表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
年頃女子高生の護衛は厄災級  作者: 仮名文字
1章 出会いと日常の始まり
1/4

まさかの仕事と、まさかの出会い

「え?俺に仕事が!?」

驚きのあまり、個室トイレの中で叫んでしまった。

『ああ。だが、喜ぶのにはまだ早いぞ。今回の仕事内容は少し異例でな。というのも、護衛を受ける張本人が、依頼主とまったく関係がないんだ』

「...どうゆうことですか?」

護衛というのは、普通依頼主本人、もしくは、依頼主の関係者を担当するものだから、仕事内容の異例さに、眉間にシワが寄った。

『今回の依頼主は「国」だ。昨日組織に連絡が来たんだが、そんときの話をまとめると、まず、お前が今回護衛をする人は三人だ。そして、その三人は全員国家重要人物で、組織「極夜」に命を狙われている。』

組織「極夜」といえば、殺し屋のトップ中のトップが集まっている、日本最大の殺し屋組織だ。

『さらに、そいつら三人には、自分たちが命を狙われていることを悟られずに、護衛をしてほしいとのことだ。だから、お前には今回、名目上執事として働いてもらう』

「......え?今なんて言いました?」

『お前は今回、名目上執事として働きながら、「極夜」から三人の命を守るんだ』

執事として働きながら...

「え、いや、いやいやいや。そんなの無理に決まってるじゃないですか!どんだけ難易度が高いんですか!依頼主は「国」って、言いましたよね!?それってめちゃくちゃ重要任務じゃないですか!失敗したらどうするんですか!」

『そんな叫ぶな。大丈夫だ、こちらもお前に配慮して、お前以外にもうひとり任務に当てといたから』

ぜんっぜんわかってねえ!普通十人以上は用意するだろうが!

なんだかだんだん呆れてきて「はぁ〜」と、ため息をついていると、授業開始を知らせる学校の鐘が鳴った。

『嫌なら受けなくてもいいぜ?俺はお前が仕事を欲しがってると思って、無理言って頼んでもらったんだしな!』

くそ!足元見やがって!前回散々にやらかしたため、最近は全然仕事が入ってこず、経済的にまずい状況なのだ。

走って廊下を抜け、教室に入ると、三人の少女がクラスの前に出て、自己紹介をしていた。

.....転校生か?

気付かれないように、そぉっと席に座り、小声で電話相手(師匠)に話しかける。

「その三人の名前を教えて下さい」

『おっ。仕事を受けてくれるんだな。三人の名前はー』

師匠が名前を言うと同時に、前に出ていた転校生らしき三人が、自己紹介を始めた。

「前野紗季です。桐蔭学園から来ました。わからないことだらけですが、みなさんと仲良くなりたいと思っています。よろしくおねがいします」

前野紗季と名乗った女性は、きれいな黒色の髪をポニーテールで結び、どこか幼さのある、可愛らしい顔をしている。

「前野ようです。同じく桐蔭学園から来ました。よろしくおねがいします」

よう、と名乗った女性は、透き通るような灰色の髪を、結ばず腰辺りまで下げていた。こちらはどこかお姉さんのような、少し大人びた顔をしている。

「前野かなえですっ!同じく桐蔭学園から来ましたぁ!得意なことはバスケです!よろしくおねがいしまーす!」

かなえ、と名乗った女性は、少年のような笑顔を浮かべており、髪はショートカットで、スポーツをやってそうだが、肌は白く、とてもきれいだ。

...かわいい....

『おーい。聞いてんのかー。今言った三人が、お前が今回担当する人たちだ。あ、そおいえば、三つ子らしいぜ。』

前の三人の自己紹介に注意を取られ、師匠の話を聞いてなかったんだが..

「ちょっと待って下さい。三人の名前、もう一回言ってもらえます?」

まさか、そんなわけが...

『あ?しっかり聞いとけやカス。ころすぞ。前の三姉妹で、それぞれ、紗季、よう、かなえ、だ。聞いたか?仕事の詳細はあとで連絡するから。じゃ』

プツ。と、電話の切れる音とともに、俺の脳みそも焼ききれた。

この人達は、確か...


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ