00 4人の魔導師
ある1人の「レオネッサ」という女魔導師がいた。
16歳という若さであらゆる国から危険視され、取り払うべき障害とされていた。
何度も討伐隊が編成され、何年も続いた戦争が一時休戦になるほど兵力が投入されたこともあった。
時には"炎王"や"氷王"、"雷王"などの『魔王』と呼ばれる大魔導師が軍を率いることがあったが、一度としてレオネッサが膝をつくことはなかった。
だが、それから30年も経つ頃にはその女の名前も忘れられ、何事も無かったかのように平和な時間が過ぎていた。
一方その頃、レオネッサは数人の弟子達を必死に育て上げていた。
戦争孤児、捨て子、罪人など、年齢も性別もバラバラな彼らは魔法の才能があった。
基礎、応用を何年もかけて叩き込み、やがて弟子達はいろいろな国の要人にまで成長していった。
そんなある日、ある1人の弟子が裏切り、レオネッサは60歳という若さでこの世を去ってしまう。
弟子を溺愛していたレオネッサは反撃をする事もなく、いとも簡単に殺された。
だが、レオネッサは死ぬ間際に1つだけ魔法を使っていた。
≪level 10 デッドエンドオーバー≫
人類が未だ到達したことのない level 10 のこの魔法は、自分の魔力を3人の弟子に受け渡した。
その3人はレオネッサの再来と呼ばれる程に成長し、魔王ですら恐れる存在とされた。
エルダー国 王立図書館 司書著
「レオネッサの悪夢」より抜粋