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オーディナリーデイズ  作者: 志藤天音
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あの頃の思い出2

結婚の意味とは➖絢香

女性が結婚する年齢の波があるらしく、一度目は24歳ぐらい、二度目は29歳ぐらいらしい。それに伴い出産の波も続く。

アタシはそんな話に興味がないし、波にも乗れてない。自分の店を持ったことだし、ここが自分の子どもみたいなもんだと思っている。

今日は由香里と仁美と舞子が来てくれた。すごく久しぶりだ。3人は既婚者で、仁美と舞子には子どもがいる。サークル内でもみんなのまとめ役で、今も変わらず落ち着いた3人である。落ち着きがある人は結婚出来るのか。

「由香里、久々だねー。コウさん元気?」

由香里は20歳も年上の社長と結婚してから…というか出会ってから、うちらと会う機会が少なくなった。彼の方からすれば、とても若い女の人を彼女にしてしまったら、絶対に離したくないんだろう。それまで頻繁に遊んでたのが嘘だったみたいに会えなくなってしまった。

「今日はめんどくさいから黙って出てきちゃった。何度も着信あって、すでにウザい。」笑いながら言ってるけど、困った顔にも見える。ここにいる間ぐらいは純粋に楽しんで欲しいな。

「今日も連れて来れば良かったのに。」

「仁美、優しすぎるよ相変わらず。」また困った顔で笑いながら由香里は言う。

「大勢いる時ならさ、なんとか紛れて飲んでられるけど、少人数じゃあ私も話しにくいし、気まずいわ。」

「だよねー、じゃあもう一回乾杯だ!絢香も自分のグラス持って来て!みんなで乾杯しよう!」舞子に言われて喜んでビールを注いでみんなの席に向かった。

「舞子は二児の母だもんね。1人でも大変なのにマジでリスペクトだよー。」仁美は大学生の頃からずっと付き合っていた真一と結婚した。彼女が子どもを欲しがってたのも知ってたから、娘が生まれたって聞いた時は自分のことのように嬉しかった。その娘がようやく来年保育園に通うことになった。そんな中、舞子は2人の子どもを育てている。

「まだ産みたいって思うよ。2人とも男の子だけど全然性格も違うし、毎日すごく楽しい。今度は女の子がいいかな。」

「いやー、考えられない。自分が子ども産むとか。あ、その前に結婚もしてないわ。」

「絢香の恋愛話って昔からあんまり聞かないね。誰か良い人いないの?」女子らしく恋愛話が好きな舞子が芸能リポーターみたいに手のマイクを向けてくる。

「全然。ってか店のことで精一杯だよ。板さんやバイトちゃんを食わせていかなきゃいけないし。すでに一家の大黒柱的感覚だよ。」酔いが回ってきたのか、立て続けに喋っちゃった。

「この前、優子さんと飲んだんだけどさ。そもそも結婚のシステムって何なんだろうねってなった。紙切れにハンコだもんね。それで親戚が倍になるって凄くない?自分達だけの話じゃなくなってくるわけじゃん。そんな面倒なこと無理だわ、アタシには。」

「絢香と優子さんのコンビ!面倒くさがりでお馴染みだもんね。変わらないなー。」と由香里。アタシは由香里こそが一番面倒なことに巻き込まれてると思っている。子持ちの二人よりもずっとリスペクトしてるよ。

「アタシ、一生結婚しなくていいわ!」と宣言して、もう一度みんなで乾杯した。アタシはリスペクトの意味も込めて、こっそり由香里に向けて乾杯した。


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