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この世界の1000年前、世界征服を目指した魔王がいた。
その強さは、人知を超えたものであった。
人々は怯え、絶望し、ただ隠れることしかできなかった。
人々は願った、どうか魔王倒せる救世主が現れることを……。
――ある少女が、その願いを叶えることになる。
少女の名前は『イリア』小さな村で生まれた。
男の子に負けないぐらいおてんばだった言う。
小さな頃から正義感強く、困ってる者をほっとくことが出来ない性格だった。
彼女が大きくなってもその気持ちは変わらずいた。
自分のことよりも他人の幸せを願うようになる。
そんなある日、魔王がやってきた。
――それは突然に。
魔王はモンスターたちを人々の住む場所を襲わせた。
各国は共同の魔王討伐軍を結成し、それに対抗する。
100万を超える軍勢となった討伐軍は魔王軍との戦いに挑んだ。
結果は、完全なる敗北だった……。
帰って来れた者は1割も満たなかったと言う。
モンスターが現れた地域は皆、故郷を捨てる他なかった……。
誰もが諦める中、戦い続けた者がいる――イリアである。
皆が戦いをやめても一人で戦い続けていた。
苦しんでいる人々を助けるため。
何度も倒れ、死にかけたことも何度もあった。
イリアは何度でも立ち上がり諦めなかった。
そんな直向きな行動は人々を変えていった、魔王と戦う勇気を――
イリアは信じ合える仲間たちと共に魔王と対決へ。
何度も立ち上がる、絶対に諦めない心が魔王を倒すことができた。
魔王は絶命する瞬間に、この世界の人間たち全員に死の呪いを放つことになる。
全ての呪いを封印するには、生贄封印しかないことはイリアにはわかっていた。
イリアは自分の命を使い、全ての人々の呪いを封印をし、この世を去った……。
人々は英雄の死を悲しみ、墓をイリアの生まれた村に立てたという。
その場所は、神聖な場として広がっていった。
そしてイリアを信仰した人々が、続々と集まるようになる。
村は日を追うごとに大きくなり、いつの日か国となっていた。
その国の名前をイリアの名から取り『イリアカント』となる。