第23話「深界連合の宣戦布告」
◆ 帝国拡張の進展
黎明帝国ノヴァリア建国から一週間。
中央作戦室では、帝国拡張計画が着実に進展していた。
「防衛拠点第3号、建設完了しました!」
ノアが報告する。
「食料自給率も上昇中。循環型農業結界と魔力制御式水耕栽培施設の稼働率は98%。人々の栄養状態も改善傾向です」
ミストがタブレットを操作し、ホログラムに次々とデータを表示する。
「統合行政学院も一期生募集が始まった。想定の二倍近い志願者だ」
イリスが笑みを浮かべる。
◆ 建国の理想
中央玉座に座る蓮は、その報告を静かに聞いていた。
(人間も魔族も亜人も……この帝国で、皆が未来を夢見ている)
玉座の横には、創世剣〈イデア・エクスカリバー〉が収められていた。
(だが……それを壊そうとする奴らが必ず現れる)
◆ 迫る影
その頃、創世神域外縁。
虚空に穿たれた裂け目から、漆黒と紫水晶が交じり合う魔霊が溢れ出していた。
中央に立つのは、幼い少女の姿をした神。
紫水晶の瞳と漆黒の髪。
深淵より湧き上がるような神格の圧力が漂っている。
「さて……いよいよ面白くなってきたね?」
彼女が唇を歪めて笑った。
「《深界連合》総軍、前進開始」
彼女の背後で、無数の神影が咆哮を上げた。
氷界神兵、黒雷魔獣、冥界亡霊騎士、深界竜王……
神界連邦とは比較にならない多様性と、より禍々しい存在感を放つ軍勢。
「創造者。君の“無双建国”……見せてもらおうじゃないか」
◆ 宣戦布告
その翌日。
黎明城中央広場。
魔導通信端末から、紫黒の少女神の映像が映し出された。
『初めまして、創造者。私は《深界連合》盟主、ルミナ=ディザスター』
その声は澄み切っていながら、空気を震わせる威圧感を孕んでいた。
『神界連邦を退けた君の力は確かに見事だった。だが……』
彼女が笑う。
『我々《深界連合》の敵ではない。近いうちに、君の帝国を滅ぼしに行くよ』
◆ 緊迫する作戦室
「……ついに来たか」
蓮は短く呟いた。
「深界連合……神界連邦より上位存在群。旧神連盟さえ支配下に置いていた神群体よ」
イリスが解析端末を操作しながら説明する。
「彼らの規模は?」
ミストがタブレットを睨む。
「……推定戦力、神格級百体以上……深界竜王クラス十体……盟主ルミナは、深界神王級……」
ノアが息を呑む。
「神界連邦軍の十倍規模……」
◆ 皇帝の決断
リーナが剣を握りしめた。
「でも……戦うしかないよね」
「……ああ」
蓮は無限アイテムボックスを開き、《創世鎧〈オリジン・アーマー〉》を取り出した。
「奴らがどんな存在だろうと、この帝国は渡さない。人間も魔族も亜人も、誰も……もう奪わせない」
シャムが槍を構え、カイエンが戦斧を担ぐ。
「やるしかねぇだろ。ここまで来たんだ。最後まで突っ走るだけだ」
ネフェリスが歌声を響かせ、マリルが笑顔で拳を握る。
「蓮くんならできるよ!」
◆ 深界連合の一手
その頃、深界連合軍最前線。
「奴らに恐怖を植え付けてやりな」
ルミナ=ディザスターが指を鳴らすと、冥界亡霊騎士団が動き出した。
骸骨騎士、亡霊竜騎兵、そして全身を紫黒の鎧で覆った“冥界将”が進軍を開始する。
「黎明帝国……楽園などという愚かな幻想。壊すには丁度いい」
◆ 戦乱の序章
黎明城最上階。
蓮は夜空を見上げていた。
(建国……帝国化……拡張……全て順調だった。だが……)
夜風が、帝国旗をはためかせる。
(ここからが本当の“建国戦争”だ)
彼は無限アイテムボックスに手を入れ、《創世剣〈イデア・エクスカリバー〉》を握った。
「絶対に……負けない」
その瞳には、恐れではなく、鋼の決意が宿っていた。




