第31話「全創世界開放」
◆ 戦場の静寂
虚無と現実の境界線上。
原初神王アルファディウスと創造者蓮が対峙する空間には、信じられないほどの静寂が訪れていた。
いや、静寂ではない。
空間そのものが停止していた。
時間、音、重力、全てが“彼”によって支配されていた。
◆ 神王の支配
「この私に逆らう愚かさ……理解できぬか」
純白の髪を揺らしながら、アルファディウスは無感情に告げる。
「貴様は齟齬だ。世界秩序に混乱を生む異物。排除は必然であり、理」
黒曜の大剣がわずかに動くたびに、空間が軋み、数百キロ先までの大地が砕け散る。
◆ 蓮の覚悟
「……それでも」
蓮はゆっくりと剣を構えた。
《創世剣〈イデア・エクスカリバー〉》が白銀の光を放ち、停止した世界にかすかな動きを取り戻す。
「俺は……この世界で生きる。この国を……仲間を……守りたいだけだ!!」
彼の背後に、仲間たちの姿が揺らめく。
◆ 仲間たちの声
「行けっ!! 蓮!!!」
カイエンが戦斧を構え、地面を砕いて叫ぶ。
「負けるな……!!」
シャムが槍を空へ向け、雷を呼び寄せる。
「全解析完了……!!」
ミストとノアが同時にタブレットを叩き、神王の因果固定領域に干渉する。
「歌うよ……! みんなを……蓮くんを守るためにっ!!」
ネフェリスが涙を流しながら歌い上げる。
《叡智共鳴歌・自由のアリア》
光の歌が戦場を震わせ、重力と時間の停止を解放していく。
◆ イリスの解放
「この因果式は……解析可能よ!!」
イリスが次元干渉式を展開する。
「《次元因果解放式・オーバーリミット》!!」
彼女の体が眩い光に包まれ、銀白の髪が星屑のように輝く。
「貴方なら……創造者蓮なら……必ず勝てる!!」
◆ 神王の咆哮
「無駄だあああああああああっ!!!」
アルファディウスが黒曜の大剣を振り下ろす。
天地が裂け、現実が崩壊していく。
◆ 創造者、覚醒
蓮は無限アイテムボックスに手を入れた。
取り出したのは、《創世核結晶〈オリジン・コア〉》と、《虚無神剣〈ナイアレックス〉》。
(ありがとう……みんな……!!)
彼の体が白銀と漆黒の光で包まれる。
「これが……俺の力だ!!!」
◆ 全創世界開放
「《創造者超越術式・全創世界開放》!!!」
蓮の剣が輝き、あらゆる制約が解除される。
重力、時間、空間、因果、運命――
全ての法則が、蓮の前ではただの道具でしかなかった。
「っ……ば、馬鹿な……私の秩序が……」
アルファディウスの瞳に、初めて恐怖が宿る。
◆ 決着
「終わりだ……!!」
蓮が剣を振り抜く。
全創世界開放の斬撃が、アルファディウスの大剣を砕き、その体を貫いた。
「ぐっ……!!」
崩れゆく神王の体。
「貴様のような……齟齬が……世界に……」
蓮は剣を収め、静かに言った。
「齟齬でもいい。俺は、俺の意思で生きる」
アルファディウスは微かに笑い、光となって消えていった。
◆ 世界の夜明け
戦いが終わり、朝日が昇る。
虚無の裂け目は閉じ、崩壊していた大地が再生していく。
仲間たちが駆け寄った。
「やった……! 勝った……!!」
リーナが涙を流し、ネフェリスが歌声を響かせる。
カイエンが天を仰ぎ、シャムが槍を突き立てて笑う。
◆ 皇帝と女神
蓮はイリスを見つめた。
「……終わったな」
「ええ。貴方のおかげで……この世界は救われたわ」
イリスがそっと唇を重ねた。
◆ 未来へ
黎明城最上階。
無限に広がる青空を見上げ、蓮は呟いた。
(これが……無双建国の“始まり”だ)
彼の隣には、仲間たちと民の笑顔があった。
そして物語は――
新たなる創造と未来へと続いていく。




