第6.5話 崩壊
今日はちょっと短めです。
さて、今私はアイリス様が作ってくれた美味しい料理を食べた後にお風呂に入って、今まさに寝ようと薄い青色の寝巻きに着替えた所なのだが……突っ込みたい事がある。
それは……。
「……なんでアイリス様が私の部屋に居るのですか?」
エマはいい、私の専属メイドだから。
ただ、なんでアイリス様が私の部屋のベッドに腰掛けているのだろうか?
「えー、いいじゃん別に」
「いや、私は構いませんけど……皇族が私なんかの部屋に居て大丈夫なのですか?」
「だいじょーぶ。ちょっと、話したい事があるだけだから」
「話したい事、ですか」
「そうそう。こっちに来なさいな」
「はぁ」
彼女が手招きしているので、ベッドの方に行く。
「横、座って」
「はぁ。アイリス様が言うなら」
言われた通り、彼女の横に座る。
彼女に近づいたからか、良い匂いが漂ってくる。
……と。
「えいっ!」
「へ⁈ ちょ、アイリス様!」
突然、私はアイリス様によって無理矢理横にさせられる。
そして、私の頭は彼女の太ももに着地する。
この構図は……膝枕、だ。
「えへへ、よく頑張りましたー」
私の頭を撫でてくる。
それはそれは楽しそうな声を出しながら。
だが、その楽しそうな雰囲気はすぐに霧散する。
「ねぇ、メイ……」
「はい、なんでしょう」
私の頭は撫でているままだが、さっきとか打って変わって真面目な声で言う。
「今日の訓練、辛かった?」
「それは……辛かったけど、ここで生きていくためには仕方のないことですし……」
「そっか。仕方のないこと、か」
その後、しばらく間を空けてから、悲しそうな顔をしながら言う。
「あのね……実はこのユグドラシル帝国、多分あと数日もしないで崩壊すると思う」
「え?」
突然のことで、思わず声が漏れてしまった。
国を救ってとは言ってたけど……あと、数日も持たないとは……。