-螺鈿の葬列- 登場人物
【水谷圭吾】(14歳) 160センチ
本名、水谷勘三郎。
『鬼』を見ることが出来、声も聞こえる。
心臓に持病があり、幼いころから病人生活を送っている。
学校にまともに通っていないが、詩歌と小説を好み、文学には人並み以上に精通している。
のんびりとした雰囲気で、素の時は、語尾が間延びした口調になる。
ただ、周りがそれを苛立たしく恥ずかしい話し方だと思っていた為、なるべく言わないようにしている。
細かい仕事が苦手で、面倒くさがり屋であり、マイペースな性格。
しかし、散華が水谷に輪をかけて身の回りの事に対して面倒くさがりな為、面倒と思いながらも代わりにやっている。
【大河内散華】(37歳)178センチ
皇室御用達の蒔絵師。
『鬼』に対して嗅覚があり、視覚、聴覚がない。
他人の『鬼』の臭気で具合が悪くなるため、東京の辺鄙な村で、ほとんど外出しない引きこもり生活をしている。
他人の『無害化』が苦手で、普段は自分の『瘴気』で作品を作っている。
『鬼』を取り憑かせると、夢想状態で周りが見えなくなり、身の回りの事がままならなくなる。
そうでなくても、蒔絵以外の事は非常に無精で、圭吾にも注意されるほど。
ボサボサ髪に黒の作務衣姿。
頭の後ろを掻く癖があり、溜息が絶えない。
落ち着いた雰囲気だが、機嫌が悪いと非常に威圧的になる。
【御堂カエデ】(22歳)177センチ
『裏御前』に仕える『死鬼喰み』。
三歳の頃には『死鬼喰み』として目覚め、当たり前のように『鬼』を狩って来た。
あらゆる『鬼術』を習得しており、居合の達人。
遁甲や幻術よりも、遁甲破りや攻撃系の術を得意とする。
男言葉を使い、ハスキーボイス。
だが、黒い髪は長く、女物の着物姿で切れ長美人。
面白い事が大好きで、底抜けに明るく、空気が読めない。
小動物をこよなく愛しており、小動物の『鬼』を見かけると抱きたがり、頬ずりする。
なお、気に入った相手は、人間だろうが同じように触ったり抱き付く傾向にあり、節操がない。
東雲と水谷からは『鬼術』の師匠と慕われているが、散華からは師弟ごっこと適当にあしらわれている。
【東雲】(??歳) 145センチ
『鬼』を見ることが出来、声も聞こえる。
『鬼喰らい』であり、『裏御前』の側で仕えている。
元看護婦の経歴を持ち、他人の『無害化』を得意とする。
落ち着いた雰囲気で、大抵の人には敬語で話す。
非常に心配性で、常に最悪の事態を考えており、どうにか避けられないかと口を出す傾向がある。
不安や恐怖がピークになるとパニックを起こし、自分の『瘴気』を『無害化』し始め、いかがわしい妄想をひけらかし始める。
カエデの弟子で、カエデにかなり気に入られている。
【きらら】
カエデの『鬼』で紅い金魚の姿をしており、宙を泳ぐ。
なんの『鬼術』も使えず、口がきけない。
異常に逃げるのは速い。
カエデと見聞きしたことを共有できない。
前作で、カエデの和傘の仕込み刀の柄にあった螺鈿細工は、散華が『きらら』を『無害化』して制作した金魚の蒔絵。
【シキ】
水谷の『鬼』で黒い狐の姿をしている。炎の色は紫。
変化が得意。
非常に臆病で、泣きそうになると水谷の陰にすぐに隠れる。
水谷とは兄弟のような仲で、水谷が兄、シキが弟のような間柄。
水谷の方がリーダーシップをとる傾向にあり、たいてい言うことを聞く。
狐の姿の時は人語は話せないが、人型を成せば水谷と会話は出来る。
ただ、そこまでしなくても、水谷は雰囲気で何となく理解出来ている。
水谷と見聞きしたことを共有できる。
【散華の鬼(名前は非公開)】
ルリタテハという種類の、蝶の姿をしている。
大抵、散華の頭の上に隠れている。
人型の時は散華にソックリだが、黒地の生地に瑠璃色の帯模様の入った着物を着ている。
長い柄に鎖の付いた香炉を吊り下げたモノを持っており、沈香の香りを漂わせている。
水谷いわく、かなりの手練れで強い。
【東雲の鬼(名前は非公開)】
ウサギの姿をしている。体は紺色で、手足が桜色。炎の色は薄紅色。
人型の時は東雲とソックリだが、壺装束に市女笠を被った少女の姿をしている。
東雲の持っている巾着の根付は、散華が東雲の『鬼』を『無害化』して作った作品。




