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第十二話 私は凡人。ただ……

二日ぶりの更新

 さて、再び外の裏庭に来た私とエマ。

 今回は、そうもちろん魔法の訓練である。

 ついに……ついに私も魔法使いになれる!!!


「さて、それでは魔法について簡単に説明をさせていただきます」


「うん、よろしく」


「まず、魔法というのは主が下さった奇跡の残滓です。そして、別に私たちが魔法を使うために何かたくさんの事をしなきゃいけないとかはありません。人が持っている魔力を、魔法という形にするのは世界のシステム……この国では神樹ユグドラシルと呼ばれている木によって行われるので、魔法を使うために私たちがするべき事はただトリガーを引くだけ……魔法の詠唱をするだけです」


「つまり、魔法を使うのに必要なのは詠唱だけ?」


 なんだ、超簡単じゃん。

 これなら、数日で私は大魔法使いになれたり?

 えへへ、いやぁ私の将来安泰だなぁ。


「はい。ただまぁ……もちろん壁はあります。それも、どうしようもなく、大きな壁が」


「そ、それは?」


「魔法の適性……要するに、魔法を使えるだけの魔力が自身の身体に貯められるかとか、その人の魂と神樹との接続が上手くいってるか、その魔法と魂の相性など……ですね。これらは、生まれつき確定している事です」


「……なるほどね」


 それはまぁ、確かにどうしようもない要素だ。

 そこは……16年間の付き合いである私の身体と魂を信じるしかない。


「では、早速使って見ましょう。まずは、もっとも難易度の低い攻撃魔法をいくつか試してみましょう。聞き手を前に向けて、こちらの紙に書いてある詠唱を読み上げてください」


 お、来た来た。

 ふっ、私の魔法デビューの時が来たようだ。

 さぁ、やろう!


「えーっと……よしっ。火の精霊よ、主の教えに従い、我に敵を焼き尽くす力を与え給え! ファイヤーボール!」


 よしっ、決まった!

 さて、どうなるかな……おっ。

 私の手のひらのすぐ先に、赤い魔法陣が現れる。

 そして、そこから火の玉が現れ……。

 何かが起きる前に、魔法陣ごと消滅した。


「……」


「……」


 思わず、私たちは黙り込む。

 先に口を開いたのはエマだった。


「……メイ様、別の属性の魔法を試してみましょう。ただ、火属性魔法との相性が悪いだけかもしれません」


「そ、そうだよね、うんっ! よしっ、次に行ってみよー!」


 きっとそう。

 たまたま、火属性魔法との相性が悪いだけ……。

 うん、多分。

 そう信じて、一通りの属性魔法を試した。


「ウォーターボール!」


 水属性魔法、失敗。


「ウィンドブレード!」


 風属性魔法、失敗。


「ソイルウォール!」


 土属性魔法、失敗。


「……エマ、次は?」


「あとは……特殊な魔法しかないので……」


 あぁ、私の魔法使いライフ……終わった。

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