話ができるのはそのままだけども、エスカリテ様が持ってきてくれた虫の飼育日記から色々なことが判明して、こちらも無双状態だ。


 なんでも虫たちには同種間のネットワークが存在しているようで、虫たちの鳴き声やら羽の音やらで遠隔地の虫からも伝言ゲームのような形で情報を得られるらしい。会話自体は単語でしかないし、細かい情報はまったく分からない状態だけども、「でかい奴、寝てる」とか「天敵、いっぱい」とかの情報なら、ほぼこの国を全部網羅しているとか。なので、今回の呪病で倒れてしまっている人や、魔物たちの動向が分かるので、救助や討伐がかなり捗っている。トッカさんもそうだけど虫ってすごいな。


 二人には滅茶苦茶感謝されたんだけど、それはエスカリテ様のおかげだと言っても、なんか私にお礼してくれるんだよね。私よりも防衛機能付きの植物や超巨大昆虫と戦ったエスカリテ様の方だけにお礼をしてほしいよ。


 そんなこともあって、呪病の感染に関してはたった一日でかなり落ち着いてきた。他国への支援も行う発表がされて、周辺国から感謝されているみたいだ。しかもすでに動いていたみたいで、昨日の夜には石鹸とそのレシピは届いていたとか。


 問題というか対処に困っているのは元凶であるルガ王国だ。


『ルガ王国は助けないってこと?』

『いえ、そんなことはないですよ。ただ、責任を取らせる約束をしてからじゃないと支援しないと言っている周辺国が多いらしいですね。今、その会議中です』

『責任……お金を払うとか?』

『まあ、そういうことです』


 ルガ王国はこの国に色々とちょっかいをかけていた国だからね。みっちゃんにあんなひどいことをしてこっちに送り込んできた元凶なわけだし、少なくとも王族は助けなくていいんじゃないかって思うけど、それはそれで酷い気もする。しっかり反省して、みっちゃんに頭を下げて謝罪するなら私としては十分だけど、みっちゃんはそうは思わないだろうしなぁ。


 ぜってー許さん、という気持ちだったのは間違いないんだけど、状況が変わるところっと気持ちも変わっちゃうのが私の悪いところかもしれない。もっと毅然とした対応で初志貫徹の方がいいんだろうけど、立場が逆転すると、なんか可哀想だなって思うところもある。すでにルガ王国全体がものすごい混乱状態だし、追い打ちをかけるような制裁はどうかと思うんだけど……悪いのは王族であって国民じゃない。


 ここまでくると国同士の話になるだろうし、みっちゃんの扱いがどうなるのかもわからないから、私が出る幕じゃないんだけどね。そういや、みっちゃんは今回の当事者としてお城に呼ばれているんだっけ。司祭様がいるから大丈夫だとは思うけど、大変なことにならなければいいんだけどな。


 色々と片付いていない問題は多いけど、私ができることはないし、考えてもしかたないことが多いから別のことをしよう。教会か大聖堂にいて欲しいって言われているから、今日は畑仕事かな。


『マリアちゃん、あの司祭が来るわよ』

『え? 司祭様が?』

『いい、答える前に一呼吸置くのよ! 安易は返事は駄目だからね!』

『なんで司祭様を警戒してるんです?』


 最近、司祭様がいるとエスカリテ様が情緒不安定になってる気がする。何かあったのかな。


「こんにちは、マリアさん」

「司祭様、こんにちは。何か進展がありましたか?」

「はい、そのご報告にまいりました。しかし、歓迎式典があるというのに多くの問題が発生して困りますね。せっかくマリアさんの晴れ舞台だというのに」


 おっと、司祭様には珍しく、ちょっとイラ立っている感じだ。確かにトラブルが多いよね。私が絡んでる案件が多いけど、そこは目を瞑っていただきたい。というか晴れ舞台なのは私ではなく教皇様の方なのでは?


 司祭様のお話だと、ルガ王国はこちらや周辺国の要望を飲んだとのこと。なんでこんなに早く連絡ができるのかと思ったら、各国にある大聖堂ではとある巫女様のおかげで遠隔地でも会話ができるらしい。音神様の恩恵らしく、最近はそれを利用した魔道具なども作られているとかなんとか。スマホか。


 そんなわけで各国の取り決めでルガ王国は賠償金を周辺国に支払うことで合意したとのこと。エスカリテ様やミナイル様の石鹸レシピのおかげで被害は最小限ではあったけど、それがなかったらどうなっていたか、それは現在のルガ王国を見れば分かるだろうと周辺国から言われたからぐうの音もでなかったとか。


 現在のルガ王国はほとんどの人が動けず、国全体が麻痺状態で一部の魔力保持者や神の恩恵がある巫女くらいしか動けていないらしい。まだ一日目だけど、これが一週間も続けば国が滅びかねない状態だという。なのでルガ王国も四の五の言ってられないから、即座にお金を払うことを了承したとか。とはいえ、救助は最後でまずは周辺国からという状態だ。それとエスカリテ様の像は今朝方すでに周辺国に一体は届いているようで、他国も正常に戻りつつあるとか。夜通しの運送、お疲れ様です。


 状況については、そりゃ仕方ないよね、としか言いようがない。現地を見ていないので、これがやりすぎなのか、生ぬるいのかは分からないけど、あとはみっちゃんにちゃんと謝罪をしてくれれば十分なんだけど、どうかな。


「国同士の話し合いはそれで終わりなのですが、一つ問題がありまして」

「問題ですか?」

「今回の呪病は巫女がその力を振るったことが原因ということです。ルガ王国は最初、その巫女が独断でやったと言ってきて教皇様がキレてましたね。神の証言もありますし、なら助けないと言ったら白状しましたが」

「浅はかすぎる……ということは呪神様の巫女が?」

「その通りです。ルガ王国の話では、その巫女を城の地下に閉じ込めているとか」

「感染源になっていると?」

「まさにその通りでして、その対応を教団に依頼してきました」


 教団に? そもそも対応するのはルガ王国なのでは? でも、巫女は教団の所属かだから、対応するべきなのは教団なのかな。なら、エスカリテ様の像を持っていけば何とかなりそう。


「そこでマリアさんにお願いがあります」

「エスカリテ様の像を新たに作って祝福してほしいということですね?」

「それもありますが、私と一緒にルガ王国の王都まで行ってくれませんか?」

「え?」

『一緒に!? マリアちゃん、待った! これは罠! 罠よ!』


 いきなりエスカリテ様が騒いだけど、どういうことなのかさっぱりなんだけど。なんで私がルガ王国に行くんだろう? というか罠って何さ。ルガ王国が私に何かするってこと?


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― 新着の感想 ―
>防衛機能付きの植物や超巨大昆虫と戦ったエスカリテ様の方だけにお礼をしてほしいよ。 サラッと言ってたけど、エスカリテ様流石すぎる…!エスカリテ様マジ女神!
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