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「えっ?」


 条件という名の要望を伝えたマーちゃんの言葉に、女神は驚きの表情を浮かべた。


「いやいや……それじゃ意味が……、私が求めている協力っていうのは――」


 困り顔で申し訳なさそうに口にする女神に対して、マーちゃんはその言葉を遮った。


「分かっている、転生先でもアルフをコントロールするのが協力の内容なんだろ?」

「そ、そ、そ、そう! だから記憶は引き継いて貰わないと困るんだけど……」

 

 女神が放った言葉に、「はぁ……」と大きなため息をついたマーちゃんは、こう続ける。

 

「確認したい、お前の目的はアルフとオレを転生して終わりってことじゃないんだろ?」

「お……、お、お前……? わ……、私、女神なんですけど……?」


 今までそんな口の利き方されたことがなかったのか、再び驚きの表情になる女神は、俺いやマーちゃんをジッと睨みつけた。


 そんなことに動じないマーちゃんは、睨み返すようにこう言う。


「お前が女神なのは知っている、二度も確認しなくていい。それで俺の質問の答えは?」

「は、はい? ……、なんなのよ……この猫は……、腹立つわねぇ……。そ……そうよ……、ちゃんとした目的があるのよ、それは、さすが『女神様』と思っちゃう崇高な目的よ! よく聞きなさい! それはね――」

「世界とは、無数にある細かな法則の元に成り立っている。その一つの法則が崩れるだけで世界は、存在できない。つまり、オレの世界を消したヤツは、アルフとは逆に世界のシステムを好き勝手に変えるチカラを持っている。まぁ、簡単に言えばどんな世界も簡単に消す事ができる。そんなヤツが存在していること、それが問題なんだろ? だからアルフのチカラを借りヤツを消し、今存在する世界を守りたいってところか?」

「えっ!? なんでそのことを!」


 今、まさに女神の威厳を取り戻すぞっといったところで、マーちゃんは女神の言葉を再び遮った。


 引きずった表情を浮かべる女神は、必死に女神らしい余裕を持った笑顔に取り戻そうとしていた。これはかなり効いていると、俺はすぐに察知した。


 居た堪れない空気がその場を包んだ――

 マーちゃんちょっとは空気読んで! と考えていると、鋼のメンタルを持つ猫は、女神から冷めた目線を外すことなく口を開く。


「今までの状況を考えば、簡単に出る答えだ」

「へぇ……へぇぇぇ……そうなんだ……、随分賢い猫ちゃんねぇ……、ま、まぁ、そうよねぇ……誰でも気づくわよね……、うんうん、そうだそうだ……」


 震えた声を必死に隠そうとしている女神は、必要以上にやたら頷いていた。

 そんな女神をこれ以上見ていられない俺だったが、この目線の主導権を持つ者は、更に女神のメンタルを削ること言い出した。


「で、ここからが本題だが、世界を消すチカラを持った者が転生先にいる事は分かる。しかし、他世界まで干渉できる程のチカラだ、オレらが接触する前にアルフが転生して来たことがヤツに気づかれた場合、きっとヤツが取る行動は一つ、他世界へのシステムの変更と維持を行い、自分を他世界へ転移すること。すなわち、お前のような女神の力がなくともヤツは他世界への移動はできるはず。もし俺が考える能力の場合、いくらアルフでもどうにもならない。おい、俺の言っている意味分かるか?」


 投げられた言葉は俺へのモノではないが、さっぱり言っている意味が分からなかった。


 そして投げられた本人は、小刻みに震えながら――


「ば……、バ、バカにしないでよねっ! わ、わ、私を誰だと思ってるの? め……、め、女神よぉ! わ、分かってるのに決まってるじゃない! 見縊らないでよ、もう!」


 この反応……、効いていることも隠せないレベルて効いちゃってる……。

 もうめちゃくちゃだよ……。

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