第21話「神界連邦の侵攻」
◆ 開戦の兆し
黎明帝国ノヴァリア建国から三日後。
帝国北端の警戒塔では、緊張した空気が流れていた。
「……見えるか?」
塔上から双眼鏡を覗く青年兵が呟く。
「う、うん……あれは……」
遥か地平線上、紫黒の靄の向こうに、無数の光が蠢いていた。
それは神界連邦軍――神格級存在を中心に構成された、神々の軍勢だった。
「こ、こんな数……っ!」
青年兵の声が震える。
その後ろで、騎士団長が無言で双眼鏡を下ろした。
「……伝令を。皇帝陛下へ“神界連邦軍、帝国境界へ侵攻開始”と」
◆ 帝国作戦室
「来たか……」
蓮は無限アイテムボックスから《戦略投影盤》を取り出し、神域全域の地図を広げた。
「敵戦力は神格級三十体以上。戦力差は歴然だわ」
イリスが解析端末を操作する。
「でも……ここは創世神域。神族といえど、無制限に力を使えるわけじゃない」
ミストが補足した。
「逆に言えば……」
ノアがスクリーンを指差す。
「彼らが本気を出せないうちに叩く。速攻撃破以外、勝機はない」
◆ 決断
蓮は仲間たちを見渡した。
リーナ、シャム、カイエン、ネフェリス、マリル――
どの顔にも恐れはなく、ただ静かな決意があった。
「行くぞ。俺たちの帝国を守るために」
「おおおおおっ!!」
全員の声が重なり合い、作戦室の空気が震えた。
◆ 出陣
黎明城上空には、帝国最強の空挺騎竜部隊が展開されていた。
「全騎展開完了!!」
空挺部隊長の掛け声が響き、百体を超える騎竜が咆哮を上げる。
蓮は黒翼竜神グラディオルクスの背にまたがり、剣を掲げた。
「全軍、突撃!!」
黒翼竜神が雷鳴を纏い、空を裂いて飛び出す。
◆ 神界連邦軍
紫黒の靄の向こうから姿を現した神々の軍勢。
氷結神兵、雷霆神騎、黒炎神獣――
数え切れぬ神兵たちの中央に立つのは、黒銀の甲冑を纏う女神だった。
「ようやくお出ましか……創造者」
彼女の紫黒の瞳が、雷雲を貫いて蓮を射抜く。
「貴様の“創世剣”。我ら神界連邦にとって、非常に危険な存在だ。……ここで排除させてもらう」
◆ 帝国軍vs神界連邦軍
「来い!!」
蓮の剣が雷光を放つ。
シャムとカイエンが前衛を突破し、リーナが剣閃で氷結神兵を切り裂く。
「ネフェリス!!」
「うん!!」
ネフェリスの歌声が響き、味方全軍に魔力回復と身体強化のバフがかかる。
「マリル、追加支援!!」
「了解っ!!」
マリルが無限アイテムボックスから《超魔導砲アークレイ》を取り出し、上空の雷霆神騎を撃墜していく。
◆ 創造者vs女神
「なるほど……小国にしてはよく戦う」
アステリア・レギアが黒銀の槍を構える。
「だが――“帝国”を名乗るには……貴様が死ぬには十分すぎる敵だ!!」
彼女が槍を突き出すと、空間が裂け、黒紫の雷光が迸った。
「ぐっ……!!」
蓮が咄嗟に剣で受け止めるが、膝が地を擦った。
「陛下っ!!」
リーナが飛び込み、剣で雷光を弾き返す。
「……ありがとう、リーナ」
蓮は立ち上がり、息を吐いた。
(女神……流石に強い……けど――)
無限アイテムボックスを開き、《創世剣〈イデア・エクスカリバー〉》を取り出す。
「これなら……!!」
◆ 神をも断つ剣
創世剣が白銀に輝き、天空に光柱が立つ。
「何……!? この力……!」
アステリア・レギアが目を見開く。
蓮は剣を構え、仲間たちへ叫んだ。
「今だ!! 全員で叩き込め!!」
「おおおおおっ!!!!」
◆ 帝国の黎明
雷鳴、黒炎、氷結、歌声、剣閃、槍撃、全ての力が交わり、蓮の剣へと収束する。
「これが……俺たちの“創造”だ!!」
振り下ろされた剣閃が天地を両断し、神界連邦軍中央を貫いた。
轟音と衝撃波が世界を揺るがし、全ての神兵が崩れ落ちる。
◆ そして
アステリア・レギアは膝をつき、口角を上げて笑った。
「面白い……これほどの力を持つ人間が存在するとは……」
彼女の体が霧散する間際、その瞳には確かな興味と恐怖が宿っていた。
◆ 帝国城最上階
戦いを終えた蓮は、黎明城最上階で朝日を見つめていた。
イリスが静かに隣に立つ。
「……どうするの? これから」
蓮は無限アイテムボックスから、真新しい帝国旗を取り出した。
「ここからだよ。俺たちの“無双建国”は――まだ始まったばかりだ」




