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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある女の子が恋するお話

作者: すもも


 「紬ちゃん、良かったら今度うちに来ない??

うちのママがうるさいんだよねぇ。紬ちゃんいつ来るの??早く連れてらっしゃいって!さー!」


「 莉緒ーー!ごめんごめん。今日はさ帰り塾に行かなきゃなの。だからちょっとパスかも。その代わり今度お家に行くときは莉緒の好きなシュークリームでも勝ってくよ。」



「えぇーー!残念それはそっか。楽しみにしてる」



 紬と莉緒は、

幼稚園からの幼馴染で親同士も仲が良い。ただ、喧嘩しちゃったときは気まずいけど。そこはご愛嬌ってことで、、、。



 紬は非常に運動神経が良くて、毎年駅伝の選抜メンバーに選ばれるほどだ。部活はバスケ部で部長を務めてる。さすが我らの誇り紬である。


 莉緒は、勉強も運動も平均並みでただビジュアルはめちゃめちゃいい。サロンに月1、2回行くみたいだがそこでカットモデルを頼まれていて、ほっとペイパーにも載るほどである。お互いに持ってないものを持ち合わせていて、人としての相性は結構いい方だと思っている。


 「ねね、紬。あのさー、来週テストじゃん。だから今週末としょかんで勉強会開かない??1人だと寝ちゃうんだよね〜あはは。まぁ、紬にはわからないだろうなぁ。成績優秀だもんね〜!!いいなぁー!!」



わたしは、勉強も運動もできる紬が羨ましい。わたしもこれだけ人柄も良くて何もかも完璧だったら人生トントンだろうなぁーなんて心の中でつぶやいた。


「 莉緒ー!じゃあさついでだしといってもなんだけど、良かったら莉緒のお母さんにもご挨拶したいし、お家で勉強会開くのはどう??ご迷惑だったりする??」


 「おぉー!やりますね!!いいじゃんいいじゃん。そうしよっか〜!!なんか食べたいお菓子とかある??ジュースとか。準備しておくけど。」


「えぇ〜!!そんなの図々し過ぎるよぉ〜!!いいの??じゃあ、とっほとほっきーがいいなぁ〜!

チョコレートのお菓子❤︎正直、チョコのお菓子だったらなんでも」


 いつもこう。こうやって要領良くて細部まで気遣えるそんな紬のことわたしも含めてみんな大好きなんだよなぁ〜

 ほんとに、自分と比べちゃう自分さえ嫌になる。




「じゃあ、今週末紬家に来るー!!っておかあさんに言っとくー!待ってるねー!」


「りょーかい」


おたがいにもっていないものを持っているから羨ましくなるし、育った環境が違うから喧嘩しちゃうこともあるけどでも、友達って最高だ。



 テスト前最後の休日に紬と莉緒は、莉緒の家で集まることになった。



「 こんにちはー!美穂さんお久しぶりです!莉緒からお話は聞いていてお会いできて嬉しいです!」


 紬が、目上の方に向ける自然な笑顔で話す。


 「あらー、随分とお久しぶりねー!元気にしてたー??」


  お母さんったら調子がいいんだからいつもはわたしに怒ってばかりのくせにこうやって紬の前になると愛想のいい笑い方なんてしちゃって。わたしもいつかお母さんになることがあったら、子供にこんなこと思われるのかな??


 「紬ー!今日チョコのお菓子がいいっていうから色々悩んだんだけど準備しておいたよー!

 これは、お母さんの友達が旅行に行ってきた時に買ってくれたお土産でー、これはいつも紬が大好きで食べてるとっほとほっきーだよ!それにー、、、。」


 「莉緒はほんとに優しいなぁ〜!わたしがもし男だったら可愛い笑顔と優しさに惹かれちゃうんだろうなぁーきっと。まぁ男じゃないからわからないんだけどねー!!」


 そうやって惑わせてくる紬はほんとにずるい。わたしは、恋愛感情としての好きなのに。無意識にさらっとそんなこと言えちゃう紬。ほんっとにずるいよ。


 みんなにもそうやって愛嬌振りまいてるのかな??

あぁーーー!やだ。もしかしてこれって嫉妬??んーん、違う違う勘違いだよね。


 あの一言を聞いてから授業中名指しされてもワンテンポ遅れちゃうし、

他の友達からは、


 「莉緒ー!またぁーー??ちゃんとうちらの話聞いてんのーー??」


って、これかなりまずいよね〜!!好きっていう恋愛感情無くそうとすればするほど大きく膨れ上がってくるしもぉ〜〜!これ以上わたしを振り回さないでよ。



翌朝、

「莉緒ー!いるーー??今日一緒に遊ぼ!せっかくのバレンタインデーじゃん。」


そうだった、、、。最近悩みすぎて、バレンタインのこと忘れてた。まずい。チョコ作ってないや。って今日は土曜日かー!どうにかなるよね!?


 「ねぇ、紬は誰にバレンタイン渡すの??」



 「え?それは秘密!」


それ以降、バレンタインの内容は一切話に出なかった。というよりその話題が避けられてる気がした。


なぁーんだ。紬は好きな男の子がいるのかぁー!まぁ確かにあんな完璧な女の子わたしには不釣り合いだった。いいなぁ。きっと、その男の子幸せだろうなぁ。


なんて1人で妄想を繰り広げていたら。



 「おぉーい。ねぇ、聞いてる??話??さっきから返答も上の空だよ。」


おいおいおい。ちょっと待って。それ、全部紬のせいなんだけど。思わせぶりな態度さらーっととってきたり、わたしには教えてくれないけど好きな人がいてその子にバレンタイン渡そうとしてることとか。もう頭ぐちゃぐちゃだよ。



 「ごめん。今日は帰る。」

 「それと、もうわたしと関わるのこれで最後にしてくれないかな。もう、辛過ぎるよ。最近紬のせいで勉強もままならないし、友達からも話聞いてる??って言われるしもう限界だよ」




 「わたしなんかしちゃった??

だとしたらほんとにごめん。わたしでよければ話聞くよ!!」



「ほらね。そういう優しさがわたしの心を惑わすの。貴方の無邪気に笑うところとか、人に気遣いができるところとか、全部好き。大好き。」



 「紬、これ受け取って!バレンタイン!わたしも紬のことが大好きだよ。

 じゃあ、両思いってことで付き合おっか。」


「はいっ。お願いします。」


良かった。本当の想い伝えられて。

      「紬!幸せになろうね!」



 

















 

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