第十五話 終わりの始まり
はい、ついにDay5突入です。
終わりに近づいてきましたね、是非最後まで楽しんでください!
……あぁ、うん。
君が当代の巫女と繋がった……いや、繋がってしまった異世界からの来訪者か。
にしても、まさかただの騎士に間接的とはいえ僕の加護を与えるハメになるとはね。
……いや、衰えた神の代弁者には相応しいか。
時はついに動き出した。
頑張ってね、神崎命。
「……よしっ」
「あら、今日は早起きですね。おはようございます、メイ様」
「流石に慣れて来たかな。おはよう、エマ」
今日は、目がすぐに覚めた。
ちょうどエマが起こそうとしていたタイミングだったようだ。
……慣れたね、確実に。
些細なことではあるが、新しい生活に慣れたのは嬉しい事だ。
ベッドから離れた私は、初めてこの部屋のカーテンを自分で開ける。
うーん、今日もいい天気だ。
いい事があるに違いない。
パパッと、もはや慣れた手つきで仕事着であるスーツを着て、ショルダーホルスターにハンドガンを収める。
昨日、きちんとメンテナンスはしたからちゃんとハンドガンは動くはずだ。
……あぁ、結局魔法は何一つ使えなかったからね。唯一頼りになる武器はこの拳銃だけだ……クソッ。
ただまぁ……アイリスの事を知れたのは良かったかも。
さて、今日の予定を聞こう。
「エマ」
「はい、本日の予定は……ずっとアイリス様の側に居てください」
「……ようやく本来の仕事らしい事ができる訳か」
今まで、なんやかんや訓練ばっかしてたからようやくか……。
まだ、護衛の仕事ってあの城下町の時だけだからなぁ。
「ほんとは、もうちょっと時間をかけて訓練をしたかったのですが……何やらきな臭い動きがあるので。今日がXdayで、儀式に革命分子が紛れ込んでいたら、取り返しの付かない事になるので……少々未熟さはありますが、貴女は今日からアイリス第二皇女殿下の騎士です。務めを果たしてください」
「……分かってる。じゃあ、アイリス様の部屋を訪ねに行ってくる。エマはどうする?」
「……わたくしは、申し訳ありませんが別の仕事がありますので。ひょっとしたら、数日の間帰れないかも知れませんが」
「うん、大丈夫。もう私は自立出来るよ」
エマが数日居ないのは寂しいし不安だけど、いい加減一人で色々と出来るようにならないとね。
よし、今日から諸々頑張るぞ!
そう、気合いを入れて自分の部屋を後にした。
「……わたくしの可愛い妹をしっかり守り抜きなさいよ、騎士メイ・カンザキ」