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6話、現世、そこは2つめ町ができた世界、そして家にフレンズがいた。

すいません。 6話と未完成の7話を間違えて投稿しました。

差し替え完了。

 俺は目覚めるとキッチンを見た。

 そこにはイカの頭をし、水色のロングヘアで白のワンピースを来た娘が朝食を作

っていた。語尾にゲソーとつければアノ娘だ。


 また変な夢みてるんかな俺?

 でも天井見る限りシルちゃんの家なんだよな…。


「あ、お越してしましましたか? おはようございます」

 ゲソとは言わなかった。


「おはようシルちゃん。ところでその頭は?」

「これですか?フレンズのコスプレですよ」


 ん?

 んん?

 フレンズ?動物を擬人化したアレか?

 見るとIQが下がるとか言われたけど、結局不朽の名作になったアレだよね? 

 イカなんかいたっけ???


「シルさん、それはどこで情報を仕入れたのでしょうか?」

「タブレットですよ、アニメが見れる事を発見したんです」


 シルちゃんがタブレットを持ってきたので見てみると、アノTubeが立ち上が

ってて、俺が昔見た物とは違うフレンズが流れていた。

 なんだこれは、二次創作か?

 主人公がワラジちゃんになってて、全く可愛くない。ふざけんな!


「ごはんできましたよ」

 今朝のメニューは、パンとミニオムレツ、ミニサラダ、コーンスープ、ヨーグル

トだった。それとコーヒー。シルちゃんはホットミルク。


「いただきます」

 ユビキタス家の朝は、いただきますから始まる。


「今日はシルちゃん、2つ目の町を作ろうと思うんだ。それと1つ目の町の名前も

決めないとね」


「名前ですか?」

「うん、なんかこう始まりの町に相応しいのがいいね」


 このオムレツうまいな、中がふんわりしてて刻んだハム入ってるよ。


「私、ネーミングセンス無いのですよね、太郎とか次郎とか花子とかしか…」

 確かにセンスは無さそうだ、始まりの町、花子…。却下。


 いい名前ないかな?

 俺はキーピングスキルを使い過去訪れた異世界を思い出してみる。

 前にいた【異世界】ノースウッドは、パラレルポートって港町だった。

 その前の【異世界】カトマイは、ロープロファイルという寒村。

 更に前は、スロット、ソケット、エージーピー、サウスブリッジだったな。

 よし!ノースブリッジにすっか。

 ちょっといい加減な町名だけど気にしないでおこう。


「シルちゃん、ノースブリッジってどう?」

「いいですね、さすがユビーさん。いいセンスしてます」


 俺は凄い罪悪感を感じた。

 という事で【現世】のはじまりの町はノースブリッジに決定しました。

 あとでタブレットに登録しておこう。


「ごちそうさまでした」のあとシルちゃんはいつもの日課、俺は昨日の事もあるの

で、NPCの設定をもう一度チェックする事にした。


 NPCメーカーを起動し説明をじっくりと読む。

 残念ながら、他人を攻撃しないようにする保護設定は無かった。


 詳細設定の性格のところで、温厚、気性が荒いといった感じが選べるだけだ。

 俺は、酒場のNPCを温厚、鍛冶・防具屋は気難しい、シスターはやや淫乱にし

ておいた。

 名前は俺のお気に入りキャラ以外は自動設定、店名はスタート時は店主

の名前を使用とし、時間が経過すると変更可能にした。


 冒険者がお店を譲り受けた時、店名を自由に変更できるようにするためだ。

 あとは税率や町の首長を決めれば、ノースブリッジの設定は全て終了だ。


 そして、今日の本題となる2つ目の町を作り始める。

 まずは、その位置だ。王都を中心とし、その周辺部に衛星都市のように配置する

か、はじまりの町から順番に王都へ向かい、町の規模も進むにつれて大きくする。


「これは悩むな…」


 王都から始める場合は、周辺の町に好きに行けるが、それは俺が嫌だったから採

用しなかった。

 ということは後者のほうだな。

 ノースブリッジからどれくらい離すか…。


 確か江戸時代の日本橋を起点として保土ヶ谷宿が33キロ、その先の戸塚宿まで

42キロだったはずだ。


 だとすれば、30から40キロの間か。

 平坦な道を進む場合は35キロにしておこう。山間部はもうちょい短め。


 洗濯機に衣類をいれ、スタートボタンを押したシルちゃんがこっちに来た。

「ユビーさん、何を悩んでらっしゃるのですか?、しけた面してますよ」

「え、まじで?いま2つ目の町をどのあたりにするか悩んでたんだ」


「なるほど」

 俺は、江戸時代の交通の話をシルちゃんにしてあげた。


「でしたら、そのあたりでいいと思います。ノースブリッジでは馬も売ってますか

らそれを使えば楽に行けますしね」


 楽…か、あまり最初から楽はしてもらいたくないな。


 せっかくだから冒険して欲しい。一人ひとりがラノベを書けるくらいのね。

 ダンジョンの奥に洋食屋があってもいいし、獣人娘と行商人をして世界をまわる

のもいいだろうし。

 いろんな可能性のある世界にしたい。


 すぐに隣町には行って欲しくないと考えた俺は、最初に冒険者登録した時に渡さ

れる支度金を1万円とした。


 いや、円はやめよう。昔いた世界と変わらない。わくわくしない。

 シルの世界だから、通貨の名称はシルにしよう。


 馬は高価な物って事で10万シル。宿は一泊1000シル。

 この世界に来て、1週間は初期資金でやっていけるようにしておいた。


 俺はこのあたりの意図も踏まえて、シルちゃんに提案してみると。


「そのお金の名称恥ずかしいです!変えてくださいよ!」

 本当に恥ずかしかったようで、顔を赤くし涙目になった。

 しかしゴールドと円は嫌だったので、シダーミルの一部“ミル”にする事で折れ

てくれた。 


 現世の通貨はミルとなった。  


 ◇ ◇ ◇


 出発の準備が出来たので、家の外にでた俺達はペットのアランデールを連れ転送

コマンドをする事にした。


 行き先はノースブリッジの先15キロで、ここから25キロ離れているため、転

送の使用が可能な場所だった。


 そこから20キロは地形を作りながら歩くつもり。

 予備のモバイルバッテリーもシルちゃんのリュックに入ってる。


「それじゃ行きますね」


 シルはタブレットの地図アプリに上にコマンドを座標を入力すると、2人と1匹

は淡い光に包まれ消えた。


 俺は転送を初めて体験した、なんというか体が分解されていくような感覚だ。


 眼前の風景が急にモザイクが入って行くような感じでぼやけて行き、一瞬真っ暗

になったあと、モザイクが消えて行く感じ。


「到着しましたよ。初めての転送いかがでした?」

「すごく斬新な感覚だったよ」


「そうですよね。私も最初は戸惑いましたよ」


 そんな話をしながらユビー達は歩き始めた。

 ここはまだ、地形作っていないので平らな草原が広がっているだけ。


 俺は、昨日作っておいた地形のパターンを呼び出して周辺に配置していく。

 ノースブリッジから次の町までの景色はこんな感じになる。


 町を出ると道はまっすぐと伸びており、右を向くと小高い丘とその背後には雪を

頂く山脈が見える。


 左側も似たような景色だが、雪の無い低めの山を配置した。

 しばらくは牧草地帯を進むため、家畜のヤギや牛などが牧羊犬に追われている。

 そういったのどかな風景が6キロ続く。


 やがて木の密度が高くなっていき森に入って行く。

 このあたりは高低差が少しつけてある。

 この森は奥に行くと、冒険者を襲う動物やモンスターも配置予定。 


 森の中心地には木こりの小屋を2件配置し、小さな酒場と宿の機能も持たせた。

 ここは二つの町の中間点になる。


 小屋を過ぎると、森林の密度が増し鬱蒼とした森となる。

 道幅も狭く、馬車が1台やっと通れる程度。ところどころに馬車の離合ポイント

も設けてある。


 川が見えてくると森のエリアも終わりである。

 ちゃんと立派な石橋を掛ける予定なので、少々増水しても流されることは無いだ

ろう。


 森を抜けると、次の町のエリアになる。

 ここもノースブリッジの郊外と同じように牧場を配置した。


 だがもう少し特徴を持たせたい。

 ここに来る頃には多少なりともレベルは上がってるはずなので、ダンジョンとま

では行かなくても、うーんっと。


 鉱山だ!坑内の一部にモンスターが出るという設定で、町のギルド施設でクエス

トを出すようにしておこう。*メモ*


「シルちゃん、次の町なんだけどさノースブリッジと違いを出そうと思うんだ」

「なるほど、それならスイーツ屋さんを作りましょう」


「いや、そういうのじゃなくて、まぁそれも設置するけどさ…」


 俺は鉱山の話をシルちゃんにした。

 各町に特徴を持たせる事と、冒険者のレベルに合わせたダンジョンに関しても納

得してくれた。


「私ってずーっと草原ばかり作ってたじゃないですか、その時何をここに作ろうか

とか想像してたんです」


 シルちゃんの予定では、お菓子の家とか、草原にはぬいぐるみのような動物やモ

ンスターを置いて、話し合いをすればモンスターもお友達になってくれる世界を考

えていたらしい。


 確かに平和で楽しそうな世界だが、すぐに飽きそうだ。

 きっと飽きてきた冒険者は、抵抗しないぬいぐるみ動物と可愛いモンスターを蹂

躙し、それを保護しようとする勢力と対立、やがては冒険者同士の戦いが始まるの

ではないか。


 俺はシルちゃんに懸念を伝えた。

 するとシルちゃんは頭を抱え…


「そんなはずありません。みんな平和に暮らすんですよー」


 と言って泣き顔になった。

 俺、またやってしまった。


「シルちゃん、今のは極端な例だからね。大丈夫大丈夫。お菓子の家もどこかに作

ろう」


 ここまで言ってやっと機嫌を直してくれた。


 でも今までいろんな異世界を見てきたけど、冒険者共通の敵がいないと団結しに

くいのも事実。


 【異世界】ネハーレンは、シルちゃんの思い描くような平和な世界だったけど、

やがて意見の異なるグループが対立し始め、最後は大規模な戦争になった。

 その後はどうなったのだろうか?


 俺はその世界で神官をつとめていた。

 メインの仕事は、女神ネハーレン様の信仰を広げる事だ。立場上中立だったので

双方をなだめ戦いが広がるのを止めるのも俺の仕事だった。


 しかし真っ先に俺が始末されてしまった。

「神官を暗殺したのはお前らだ!」と相手に罪を着せ、自分たちの正当性を主張し

たかったようだ。


 でもまさか、双方から同時に暗殺者が送られてくるなんてびっくりだよ。

 俺の異世界転生って何故か不運が多い。


 暗い話はここまで、今は現世に集中。


「シルちゃん、到着だ」

「結構な距離ありましたよね、お尻が痛くなりました。アランデールもありがとう」

 ラマは軽く頷いた。

 こいつら意思の疎通できてるな。


 さて、目的地に到着した俺は道中デザインした町を仮配置してみた。

 まだ町は半透明の状態。

 ノースブリッジよりは、市街地は少し広めにしてある。

 宿屋も2件あるし、武器屋と防具屋は別々にしてある。


 他に鉱山を近くに設置予定なので、鉱石商や採掘関係の道具屋も作った。 

 鉱山労働者も配置するので、酒場も3件、労働者用の住宅、治安悪化防止のため

のガードポストも設置した。


 これらの内容をシルちゃんに確認してもらって最後にOkay。

 お馴染みの「ポン」という効果音と、煙と共に町が実体化された。


「二つ目の町が完成しましたね。名前はどうしましょうか?」

「そうなんだよなー」


 名前、名前、ネーミングは苦手だな。

 バイオスすっかな。


「シルちゃん、バイオスってどうかな?」

「どういう意味なんですか?」


「プログラムが入ってるロムの事だったかな」


 あ、シルちゃん腕を組んで悩んでるな。

 でもこれ以上説明できないしなぁ…。


「よくわかりませんが、分かりました。バイオスですね」

「じゃ、町に入ろう」

「そうだ、中心部に噴水広場がありましたよね?」

「うん、あるよ」

「そこでお昼にしませんか?」


 そっか、もうお昼過ぎてるんだ。どおりでお腹が減るわけだ。


「賛成!さっさと行こう」


 俺達は人気のない町を進んだ。

 この静けさを体験できるのは今だけのはず。

 住人を配置したら賑やかになるしね。


 ユビーは歩きながら、足りない職種の店があるかどうかチェックしていた。


「そうだ、ユビーさんお花屋さんとケーキ屋さん作りませんか?」

「作れるかどうか見てみる」


 街並みは中世にしてるから、花屋はあってもいいけど、ケーキ屋ってどうなんだ

ろう?そもそもあるのかな?

 ちょっと説明を見てみよう。

 …あった。ケーキ屋ある。駄菓子屋もあった。


「シルちゃんあったよ、2件追加しておくね」

「ありがとございます。正式に稼働したら食べに来ましょうね」

「もちろん!」


 追加が終わったタイミングで噴水広場に着いた。

 ここは、バイオスの中心地で銀行や役場、冒険者ギルドの支部や教会がある。

 更に中規模な商会の支店もいくつか設置済み。


 このままでは、賑やかさがないので先ほどの花屋とケーキ屋を追加し、カフェも

1件追加しておいた。


 そして噴水の周りには、ベンチとテーブル。

 露天商用のブースも設置した。

 正式に稼働したら、ノースブリッジより賑やかになる事は間違いない。


 俺達は噴水横のベンチに座りお昼ご飯の準備を始るのだった。

 アランデールは広場の隅っこに生えてる草をむさぼっていた。 

●第1エリア完成度30%

・完成した町:ノースウッド、バイオス。

・未完成の町と特殊施設:王都、3つ目の町、ノースウッド温泉、バイオス鉱山。

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