第27話「黎明帝国、新時代へ」
◆ 夜明けの帝都
深界連合軍との決戦から三日後。
黎明帝国ノヴァリア首都《黎明城》には、久しぶりに穏やかな朝が訪れていた。
城壁の上からは、黄金色に輝く浮遊大陸群と、無数の飛行船、空挺騎竜部隊が見渡せる。
「……本当に、守り切ったんだな」
蓮は、バルコニーに立ち、遠くの朝焼けを見つめながら呟いた。
隣でイリスが微笑む。
「ええ。貴方のおかげよ」
「俺だけじゃないさ。……みんなのおかげだ」
◆ 帝国評議会
中央議事堂。
新設された《黎明帝国中央評議会》には、帝国を支える主要幹部と各種族代表が集まっていた。
「深界連合残党勢力の掃討は完了。虚無詠唱師団、冥界亡霊騎士団は壊滅状態です」
ノアがタブレットを操作しながら報告する。
「各都市拠点での治癒と復興も順調です」
ミストが続けた。
「行政学院一期生も入学式を終え、各専門科目への分配が始まっています」
「これからが本当の国づくりだな」
カイエンが腕を組む。
◆ 帝国新法制定
「次に……《帝国新基本法》の可決を行います」
リーナが帝国剣を持って壇上に立つ。
「黎明帝国は、全種族平等の理念の下、個の自由を尊重しつつ、共同体としての調和を追求します」
「「異議なし!!」」
議場に響き渡る全代表の賛同の声。
蓮はその光景を静かに見守りながら、小さく息を吐いた。
(逃げて、逃げて……気付けば、こんなところまで来たんだな)
◆ 皇帝と民
評議会終了後、中央広場では民たちが皇帝陛下の姿を一目見ようと集まっていた。
「陛下ーっ!!」
「ありがとう!生きて帰ってくれて……!!」
涙ぐむ老農夫。
「私……陛下に助けられたんです!」
笑顔で抱きついてくる亜人の少女。
蓮は、困ったように微笑みながら、ひとりひとりの声に耳を傾けた。
(……これが、国ってやつか)
◆ 仲間たちの思い
夜、黎明城最上階。
いつものように、仲間たちが集まっていた。
「ようやく落ち着いたな!」
カイエンが笑い、マリルが無限アイテムボックスから湯呑と茶器を取り出した。
「今日はお茶会だよ~」
「わーい!」
ネフェリスがはしゃぎ、シャムが槍を隣に立てて腰を下ろす。
「でも……これからどうするんだ?」
シャムが呟いた。
◆ 新たな決意
蓮は静かにお茶を飲み、皆を見渡した。
「国を守ったからって終わりじゃない。これからが本当の建国だ」
「……そうだよね」
リーナが頷く。
「外の世界には、まだ多くの脅威と苦しむ民がいる。帝国があることで救われる命があるなら……」
蓮は無限アイテムボックスに手を入れ、《創世剣〈イデア・エクスカリバー〉》を取り出した。
「俺は……この剣で道を切り拓く」
◆ 迫る新たな影
その頃、創世神域最深部――
黒曜の玉座に座る謎の神影が、黎明帝国の様子を眺めていた。
「ほう……神界連邦を退け、深界連合をも退けたか」
紫紺の瞳が妖しく輝く。
「ならば……次は我ら《原初秩序連合》の出番だな」
背後には、神界も深界も超越する存在群が沈黙していた。
◆ 夜明け
黎明城のバルコニー。
イリスが夜風に髪をなびかせながら、蓮に寄り添った。
「貴方となら、どんな未来でも創れる気がする」
「……そうだな」
蓮は静かにイリスの肩を抱き寄せた。
(無双建国……この国を、絶対に守り抜く)
夜空に輝く星々は、新たな時代の到来を告げていた。




