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■第三十五夜:黒百合の印章

 

 素手で完全武装した騎士に挑みかかるなど、本来ならば自殺行為以外のなにものでもない。

 立ち塞がる刃と盾、そして装甲の前には鍛えられた拳など玩具のようなものだ。

 立体に加工された鋼板を思い切り素手で殴りつければどうなるのか、考えるまでもない。

 皮膚は裂け、靭帯を損傷し、骨にはヒビ――最悪、骨折する。

 重度の打撲で手の関節が紫色に腫れ上がり、当分は使い物にならなくなる。

 

 だからといって、そしてエルマが女であるからといって、アシュレは微塵も手加減する気などなかった。

 軌道を読み〈ブランヴェル〉に《スピンドル》を通す。

 特有の異能:《ブレイズ・ウィール》ではない。

 初歩の技:《オーラ・ブロウ》――基礎の基礎、《スピンドル》の発現練習に使われる異能だが、アシュレがここでそれを選択したのは、手軽に発動でき、かつ安定した威力を得ることができるからだけではない。

 

 強力な力場の乱流を発生させる《ブレイズ・ウィール》や、より強大な異能は効果範囲も広く、発動後の維持時間が長い。

 異能発動中の取り回しは危険であったし、格闘戦などの極端に間合いが短い距離での戦闘では、その隙を突かれることが多かった。

 特に手練れの《スピンドル》能力者を相手取るときは思わぬ弱点とさえなる。

 その点、《オーラ・ブロウ》は発動も継続時間も瞬間的に行われるため、危険を最小限にとどめことができるのだ。

 

 アシュレは《オーラ・ブロウ》を通した聖盾:〈ブランヴェル〉で、予測されるエルマの突撃ラインを薙ぐ。

 通常のシールドでも充分に危険だが、〈ブランヴェル〉のエッジは現在では再現不可能な鍛造技術によって刃のように鋭くなっている。

 そこに《スピンドル》のエネルギーが加われば、華奢なエルマの肉体など断裂必死の攻撃だった。

 

 しかし、アシュレの攻撃は空を切る。

 紙一重の差で、エルマがするりとその下をかいくぐって来たのだ。

 

 既視感にアシュレは襲われた。

 それは先刻、シオンがエレによって抜かれた時の再現を見るかのようだった。

 アシュレはなぜかあのとき、その光景を視ているかのように感じ、身体を自然に動かすことができた。

 それはシオンとの間に生まれたリンクのおかげなのだが、それでも、あのときは躱すことにすべてを傾けたから可能になった芸当であったのだ。

 

 そして、その後に生じた奇跡的な連携が絶望的な状況を打開した。

 だが、いまは状況が違う。

 

 ノーマンが、シオンが、それぞれの敵を相手取って戦っていた。

 特にノーマンの双肩に負わされた重責は群を抜いていた。

 戦鬼の装具である〈スローター・リム〉に身を包んだ夜魔の騎士:ヴァイツの戦いぶりは苛烈を極め――それは、いっそ淫らと表現すべきもの次元にあった。

 人体や生物の理屈を無視した〈スローター・リム〉の攻撃は、例えるならば重金属と刃で構築された高速回転する独楽であり、加えてその軌道は、あまりに不規則かつ悪辣だったのである。

 

 その機動性と不規則な軌道に対するためノーマンは何度となく地面を転がり、反撃を試みるのだが、決定打を与えられない。

 いまだ進行する儀式にかかわる施設の損傷を恐れ、決定的な攻撃を繰り出せないノーマンに対し、攻撃側であるヴァイツは徹底的な破壊を行えばよい。

 圧倒的なアドバンテージ。

 むしろ、その暴力の嵐に反応し、対応し続けているノーマンの体術こそ驚異的であった。


 だが、それでも人的被害を食い止めることはできない。

 戦いの余波が刃風となり、ついに周囲の人々に襲いかかったのだ。

 

 血しぶきが舞い、悲鳴と怒号が巻き起こった。

 恐るべき生体甲冑:〈スローター・リム〉の巻き起こす圧力に触れたものは四肢を瞬断され、胸郭を断裂させ、臓腑をまき散らしながら肉片と化して四散した。

 

 女子供、戦闘員と非戦闘員、その別ない無差別殺戮。

 それでも眼前に吹き荒れる圧倒的な暴力が、非戦闘員たちの撤退をうながしはした。

 

 ただし、それはアシュレたちの意図したものではない無計画、無秩序な逃走であった。

 たちまち、奥の院はパニックに陥った。

 

 いや、むしろいままでがよく持ちこたえたというべきなのだ。

 正直に言って《スピンドル》能力者同士、あるいは能力者と人外のものどもとの闘争は、英雄譚に語られるような華々しくも栄光に満ちたものでは断じてない。

 血と肉塊と脂、糞尿と汚物に全身を浸しながら戦う正気にも正視に耐えぬものなのだ。

 

 人々は本能的に悟るはずだ。

 あるいは、ある疑念に襲われるはずだ。

 眼前で巻き起こる地獄――それを現出せしめた怪物と互角に渡り合う人類の代表者・チャンピオン=《スピンドル》能力者たちは、根源的には同じものなのではないか、と。

 この両者に根源的な違いなどなく、自分たちはその脅威にどちらにせよさらされ脅かされる哀れで卑小な存在でしかないのではという疑念に、だ。

 

 それはある一面において、真実だ。

 つまり《スピンドル》能力者と人外勢力との闘争は、考えまいとしてきた事実を白日の下にさらしてしまうのである。

 その恐怖に一撃されたとき、人間の理性は脆くも崩れ去る。

 

 たちまち、洞内は阿鼻叫喚の地獄と化した。

 

 統制を失った人々が我先にと外部につながる通路に殺到した。

 総勢四百名以上の集団だ。

 恐慌と狂乱に襲われた集団の小さなつまずきが、転倒を呼び、次々と人々が押しつぶされた。

 倒れた人間は後ろからのしかかる群衆に踏みつぶされ、圧死した。

 

 アシュレはそれを背後に聞き、肌で感じ、歯がみした。

 だが、どうにもできない。

 

 その刹那を、恋慕と怨恨を滾らせた魔女の形相を張り付け、エルマが擦り抜けてくる。

 アシュレはとっさにグラディウスの柄頭で迎え撃った。

 

 エルマは当然ように《スピンドル》を通した異能での決着を狙っているのだろうとアシュレは予測した。

 板金鎧で胴部を守られたアシュレに素手で致命傷を与えるならば、それしかないからだ。

 実際、ノーマンの言にもそれはあった。

 エレから受けた攻撃には《スピンドル》の強い捻転が加えられていたと。

 

 だからこそ、その一撃を加える瞬間にできるであろう隙を、アシュレは狙った。

 

 体術ではあきらかに勝る攻め手に対し、アシュレは技術で渡り合うことを放棄した。

 むしろ重甲冑を纏う装備面での優位さ、そして、あえて一撃を受ける覚悟で勝負したのだ。

 

 相手の繰り出す装甲を無視する《スピンドル》エネルギーは、体内で練り上げた逆回転の《ちから》でこれを相殺する。

 

 その発想は、ノーマンがエレの攻撃に際して行った《マーターズ・タフネス》に近い。

 技術としての練り上げはまだまだだが、要は一撃で致命傷にならねばよい。

 そう覚悟した。

 生きてさえいれば、治癒の異能で回復させればよいのだ。

 

 近接を嫌ったアシュレが盾で進路を薙いでくれば、エルマはこれをあえてかいくぐり、盾の影を逆用するであろう。

 盾に通した《オーラ・ブロウ》による一撃は、それを予測した――つまり誘いであった。


 そして、攻撃に専念するエルマを打ち据えるのに《スピンドル》はいらない。

 側頭部に決まれば確実に頭蓋が陥没する一撃だ。

 エレは鉄床とそこに打ちつけられるハンマーとの間に頭を差し出しに来るようなものだ。

 くどいようだが、人類とそれに類する生物を殺害するのに《スピンドル》など必要ないのだ。

 

 けれども、土蜘蛛の姫巫女の行動は、アシュレの虚を突いていた。

 無防備に全体重を預けられた。

 打撃などなかった。

 攻撃のモーションなど絶無だった。

 

 まるで愛しい恋人の胸に飛び込むように、無防備に、無心に、それゆえまったく予想できない動きで――エルマはすべてを預けてきた。

 アシュレは重心を完全に崩され、仰向けに転倒した。

 

 百合の花を思わせる薫りがした。

 酔っぱらうほどの香気。

 柔らかく、あまやかな感触。

 

 一瞬、現実をアシュレは見失う。

 エルマの重みはそのときには失せている。

 愕然としてとして立ち上がったとき、ようやくなにを行われたのか理解できた。

 

 唇を奪われたのだ。

 アシュレが見たのは混乱の極みにある群衆の只中に、まるで湖畔の木立でかくれんぼでもするかのように紛れていくエルマの姿と、その唇に添えられた人さし指だけだった。

 

「いっかいめ」

 その唇が悪戯っぽく動かされるのをアシュレはたしかに見た。

 

 くらり、と眩暈がした。

 心臓が、拍動が跳ね上がる。

 なんだ……これ、アシュレは自問した。

 思わず毒でも盛られたのかと思い唾を吐き、口を拭う。

 ちがう、毒などではない。

 

「まさかこれが異能、攻撃――呪術系の」

「恋慕のまじないですわ」

 群衆のなかから声がした。アシュレは思わず、その声の主を目で追っている。

 

「硬く鎧われた騎士の心を蕩かすのは、乙女の口づけと神話のむかしより、相場は決まっていましてよ?」


 周囲に巻き起こる怒号と絶叫、騒乱と混乱の渦のなかで、その声はひどくあまやかで、アシュレは悪い冗談につきあわされているような気分になった。

 だが、これは攻撃、それも確実に致命的な最悪の攻撃なのだ、とアシュレはすでに認識していた。

 エルマが狙ったのは装甲されたアシュレの肉体の破壊ではない。

 心、精神を己の虜囚とすること。それを狙ったのだ。

 

「《ブラック・リリィズ・インシグニア》――クロユリの印章、とでもいうんですの?」

 クロユリはふたつの花言葉を持つ。

 ひとつはよく知られた「恋」だが、もうひとつ「呪い」は隠された美しい花の暗闇の面だ。

 

「普通の殿方なら、一度目の口づけで堕ちてしまいます。二度、耐えることのできる方は稀。三度、耐えたものは過去に皆無」

 段階を踏む呪術系の異能は即効性に劣る反面、解除するのに同じように時間を必要とする。

 この《ブラック・リリィズ・インシグニア》もその例に漏れず、呪術の対象に数度に渡って肉体的接触をせねばならぬかわりに、ひとたび完全に術中に捕らえれば相手を自らのいいなりにしうる、強力な呪式である。

 

 事実、アシュレは美酒による酩酊に似た意識の混濁と、浮き足立ち、うまく自分を制御できない――本物の恋にそっくりの――あの感覚に幻惑されつつあった。

 眼前で展開する惨状を目にしながら、戦いの興奮にすり替わり胸中に生じてくる酵母の発酵の泡のような浮き立つ感情を必死で振り払い組み敷きながら、アシュレは群衆に目を凝らす。

 

 ちらり、ちらり、とエルマの姿が見えた。

 

 思わず駆け出し、群衆を掻き分けてそれを捕らえたいという衝動が沸き上がり、それが敵としてエルマを捕らえねばならないのか、恋の衝動として腕に抱きたいのか判然とできなくなって、アシュレは困惑する。

 困惑のまま、盾:〈ブランヴェル〉を投げ捨てた。

 

 軽いとはいえ大型のシールドである〈ブランヴェル〉を携えていては、どうしても反応が鈍くなる。

 そして、シールドの造り出す影にエルマは隠れ、間合いを詰めてくる。

 盾を構えることでできる影のエリア――シャドゥゾーンがアシュレにはたまらなく鬱陶しかった。

 

 それを手放すことで、確実にエルマの姿を捉えたい。

 そう願った。

 

 もちろん、これはすでにアシュレの精神が《ブラック・リリィズ・インシグニア》の汚染を受けはじめていることを意味していた。

 

 アシュレやノーマンといった人類側の能力者たちの多くは、対人外の戦闘行為に特化している。

 それは人類がこの世界――神の慈悲に見放されたワールズエンデのレムルにおいて、いかにして自分たちの領域を切り開いてきたのか、その記憶による。

 

 人智をはるかに越えて強大な敵対者に――たとえば竜、たとえば蛇、たとえば夜魔――相対し自らの命と尊厳と国家を守り通すため、《フォーカス》は強大な威力を秘めたものでなかればならなかった。

 同時にその使い手にも、それら巨大な脅威を退けるだけの高い戦闘能力、殺傷性の高い高威力、大出力の能力が求められてきた。

 

 けれども長く地底世界にあり、人類よりもよほど高度に発達、そのあげくに成熟を通り越し爛熟を経て、腐敗にまでいたった宮廷世界で生きてきた土蜘蛛たちにとって、その異能とは同族――つまり謀略と暗殺、権謀数術に明け暮れる知的生命体を相手取った政治闘争の道具として洗練されたものになっていったのは必然なのである。

 

 その差異に、アシュレはいま苦しめられていた。

 

 本来、エルマのこの呪式は寝所で相手を籠絡するのに用いられる異能である。

 それは直接相手の唇に接触せねばならぬことからもあきらかであり、戦闘中に用いられるべきものではない。

 完全武装し殺害すら決意した相手に、そこまで接近することがどれほど困難であるかは、もはや説明しない。

 

 そのほとんど不可能とも言える神業を、エルマは肉憑面:〈クローディス〉の能力を借りて可能にしたのだ。

 

 そして、三度、その口づけを受ければアシュレはエルマに心奪われ、その淫蕩な恋人としていいなりにされてしまう。

 敵勢力を殺害するのではなく、自らの陣営に強力な戦力として取り込む。

 まさしく土蜘蛛の策略の、その最たるものであった。

 

 同時にアシュレはこのタイプの敵に相対した経験がなかった。

 エルマには殺意がない。

 害意すらない。

 あるのはただ、溢れんばかりの――狂える愛情、恋慕、思慕の想いだけ。

 

 騎士としてアシュレが培ってきた戦場の勘が、それに狂わされていた。

 ほんの十メテル先では死をかけた闘争が進行中だ。鋼が打ち合わされ、剣呑な死神の鎌と呪詛、プラズマ炎と真空のタービュランスが荒れ狂い、そこから突き立つような殺意がアシュレの肌に襲いかかってくる。

 その人類の許容量を超えた殺意と悪意のなかに、アシュレはエルマを見失ってしまう。

 接近をまるで感知できない。予測できない。汗が噴き出す。


「だーれだ」

 焦りが隙を生んだ。

 まったくわからなかった。

 エルマの柔らかな掌がアシュレの視界を塞いだ。

 

 アシュレはグラディウスの刃を一挙動で逆手持ちにすると、そのまま背後を突いた。

 けれどもその瞬間には、エルマの肉体は宙を舞っている。

 

 伸身のまま、アシュレの肩を視点にして飛び越える。直上で半捻り。

 まるで天使がその衣を翻し、降り立ったようにアシュレには思えた。

 

 逆手で放った突きを返しざま振り抜こうとしたときには、エルマは二度目の口づけを終えていた。

 意識が刈り取られかけたことにアシュレが気がついたのは、手から離れたグラディウスが地面に落ちてからだ。

 焦らすように身を離し、ふたたび群衆に溶け込むエルマの笑顔だけが焼つけのように印象に残っている。

 

 いとしい。

 肉憑面をかぶったその面影を、いけないと思いつつもそう感じてしまっている自分を発見してアシュレは呆然となった。

 

「アシュレッ!」

 エレの攻撃を躱しながら向こうでシオンが叫んだ。

 わかっていた。

 このままではダメなのだ。

 こんなことをしている場合ではないのだ。わかっている。


 この《ブラック・リリィズ・インシグニア》は連続で使用できない異能なのだ。

 エルマが接触のたびに身を離し、群衆に溶け込むのには理由があるのだ。

 しっかりと《スピンドル》を練らなければ成立しない高度な呪術。

 おそらくその足取りには禹歩としての意味もあるのだ。

 歩法で呪式を描き、《スピンドル》を練り上げる技法。

 

 わかっている。

 広範囲攻撃で――〈シヴニール〉で群集ごと薙ぎ払えばいいのだ。

 いや、そんなことができるわけがない。

 なにを、ボクは考えているんだ。

 そうだ、捕らえるんだ。

 招き入れて、組み伏せる。

 それから――それから――、あの娘に教えるのだ。

 愛を。その作法を。屈服と奉仕を。手折って。

 捕らえる。

 

 三度、エルマが姿を現したときアシュレの理性は鋭い岩塊のエッジにこすれ、いままさに自重よって引きちぎられるザイルのようだった。

 

 恥じらうようにエルマは姿を現した。

 挑むように歩を進めたのはアシュレのほうだった。

 素手で掴みかかる。

 

 ひらり、ひらり、とその手をエルマはかいくぐった。

 それは男を焦らし籠絡する白拍子の舞い。

 

 対するアシュレのものは鋭くはあっても、単調なものだった。

 まるで水の中を掻くかのようなもどかしさをアシュレは味わう。

 

 そして、その苛立ちが頂点に達するのを見計らうようにしてエルマはアシュレに囚われてやる。

 だから、荒々しくその唇を奪ったのはアシュレからだ。

 だのに、どうして自分はいま地面に伏して、天を仰いでいるのか――アシュレは、次の瞬間、思う。

 エルマが腹上にいた。

 

「やはり、三度までは陥落なさいませんでしたのね? いとしいかた」

 桃色の舌が乱れた口紅を舐めるようにのぞいた。そ

 の乱れはアシュレのせいだ。

 

「すてきです。人間の恋人は、エルマ初めてですから……緊張してしまって」

 愛を語られた。

 いとしい、と思った。

「でも、ここではいけません。邪魔者がいますから」

 逆さまの視界でエルマが指し示した。

 たしかにここは騒々しかった。みれば、周囲は血に煙り、凄まじい戦闘音楽に彩られた修羅の庭だった。

 はやく、こんな場所から逃れて愛を交わしたかった。

 

「わたくしもそう思います、殿。でも、あのコウモリ女がしつこくって」

 一緒に片づけてくださいませんこと? エルマに囁かれ、アシュレは曇った瞳でその邪魔者を見やった。

 コウモリ女?

 

 たしかに、その視線の先に女がいた。




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