第29話「世界秩序の断罪」
◆ 世界秩序断罪命令
黎明帝国ノヴァリア首都、黎明城中央広場。
神託の響きが止んだ後も、人々は震えるように静まり返っていた。
『貴様の存在は、世界秩序における齟齬。よって、削除対象と認定する』
突如響き渡ったその宣告は、世界そのものからの断罪だった。
◆ 作戦室、緊張
「……これまでの神界連邦や深界連合とは……比べものにならないな」
カイエンが沈痛な声で呟く。
ノアがタブレットを操作し、ホログラム地図を投影する。
「《原初秩序連合》……解析不能領域。創世神域形成以前、宇宙誕生の最初期から存在した“根源的神格体群”……」
「世界そのものに対する戦い……か」
シャムが槍を床に突き立て、低く唸った。
◆ 皇帝の決意
蓮は無言で無限アイテムボックスに手を入れ、《創世剣〈イデア・エクスカリバー〉》と《創世鎧〈オリジン・アーマー〉》を取り出した。
その刃に、己の顔が映る。
(俺は逃げてきた……でも、ここまで来た。逃げ続けた俺が――今度は“世界”と戦うのか)
「……やるしかない」
その言葉に、全員が顔を上げた。
「これまで通りだ。どんな敵が来ようと、俺たちは立ち向かう。国民を……仲間を……誰一人として失わないために」
◆ 仲間たちの覚悟
リーナが剣を構えた。
「もちろん。一緒に戦うよ」
「僕も」
ノアが無感情な顔で微笑む。
「私も!」
マリルが手を挙げ、ネフェリスがにっこりと笑った。
「イリス。……この戦い、勝てると思うか?」
蓮が問うと、イリスは静かに目を閉じた。
「勝算は……正直、五分以下。でも、確率なんて関係ないわ。貴方となら、きっと超えられる」
◆ 原初秩序連合、進軍
創世神域最北端、虚無領域。
黒曜の玉座群の中央で、青年神《原初神王アルファディウス》が立ち上がった。
「“創造者”よ。貴様が齟齬を生む存在である以上……世界秩序の維持のため、抹消する」
彼が指を弾くと、背後の無数の神格体が一斉に動き出した。
白銀の甲冑女神、深碧の蛇神、紅蓮の炎翼竜神、漆黒の巨神……
すべてが次元を越えて、黎明帝国へと進軍を開始する。
◆ 帝国軍総出撃
「敵軍接近まで、残り七時間!!」
ノアの声が響く。
「全軍、最終迎撃態勢!!」
リーナが指揮棒を振るい、シャムが帝国槍騎兵団を編成する。
「空挺部隊、展開完了!!」
カイエンが咆哮し、空に無数の竜騎兵が舞い上がった。
ネフェリスは《叡智共鳴歌・勝利の讃歌》を歌い、全軍にバフを与える。
◆ 皇帝、立つ
蓮は無限アイテムボックスを開き、《創世核結晶〈オリジン・コア〉》を手に取った。
白銀の光が彼を包む。
「……行くぞ」
イリスが微笑む。
「ええ、創造者様」
◆ 世界秩序との対峙
黎明帝国北端、無限虚無との境界。
ついに、原初秩序連合軍が姿を現した。
その威容は、これまでの神界連邦軍や深界連合軍を遥かに凌駕していた。
「これが……世界の根源……」
シャムが息を呑む。
最前列、黒曜の玉座から立ち上がった青年神が蓮を見据える。
「我が名は《原初神王アルファディウス》。世界秩序の守護者だ」
◆ 宣戦布告
「創造者蓮よ」
アルファディウスの金色の瞳が輝いた。
「この世界に、お前という“齟齬”は必要ない」
蓮は剣を構えた。
「必要かどうかを決めるのは……俺じゃない。この世界に生きる全ての意思だ!」
◆ 最終決戦
アルファディウスが右手を上げた。
「面白い。その自由意志とやら……粉砕してやろう」
黒曜の大剣が顕現し、天地が震えた。
蓮が剣を握り直す。
(これが……最後の戦いだ!!)
彼の背後には、仲間たちが武器を構えて立っていた。
リーナ、シャム、カイエン、ネフェリス、マリル、イリス、ノア、ミスト――
誰一人として、諦める者はいなかった。
◆ 夜明け
黎明城最上階。
朝日が昇り、帝国旗を照らす。
蓮は空に向かって叫んだ。
「行くぞおおおおおおおっ!!」
こうして、黎明帝国と原初秩序連合との、世界最終戦争が始まった。




