幼馴染が独立してくれません!!(2)
アカネ16歳【火霊使い】
赤いポニーテールで小振りな胸とお尻が特徴的で勝ち気な性格の持ち主。細かいことを気にしないので部屋が汚い。特待生で入ったセリアを気に掛けている。アオイとは同室。
アオイ16歳【水霊使い】
明るい青いロングヘアーとスタイルが良い優等生タイプで口調も丁寧であるが、片付けが大の苦手。特待生で入ったセリアを気にかけている。
ドーマに聖霊女学院『スピリチュア』へのルールを教えるが、女子力が壊滅的でドーマに助けられている。アカネと同室
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華の聖霊女学園『スピリチュアン』には精霊に導かれた少女達が集まっている。 そして、世間一般的には心が清らかで清楚な少女達に精霊達は導きを与えると噂されていた。
だが、実際は身の回り事がほとんど出来ない少女達であった。
女子寮の共同スペースは教材やペンなどが散乱していた。
机には本が山積みにされ、ソファーや椅子には衣服類が脱いで放置されていた。
そして、共同のキッチンには、食器が桶に水付けされたままで洗っておらず溜まっていたのだ。
そして、アオイとアカネの相部屋の掃除を頼まれ部屋を開けると見事なまでの汚部屋が広がっていたのだ。
「何をどうしたらこうなるんだよ!!?この学園大丈夫なのか!!? 」
「いや~飯はまだ学食があって夕食も作ってくれるんだけど片付けが皆苦手でなぁ~」
「だったら家政婦でも雇って掃除や家事して貰えばいいだろが… 」
「…それがそう簡単な話じゃないのよねぇ…」
ラージャタン王国にある聖霊女学園『スピリチュアン』の街や村もそうだが近くには危険な魔物や魔獣が棲んでいる森が存在し並大抵の家政婦では自己防衛が出来ずない事から食事などの用以後は教員寮の食事の準備などで忙しく人員が足りないのだと話す。
つまりは掃除や家事出来てある程度の戦闘力があり魔物や魔獣から身を護れることの出来る人材が求められるというのだ。
・・・これ、普通に考えたらヤバい方向に進みそうだと悟ったドーマはさっさとアオイとアカネの部屋を綺麗に掃除して洗濯物を洗おうとしたが汚部屋の住人であるが一応は乙女であり流石に下着を洗われるのには抵抗があるようだ。
「だったらテメェで洗え!!俺はこのセシアの衣服から身体まで全部世話してるだぞ!!? 」
「そうだよ!!ドーマは私の豊満なオッパイ見てもたたないし、ぶっちゃけここまで酷いから飽きてるから女として見てくれてないの!! 」
「な、なるほどね…。 それはそれでどうなのかって思う事あるけど、私らも何も言えないわ… 」
「それにドーマはワタシの家の用心棒兼執事で
【魔闘法】を利用した近接型の魔闘士で超武闘派だから魔獣や魔物とかも目茶苦茶倒してるよ!!? 」
余計な事を口ずさんだセシアの頬を摘まむとセシアは涙目になりながら何故怒られているのか理解できていない様子であった。
そんなピンポイントで当てはまる人材が今目の前にいるという事をワザワザアピールされては困るからだ。
ようやく手の掛かるセシアが屋敷から出ていき、普通の用心棒兼執事として生活のが楽になのは目に見えている。
こんな汚部屋の女子寮の世話など死んでもゴメンだというのが本音であった。
普通に考えたら手の掛かるセシアが増えるという事だ。 そんな面倒くさい事をするのはゴメンだ。
何とか仕様と作業をしながら自分がセシアとともに送り込まれないように口を動かし続けた。
「そもそも『男子禁制』の華の聖霊女学園『スピリチュアン』に俺が働いたらダメだろ?大体の護衛っつってもそんな強いワケじゃ… 」
「えー!!嘘だぁ!! ドーマなら大体の魔獣倒せるじゃん!?この前もブラッド・ベア倒したじゃんかぁ~」
「えっ!!?あの大型で狂暴性が高いブラッド・ベアを倒した実績があるのかよ… なぁ~アオイいいんじゃ?別に寮に棲んでるの『五人』しかいねぇし…」
「う~ん。確かに一度学園長と相談して決めるしか無いわねぇ… 」
普通に考えれば華の女学院の洗濯物や飯など共同生活の仕事は普通の男からすれば間違えなく夢の仕事場で楽園であろう。
だが、ドーマは普通の年頃の男子とは感覚がバグっている所があるのだ。
両親を亡くしてからは森で鍛練をしながら生きる為に【魔闘法】を利用した近接型の魔闘士の修行をしていたが、セシアに見つかって今の生活があるのだ。
今も【魔闘法】を利用した修行は時間を作って修行している。
確かにセシアのいう通り、ラージャタン王国周辺の魔物や魔獣ぐらいなら一人でも倒せる自身はあるがセシア一人だけでも大変なのに5人も面倒をみていられるワケがない。
絶対に嫌だ。確実に気が狂う未来しかないだろう。
唯一残された手段は自分が男である事だ。この聖霊女学園『スピリチュアン』は女子限定の国家認定学園である為に汚部屋にする少女達の世話を同世代の男子に任せるなど先ずないだろうと…。
だが、ドーマの希望は簡単に打ち砕かれてしまったのだ。
洗濯物を干す為に外に出ると何やら騒がしく、その方向を視線を向けると、茶髪のパーマー掛かった髪と眼鏡が掛けたスタイルが良い美女が
黄緑色のショートヘアーの小柄の少女をわきに抱えて大猪の魔獣・イノガムラの群れに追い回されいたのであった。