第25話「深界神王ルミナ」
◆ 黎明城の夜
帝国北端防衛拠点での勝利から半日。
黎明城の上空には、淡い蒼光を帯びた結界が展開されていた。
深界連合軍本隊襲来に備え、全軍が待機状態に入っている。
「……静かだな」
蓮は黎明城最上階のバルコニーで夜風に当たりながら呟いた。
「まるで……嵐の前触れみたいだね」
背後からリーナが歩み寄り、隣に並ぶ。
「みんな、あなたを信じてる。……私も」
彼女は微笑み、そっと蓮の手を握った。
「ありがとう」
蓮も微笑み返す。
◆ 深界連合、進軍
その頃、帝国北端。
紫黒の霧を纏う深界連合軍が、ついに帝国領内へと侵入していた。
先頭に立つのは、幼い少女の姿をした盟主――
「全軍、進軍開始」
《深界神王ルミナ=ディザスター》。
その紫水晶の瞳には、黎明帝国の姿が映っていた。
「創造者。会いたかったよ」
◆ 作戦室、決戦前夜
「敵軍規模、予測を超えてます……神格級120体以上、深界竜王クラス15体、冥界将級30体……」
ノアが震える声で報告する。
「……これが“神界連邦の上位存在群”……」
ミストも顔色を失っていた。
「でも……」
ネフェリスが息を整え、仲間たちを見渡す。
「ここで負けたら、この国の未来はなくなる。みんな……やるしかないんだよ」
「うん……!」
マリルが拳を握り、シャムが槍を構える。
カイエンが戦斧を肩に担ぎ、イリスは無言で蓮を見つめた。
◆ 皇帝の宣言
蓮は無限アイテムボックスを開き、《創世鎧〈オリジン・アーマー〉》と《創世剣〈イデア・エクスカリバー〉》を取り出した。
「行くぞ」
その一言に、全員が頷いた。
「無双建国……ここで終わらせるわけにはいかない」
◆ 決戦開始
黎明城を出撃した帝国軍は、北方平原に集結した。
夜明け前の薄明かり。
地平線の彼方から、黒紫の大軍勢が現れる。
冥界亡霊騎士団、深界竜王群、奈落魔虫軍、虚無詠唱師団――
そして中央の玉座に座す、幼い少女神。
「やあ、創造者」
ルミナ=ディザスターが微笑んだ。
「ようやく会えたね」
蓮は剣を構え、彼女を睨む。
「これ以上、民を苦しめるつもりか」
「苦しみ? 違うよ。私は“救済”を与えているだけ」
ルミナは紫水晶の瞳を細め、微笑んだ。
「この世界は、もう限界なんだよ。だから壊してあげる。私たち“深界”が管理すれば、永遠に安寧が続くのに」
◆ 激突
「ふざけるな!!」
蓮が地を蹴り、剣を一閃する。
白銀の斬撃が、深界軍最前列を消し飛ばした。
だが――
「無駄だよ」
ルミナが指を弾くと、消滅したはずの軍勢が無傷で立ち上がった。
「これが“深界因果固定”の力。君たちの攻撃は無効化される」
「っ……!」
蓮が剣を握りしめる。
◆ 仲間たちの戦い
「でも……!」
リーナが剣を構え、シャムが槍を輝かせる。
「私たちは……諦めない!!」
シャムが突撃し、雷光槍で深界竜王を貫いた。
「まだまだあああああっ!!!」
カイエンが戦斧を振り下ろし、冥界亡霊騎士団をまとめて砕く。
ネフェリスの歌声が響き渡り、全軍に勇気と再生の力を与える。
◆ 深界神王の真の力
「いいね……楽しいよ、創造者たち」
ルミナが微笑み、両手を広げた。
「ならば見せてあげる……私の“真の力”を」
彼女の背後に紫黒の翼が広がり、空間そのものが歪み始めた。
「時空断層操作……っ!」
ミストが悲鳴を上げる。
「このままだと……帝国全域が“深界”に呑まれる!!」
◆ 皇帝覚醒
「させるか……!!」
蓮の体が光に包まれる。
無限アイテムボックスから取り出されたのは、彼自身の魂と融合する神遺産――
《創世核結晶〈オリジン・コア〉》
「これが……俺の……!」
蓮の体が白銀に輝き、空間を震わせる。
「この国は……絶対に渡さない!!」
◆ 最終決戦
ルミナ=ディザスターが笑った。
「ならば創造者よ。私と――」
彼女の紫水晶の瞳が激しく輝く。
「――戦いなさい!!」
天地を揺るがす最終決戦が、ついに始まった。




