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■第二十夜:人魚姫の記憶(2)

          ※

 

 それが起きたのはジゼルの謹慎期間――つまり一月が過ぎようとしていたときのことだ。


 秋の嵐の晩だった。

 吹きすさぶ風に雨は横凪ぎになり、渡り廊下が水浸しになるほどだった。

 エクストラムでは秋から冬にかけては雨の季節である。

 そこここで木々が折れる音が、法王庁の伽藍がらんに響き渡った。


 その夜、最後の予定だったジゼルの補講をラーンは延期にした。


 女性従士たちの寮は、補講に使用される講堂からは随分と距離があったのである。

 男性従士たちに「ヘリアティウムの城壁のごとし(ビブロンズ帝国首都:アガンティリス期の城塞をいまも残す)」と言わしめた物理的・道徳的城壁にそこは囲まれている。

 門限もたいへんに厳しい。

 これは倫理的な配慮である。

 繰り返すが《スピンドル》能力者には、貴族子弟、子女が多い。

 間違いがあってはこと・・だ、という話と理解してもらえればいいだろう。

 

 講師であるラーンが休講を言い出したのであれば、ジゼルが責任を問われることはない。

 それにラーン自身、嵐のなかを出かけるのは、まっぴら御免だったというのも、ある。

 おかげで、ひさしぶりに自身の研究に没頭できる。

 ラーンは世話役の僧たちに夜食を都合してもらい聖遺物管理課の施設に籠った。


 手をつけかけた文献があった。

 毎夜の補講のせいで、滞っていたものだ。


 貪るように読み進めた。

 アガンティリス王朝期の考古学者が書き記したもので、そこには驚くべき記録が残されていた。

 ラーンは文字の海に耽溺した。


 その幸せな没入からラーンを現実に引き戻したものは、吹き込んだ一陣の風だった。


 ごうっ、と燭台にはめ込まれた三本の大蝋燭の炎が揺らめいた。

 とっさにラーンは書籍を庇い、それから、風の吹いた方角を見やった。


 信じ難いことに書籍群を護るため、通気、採光にも細心の注意が払われた聖遺物管理課の工房、その扉が開け放たれていた。

 そこから、外気が吹き込み続けていたのだ。


 なぜ、というラーンの疑問はすぐに解けた。


 侵入者があったからだ。

 その身体は濡れそぼり、月下の白蝋のように蒼かった。

 陽光の下では淡い桃色に輝き奔放に跳ねるその髪の毛はやはり雨に濡れて、その華奢な肉体に貼り付いている。


挿絵(By みてみん)


 乙女だった。

 その証が、丈の短い貫頭衣から――アガンティリス期の饗宴においてワインを注ぐ係であった美少年たちのいでたち、そっくりの――濡れて、透けて見えていた。

 

 それがだれであるか、ラーンには一目で判った。


「ジゼル……なぜ、ここへ来たのだね?」

 こんな嵐の晩に? 

 どうして、ずぶぬれになって? 

 なんてかっこうで? 

 見張りの衛兵たちはなにをしていた? 

 訊くべきことはきっといくらでもあっただろう。


 だが、ラーンにはそのいずれも、答えを訊くことはできなかった。

 なにも言わず、放心したように扉の脇にもたれかかる無残に濡れたジゼルの髪を、タオルで拭ってやろうとした。 


 パンッ、と雷光に触れたかのように、その手が弾かれた。

 ジゼルの《スピンドル》が渦を巻くのをラーンは感じた。

 だが、それは敵意からではなく、ないがしろにされた飼い猫が飼い主に不満を現しているとき態度と同じなのだと、ラーンにはすぐにわかった。

 理由は見えないが、ジゼルは怒っていたのだ。


 思えばジゼルの怒る様子を、初めて見たとラーンは気がついた。


 食堂での舌禍事件の渦中にあってさえ、ジゼルには、どこかディベートで相手を打ち負かすときのような冷静さと、愉悦を感じているような高揚があった。


 雲のようにとらえどころのない、自由な心の持ち主だと、ラーンは感じてきた。

 だからこその危惧でもあったのだ。

 だが、眼前のジゼルは、これまでラーンの見たどのジゼルとも異なっていた。

 あきらかな不満、怒り――拗ねてしまった猫のように、それが全身から感じ取れた。


「どうしたのかね?」

 ようやく、ラーンはそれだけ訊いた。

「……講義、なんで来なかったの」


 逢瀬をすっぽかされた乙女の口調でジゼルが言った。


「講義……今日は、休講にする旨の木札を掲示板にかけておいたはずだが」

「これ、掛かっていたけど?」

 ゴランガラン、と講義を通常通り行う旨の木札が床に転がされた。

 

「わたしでは――ない」

「なるほど。そうですね。“教授”が、こんなくだらない嘘吐くわけないものね」


 ははっ、わたし、バカみたいだ。

 渇いた声でジゼルが笑った。


「どういうことだね?」

「いつもの嫌がらせだ、って言ってるんです。本気になって損しました。バカみたい」

「いつものって、ジゼル、キミはいつもこんなことをされているのかね?」


 ラーンの問い掛けにジゼルは口を噤み、ラーンを見た。

 射るような光をそこに認めて、ラーンはすべてを察した。

 ジゼルが耐えてきたものを。


「だからといって、この格好は、いくらなんでも……」

「水が媒体だって言いませんでしたっけ、わたし、異能のこと。肌に直接触れてる部分が多いほど、精度も感度も上がる。――素っ裸で法王庁内をうろつくわけにもいかないから」

「まさか、わたしを探していたのかね?」

「ほかに、だれを?」


「……キミの異能を使えば、だれがこんなくだらない仕打ちをしたのか、突き止めることもそう困難ではなかったんじゃないかね?」

「自分の周囲が敵だらけだなんて念を入れて確認したいんですか――“教授”なら? 

 だれが自分の敵なのか、明確に知ったら、次の段階はすぐですよ。

 “索敵”って“偵察”ってことじゃないでしょ? 

 辞書にも載ってます。

 サーチ&デストロイはひと括りの言葉ですよ。

 “教授”?」


 ラーンはこのとき、ジゼルという娘の内側に穿うがたれた埋めがたい穴蔵を覗いた気がした。

 

 ジゼルの能力は強大だが、制御が不安定だ。

 自分でも言っていたではないか。

「どういうきっかけで、それが“感じられる”のか、わたしにはわからない」と。

 

 ジゼルは、自分に嫌がらせをしつづける連中が――それが誰かを、いや、どういう集団なのかをすでに知っていたのではないか。

 知りながら、ずっと知らぬふりを続けてきたのではないか。

 周囲を取り巻く悪意から目を背けることも許されないまま、「露見していない=自分たちは匿名である」と信じる多くの同期たちの感情と相対し続けてきたのではないか。

 それが、今日、約束の場所に来なかった“教授”=ラーンを探そうとして……直視するハメになったのではないか。

 異能を使ったそのときに。

 そして、知ってしまったのではないか。

 ヒトの“悪意”を。


 不意に湧いた衝動は――愛しさだったのか、憐憫れんびんであったのか、ラーンにはわからない。

 だが、次の瞬間には抱きしめていた。


 ジゼルは震えていた。

 突然のなりゆきに四肢を強ばらせ、震えていた。

 ぎゅう、と両手がラーンの胸ぐらを掴み、濡れそぼった衣服と髪の毛が染みを作る。


「“教授”……わたしを、このあと、どうしたいんですか?」

 震える声でジゼルは言った。

「つらければ、いつでも、わたしに相談するといい」

 それは狡い大人の逃げ口上だと、ラーンはもちろんわかっていた。

 わかっているのに、そのセリフが口をついたのは、ラーンにはまだ、いくらでも退路が残されていたせいだろう。


 だが、相対するジゼルは、そうではなかった。

 ぐい、と腕の中でジゼルが身を捩り、腕をついて身体を引き剥がした。


「そんなもので――そんな程度で、わたしを、制御しようっていうんです? “教授”――それは安すぎる」

 痛烈な批判が嵐の夜の法王庁にこだました。


 ざあああああああああああっ、とジゼルの体表面を流れ落ちていた水滴が逆流するのをラーンは見た。


「知らないように――ヒトの心や秘密に触れないようにって――どれぐらいわたしが必死になって、この《ちから》を御そうとしているか、あなたたちは知りもしない。

 人間は相手とまっすぐ相対しようとするとき、相手の目をきちんと見るでしょう? 

 言葉を真摯に聴こうと耳を傾けるでしょう? 

 手を触れて、まさぐって、実存を確かめようとするでしょう? 

 だけど、そうしようとすると、わたしは――わたしの異能は“相手の秘密を探り当てて”しまう」


 ずっと、相手をまっすぐ見れず、耳を塞ぎながら、息を潜め、触れることを諦めて社会に紛れなければならない――その苦しみが、あなたにわかるか?

 ジゼルはそう言っていたのだ。

 ラーンはようやく己の見落とし、見当違いに気がついた。


「常時発動型――」


「あらかじめ断っておきますけど――“教授”、わたしはあなたたちが思ってるより、ずっと危険な情報だって知ってる。 

 例えば、ボクの許嫁になったバラージェ家の子息:アシュレダウの幼なじみ:クーヴェリア枢機卿(後のマジェスト6世)の姪:レダマリア・クルスが本当は同枢機卿の娘だってこと。

 バラージェ家の当主:グレスナウが先の聖務遂行のおり、夜魔の姫と密かに接触し託された聖遺物を自宅に隠匿していること――そして、そして……」


 平衡を欠いた笑顔で泣きながら告げるジゼルの声は震えて、しかし、どこか浮世離れして――神託を告げる巫女のように――狂おしかった。

 ざあああああああああああああっ、と翻る水の羽衣がひときわ逆立ち、ジゼルの心中を代弁していた。


 ラーンはその有様から、ジゼルの異能は双方向のものだと洞察・推論した。

 情報を知るだけではない――相手に伝達することを可能としているのではないかと。

 だからこそ、この荒れ狂う異能の嵐を、ジゼルは常に押さえ込んでいたのだと。

 知られぬように、誰にも悟られぬように。

 ジゼルの他者への冷淡な態度は、己の内側に近寄ってくる相手を入れまいとする振舞いの全ては、この異能を制御するための圧力弁に過ぎなかったのだと。

 

 そして、その洞察も推論も、正しい。


 思わず伸ばしたラーンの右腕が空を切った。

 ヒトが水を掴めないように、ジゼルの肉体は施設の廊下を駆け戻るべく、ラーンの静止を擦り抜けようとした。


 ジゼルの心の動きが、ラーンには、はっきりと見てとれた。

 たぶん、それはラーンに触れて染みた雨の滴のせいだったのだろう。

 それが、ラーンにジゼルの心を伝達した。

 

自爆・・


 その二文字がラーンの脳裏にはっきりと焼きついた。

 ジゼルはこのまま、水浸しになった法王庁の中庭に飛び出し、己の異能を暴走させようとしている――それがわかった。


 ここが法王庁でなければ、狂気に彩られたジゼルの目論見は、ラーンが手を下すまでもなく潰えたはずだ。

 異能の《ちから》=《スピンドル》は《閉鎖回廊》の内側でしか正常に作動しない。

 高いトルクを得られない。

 たとえ強力無比の能力者であっても、平常空間で操作できる《スピンドル》エネルギーには限りがあるのだ。


 だが、ここ聖都:エクストラムにあって、こと――この法王庁の敷地内では、まるで《閉鎖回廊》かのように《スピンドル》がトルクを上げる。


 聖地だから――そう誰もが口を揃えて言う。


 しかし、常時発動型だというジゼルの告白を信じるなら、この敷地内に身を置くことは――ジゼルにとって無理やり強力な異能を使い続けるよう強要され続けることであり、それは精神を引き裂かれるような苦痛を彼女に与え続けてきたはずだった。


 いつも、必死で歯止めをかけ続けてきたのだ。

 その肌が擦り切れ、肉と骨がのぞくほど、その心を摩滅させて。


 そして、ジゼルの自爆とは、つまり、その内側に溜め込まれた“秘密”――自他の区別ない――を解き放つことに他ならなかった。


 それは水を導体として荒れ狂うサージのように他者の“心”に侵攻し、イメージを焼つける。

 場合によっては“心”を焼き切るほどの出力になるかもしれない。

 深刻な後遺症。

 いや、それ以上に、ジゼルが先ほど口走ったいくつかの“秘密”は、けっして世に出してはならぬものだ。


 蜃気楼のように手の届かぬ場所へ離れていこうとするジゼルを、自らが御さなければならないのだとラーンが覚悟したのは、この瞬間だった。


 ぴしり、と空間が凝る音をジゼルはたしかに聞いた。

 石化ペトリフィケーションと誤って呼ばれることの多いラーンの異能:《メモライズ》は、正確には対象の時間進行を停滞させる極めて特殊な能力だ。


 重要な資料の保存や、負傷者の延命など驚くべき多様な応用が可能なこの能力を、限定的だが《フォーカス》の助けなしで行使できる異能者は、聖騎士を教練する教導騎士団にさえいない。

 ラーンが枢機卿でありながらいまだに現役の聖遺物管理課・課長と現場指揮官を兼任する理由だ。


 専用の《フォーカス》である宝珠と、それを操作するための特殊な手袋のセット=〈グラパルダ〉を用いれば、短時間かつごく限定的な事象に限れば時間遡航さえ可能にするラーンの異能は――数多くの強力な異能者を輩出してきた法王庁にあってさえ並ぶもののない代替不可能な才能として扱われてきたものである。

 その《ちから》で、ラーンはジゼルを纏った水ごと、その場に縫い止めたのだ。

 ごつり、と音がして、扉が時が巻き戻るように閉じた。


 つう、とラーンの額を汗がひとすじ流れ落ちた。

 いや、見れば玉のような汗がいくつも浮いていた。

 それほどに対象に己の意識内の時間進行を押しつける《メモライズ》は強い負荷と消耗を使用者に強いる技なのだ。

 ラーンは代価に己の寿命を捧げている。

 いつ破断するかわからぬ――そういう異能だ。


 そうでありながら、ラーンは静かに言う。

 その静けさこそ、ラーンの強い《意志》の現れだ。

 

「なるほど……ジゼル、キミの言い分はよくわかった。その苦しみと、孤独も、わたしには少しは理解できる。先天的な異能者として生まれてきたわたしの人生も、まっすぐではなかったからね」

 つづれ織りの坂道をひとり、何度も折り返して上っていくような日々だったよ。

 ラーンは続ける。

「だが――我がエクストラム法王庁の聖堂に、ヒトが管理できないような異能者は必要ない。この先、永久に、だ」


 ジゼルに施された遅滞時間の技は、情報を遮断しない。

 たとえるなら、その肉体の表面にそれは張り付いて保存される。

 指一本動かせず、瞬きひとつできないが、聴覚はラーンの声を脳に届けるし、視野に入れば視覚はラーンを捉えることもできる。

 ジゼルは《メモライズ》の解けた瞬間に、まるで夢を一瞬で見るようにそれらを知覚することになる。

 圧縮された情報が、脳内で解凍された瞬間、爆発的に浸潤するのだ。


 だから、停滞した流れのなかにいるジゼルにラーンが話しかけることは無駄ではない。


「制御できない《ちから》など無用――そのことは、ジゼル、キミだってよくわかっていたのだね。

 あえて『よくわかっていたはずだ』とは言わないよ? 

 だからこそ、キミは今日ここまで来たんだ。そうだろう?」


 声をあげることさえおっくうな様子でラーンは続けた。

 いつもの明晰な調子ではなく、それはどこか後ろ暗い響きを持っていた。


「『一緒に堕ちてくれ』というわけだ。

 この苦しみに満ちた生から解き放ってくれ、というわけだ。

 その人生の始末の片棒を、わたしに担げ、とキミは言うのだな。

 キミ自身は無意識にも、いや無意識だからこそ、徹底的に計算していたのだな? 

 だから、今日、この日、嵐の晩にそんな無防備な姿で――狙いすまして、わたしのところへ来たのだな?」


 ずらり、とラーンが腰のナイフを抜き放つ。

 護身用というにも心もとない鋼の刃だが、身動きひとつままならない生贄の子羊の命を終わらせるには、それは充分すぎる得物であった。

 ラーンはジゼルの正面に回り込む。


「そして、“秘密”を打ち明けた」

 燭台から差す炎の照り返しで、刃が鈍く光った。

 ジゼルの体表面で《メモライズ》に巻き込まれた水滴が重力に逆らい、プディングのようにふるふると揺れた。

 停滞時間が解除される前兆だった。


「ジゼル、キミを野放しにするわけにはいかない」

 言い終えるより早く、ラーンはナイフをジゼルの胸に振り下ろした。


 びゅ、と絹の裂ける音がした。

 それから、ラーンが手放したナイフが床の石材に落ちて甲高い音を立てた。

 血はしぶかなかった。

 それどころかジゼルの肉体には、傷ひとつなかった。

 かわりに小さな切れ目が貫頭衣に出来ていた。

 ラーンはナイフを鞘に収めるとジゼルの衣服に手をかけ、そのまま力任せに引き裂いた。

 加えられた切れ込みから、絹の衣装は簡単に断ち切られた。


 次の瞬間、ジゼルの凍結されていた時間が、解凍された。

 ぱたたたっ、と水が床を叩いた。


 ジゼルはラーンの腕に捕らえられていた。

 右腕に肩を抱かれ、左手に臀部を鷲掴みにされて。


「キミはこれ以降、わたしの管理下に置かれる。

 所有物、収蔵物として。

 肉体の、精神のいたるところ、あらゆる場所に刻印を施す。

 それを片時も忘れることができないようにする。

 だが、かわりにキミには“わたしの命令に服する権利”を与える。

 それに従うかぎり、全責は私が追う。

 キミが知りえたいかなる“秘密”もわたしのものだ。

 これを覆しうるのは法王聖下――その方だけ。

 神の代理人たる、その方だけ。

 だから、もう、“知ってしまうこと”に思い煩うな。

 キミはわたしのものだ。

 わたしがキミの主だ――従え」


 オマエを――わたしが操ってやる。


 低く、そうささやきながら、ラーンはジゼルの裸身を資料室の裏側に隠された寝室のベッドに運んだ。

 夜を徹して研究に没頭する癖が抜けないラーンのために特別にあつらえられたものだ。

「もう、後戻りは許されない」


 われわれは、いま、この瞬間から、“秘密”の共有という背徳によって結ばれた同盟者となる。

 いいね? そうラーンは確認した。

 ジゼルからの応えはなかった。


 ただ、強く抱き返してくる腕と脚だけが、ジゼルの心を言い表すのだった。


挿絵(By みてみん)




私的な理由により、今回も挿絵が同時更新されておりません。

前回分より出来上がり次第、UPしていく予定です。


楽しみにしてくださっている方々、もうしばらくお待ちいただければさいわいです。


2015/09/05記


挿絵UPいたしました。


2015/09/13記

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