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男桜(おざくら)と女桜(めざくら)

「わぁ 桜餅だっ♪」


「初挑戦なので…お口に合いますか…」


お弁当を堪能したあと、安藤手作りの桜餅にテンションがあがるひろみ


「相変わらず…食いしん坊だな」


「だってだって、手作りの桜餅、初めてだもん すごくない?


もち米から作ったんでしょ?」


「餡子も小豆から煮てね(笑)せっかくのお花見だからリクエストしたの」


「摩子様のお頼みとあらば作らない訳にいきませんから(笑)」


ひろみは桜餅を美味しそうにはくついた


パクリ…「わぁ♪ すっごくいい香り~餡子も上品で美味しい~


安藤さん、和菓子職人になれるよ!」


「ありがとうございます。たくさん作ったのでお召し上がりください」


「こーじくん、あ~んして…」


桜餅をこーじに食べさせてじいっと見つめるひろみ


「どう? 桜の塩漬けと葉っぱが美味しいでしょ?」


「…美味い…安藤くん、きみ…凄いね…」


「恐れ入ります」


「そういえば、以前、摩子がクリームあんみつにハマった時も安藤さんが寒天から作ってたっけ」


「B型だからさ、凝るとそればっかってなるのよね


一時はクリームあんみつしか食べなくなってひろりんとランチに行っても嫌がられたっけ」


「覚えてるよ~私もBだからわかるけどぉ、摩子ってばいっつもあんみつしか食べたがらなくて…


私はパスタとか、ハンバーグとか食べたいのにって文句言ったっけ…」


「そうそう。あ、そ…って私が言うとひろりん、焦って付き合ってくれて…


夏場だったから氷小豆と氷ミルクを何杯も食べてたね」


「だって…摩子のあ、そ…が出ると、なんだか見放されたみたいでイヤだったんだもん」


「マイナス100℃の眼差し…ですね…私もアレは凍り付きます…」


「ちよ、安藤ってば失礼しちゃう(笑)」


「ひろみは摩子ちゃんが大好きだもんな…精神的SMな関係で…くっくっ」


え……それ…おにいちゃんによく言われてた言葉だよ…


「こーじくん…」


「ひろみ様、冷やし甘酒は如何ですか?


米麹ですからノンアルですよ」


「あ、…いただきます…コクコクコク…」


「あれ…なん…か…眠た…」3分もたたないうちにひろみはパタリと気を失うように眠ってしまった


「ちょっとした催眠法ですので 5分程で目を覚まされますよ ご心配なく…」


「大した力だな…感謝する…こいつが明るくなって…気が緩んだ…」


こーじは自分の膝の上で眠っているひろみの額に手を当てるとさっきの会話の記憶を抜いた


「…ドジだね…浩二くん、気をつけなよ…」


摩子に言われてしまう


「…浩二じゃない…俺は桜男のこーじだよ」


「…ごめん、あんまり浩二くんに似てるんでごっちゃになって…てか、あんた、可愛くないトコまでそっくりね」


「ひろみ様は天然ですから記憶など抜かずとも…あなたの言葉ひとつですぐに忘れるでしょう」


「ひろみに詳しいんだな…安藤…きみは…」


「おかしな誤解はなさらないで頂けますか…わたくしは」


「安藤は…私が命…なのよ…勘のいいあなたならわかると思うけど…」


「そうだった…すまない」


「ねえ、何て呼んだらいいわけ? 同じこーじなんだからこーじくん? こーじさん?」


「どっちでもいい…ややこしくてすまない…」


「それにしても…桜男って…案外と嫉妬深いのね…ひろりんが喜ぶわ」


「やっぱりドSだな…摩子ちゃんは…」


「こーじくんもでしょ? ひろりんはドMちゃんだからね(笑)」


「お二人ともお静かに…そろそろお目覚めですよ」


「ん…ん…あ…れ…私…どうしたの?」


こーじに膝枕され目を覚ましたひろみはどうして自分が寝ていたのか覚えていない


「あんた、安藤の甘酒飲んで寝ちゃったのよ


ノンアルなのに~ほんっと面白いんだから(笑)」


「あ? そう…だっけ…どんな味か覚えてないの…」


「おやおや、もう一度、召し上がりますか?」


「ありがとう、喉、渇いちゃった」


こくこくこく…



導眠剤なしの甘酒を美味しそうに飲んでいるひろみの頭をこーじは優しく撫でた


「すっごく美味しい♪ 酒粕で作ったのとぜんぜん違って自然な甘さが癖になっちゃう


こーじくん、飲んだ?」


「ああ、さっき頂いたよ」


「さて…と、腹ごしらえもしたことだし、桜を愛でに行きますか」


「うん、うん、大島桜も見たいな♪」


「ひろみ、お前の好きな桜餅の葉は大島桜の葉っぱなんだよ」


「そうなんだ、他の桜じゃダメなの?」


「ああ、大島桜の葉は大きくてやわらかく香りもいいんだ」


「知らなかった~さっすが桜男だねっ」


「あ、ほら、ひろりん、あったよ、大島桜…」


4人の1メートルほど先に大きな大島桜が白い花をたくさん咲かせている


「見事ね…下にいるだけで濃厚な香りがするわ」


「凛々しくて清らかな花姿よね…大島桜って白くてなんとなく男桜みたい…」


「なかなか鋭いね…大島桜は葉と花が同時に咲くが真っ白な花と葉のイメージが強いために男桜、と云われている


男桜といえば…島根に咲く巨大な二本の樹に白い花の男桜と薄紅色の花の女桜を咲かせる樹齢600年以上の世間桜(よのなかざくら)があってな…


豊作の年には花が咲くが凶作の年には花が咲かないと云われている


土地の人はこの桜の咲き具合を見て豊凶を占ったらしくとても大切にされているんだ」


「一本の樹に咲く男桜と女桜か…ロマンティックね…見てみたい」


「島根県の桜か…ひろりんが好きそうだね」


そういえば…こーじは河津桜の枝に座っていたけど…華やかな河津桜って今、思うと女桜だよね…


「河津桜は別に俺の住処だったわけじゃない…たまたまあそこに立ち寄っただけさ…」


心に芽生えた疑問を即答で解決するこーじにひろみは驚いた



「こーじくん、心を読めるの?」


「…お前のことは…なんでもわかる…」


「なんでもいいや、私は、こーじくんが傍にいてくれれば何でもいいの


じゃ、今からテレパシー送るから当ててみて…」



ひろみは念じてみる


猛烈に…チョコレートパフェが食べたい…


こーじはきょとんとしながら笑って応える


「チョコ好きだもんな…帰りにカフェに寄ってくか…」


「すごい♪ 当たったぁ♪」


「ねぇ摩子、パフェ食べたいから付き合って~」


「いいよん、私はパンケーキにしようかな…」


ひろりんは無邪気だね…


テレパスも桜男もひろりんには関係ないものね…ずっと傍にいてくれれば…


私はそんな風に…ストレートになれない…


「では…ひと回りしたら参りましょうか」


「そうね…」


砧の桜を堪能し、車に乗り込むとこーじはハスキーのぬいぐるみに姿を変えた












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