第28話「原初秩序連合の影」
◆ 暗雲
黎明帝国ノヴァリア首都《黎明城》に、またひとつの不穏な報告がもたらされた。
「北方監視塔より緊急報告!!」
駆け込んだ伝令兵の顔は真っ青だった。
「創世神域北端に……“未知の神群体”が確認されました!!」
◆ 作戦室、緊張
「……未知の神群体?」
蓮は中央作戦室の円卓で眉をひそめる。
ミストがタブレットを操作し、ホログラム地図を投影した。
「確認された存在群は、既存の神界連邦、深界連合、どちらにも属していません。解析不能、コード名は……《原初秩序連合》」
「原初……秩序?」
リーナが小さく呟いた。
「ええ。解析によれば、彼らは創世神域形成以前から存在していた“最古の神格体群”……」
ノアの声が震える。
「“世界の枠組みそのもの”を司る存在……それが原初秩序連合」
◆ 帝国幹部会議
「つまり……これまでの敵とは次元が違うってことか」
カイエンが腕を組む。
「その通りです」
イリスが重く頷いた。
「神界連邦や深界連合は“世界の構造の中で作られた存在”だった。けれど、原初秩序連合は“世界そのもの”と同等の存在……」
「勝てるのか……?」
シャムが槍を床につき、不安げに呟いた。
◆ 皇帝の決意
「勝つしかない」
蓮が静かに立ち上がった。
無限アイテムボックスから、《創世剣〈イデア・エクスカリバー〉》と、《創世鎧〈オリジン・アーマー〉》を取り出す。
「ここまで来たんだ。もう……引くわけにはいかない」
リーナが微笑む。
「もちろん。私たちは、あなたと一緒に行く」
「私も!!」
マリルが手を挙げる。
「ネフェリスも!!」
「うん!!」
ネフェリスが笑顔で頷いた。
◆ 原初秩序連合
その頃、創世神域最北端。
無限に広がる虚無空間に、黒曜の玉座群が浮かんでいた。
中央の巨大玉座に座るのは、純白の髪に金の瞳を持つ青年神。
「ふむ……“創造者”という存在か」
その声は、あらゆる概念を凌駕する威厳を帯びていた。
「我ら原初秩序連合は、世界そのものを管理する存在。自由意志などという齟齬は許されない」
彼の背後には、白銀の甲冑を纏う女神、漆黒の巨神、紅蓮の炎翼竜神、深碧の蛇神など、数え切れない神格体が控えていた。
◆ 宣戦布告
黎明城中央広場。
帝国全域に、突如として神託が響いた。
『黎明帝国ノヴァリアの創造者、蓮よ』
純白の声が空を震わせる。
『貴様の存在は、世界秩序における齟齬。よって、削除対象と認定する』
帝都全域が沈黙した。
◆ 決意の剣
蓮は剣を握り、空を睨んだ。
「削除対象……?」
彼の瞳に恐れはなかった。
「ふざけるな。俺は……俺たちは……!!」
仲間たちが集まり、剣や槍を構える。
イリスが静かに言った。
「これまでの敵は、私たちから何かを奪おうとする存在だった。でも……今回は違う」
「……ああ」
蓮は頷く。
「今回は、“この世界そのもの”と戦うってことだ」
◆ 原初神王の嘲笑
北端虚無領域。
玉座の青年神《原初神王アルファディウス》は冷たく微笑んだ。
「面白い。ならば、その自由意志とやら……粉砕してやろう」
◆ 夜明け
黎明城最上階。
夜明け前の冷たい風が吹く中、イリスがそっと蓮に寄り添った。
「怖くないの?」
「怖いさ」
蓮は微笑む。
「でも……俺には守りたいものがある。それがある限り、負けない」
イリスはそっと蓮の唇に口づけた。
「……信じてる」
朝日が昇り、帝都を黄金色に照らした。
無双建国譚は、最終決戦へと加速していく。




