表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/27

27話「サーベリオ家の娘たち」

 サーベリオ家の娘たち、全員で二十人いるのだが――彼女たちは皆、苦難を越えて幸せを掴んだ。


 彼女たちの人生は必ずしも順調というものではなかった。けれども、かといって不幸ばかりというわけでもなくて。ほとんどが一度は残念さが募るような経験をして、ただ、それでも折れず。彼女たちは諦めないことで幸せやそれぞれにとっての理想的な未来を手に入れた。


 すべてが上手くいくことが最も良い道。

 中にはそう思う者もいるかもしれない。


 それも一つの理論で、間違いではないのかもしれない。


 ただ、悲しんだり傷ついたりする経験があってこそ学べることもあるわけなので、すべてが上手くいったわけではないからこそできる成長というのも存在することは確かだろう。


 大事にされているだけでは、溺愛されているだけでは、学べないことというのもあるのだ。

 誰もが、様々な経験を経て成長するものである。


 サーベリオ家の娘たちの人生には波乱も多かった。けれどもそれと同じくらい幸福も多くあった。皆、いろんなことがあっても、それを乗り越えて力強く生きていったのである。


 諦めない心、突き進む勇気、そういったものを彼女たちは持っていた――だからこそ、それぞれの道を歩めたのだし、その人に最も相応しい道を選ぶことができたのだろう。


 春には花が咲く。

 夏には強い日射しが地を焼き。

 秋には実りが一年の終わりが近づきつつあることを告げて。

 そうしてやがて冬が来る。


 それと同じようなものだ。


 良いこともあり。

 悪いこともあり。


 けれども、どんな荒波の先にでも、良いことはまたやって来る。


 ……そう、季節が必ず巡るように。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ