■第九夜:帰りの道を忘れても
※
イリスとの面会はシオンとアシュレ、三名だけのものとなった。
イリスの病室は、大きく窓の切られた明るい一室で、ダシュカの気づかいだろう個人専用のものだ。
天井からハーブが吊り下げられ、その清冽な薫りが空気を浄化してくれている。
これも聞けば、特別の計らいであるという。
入室するなり、アシュレは胸を締めつけられるような苦しさを覚えた。
会えなくなってから十日ばかり。
イリスの憔悴ぶりは明らかだった。
身体はむくんでいるのに頬がこけ、熱があるのだろう、瞳が潤んでいる。
アシュレが微笑むと、イリスはつらいだろうに笑みを返した。
その表情にアシュレはユーニスを思い出さずにはいられない。
故人を生者に重ねることの欺瞞と残酷さを、頭ではわかっていても止められなかった。
いまさらのように、ユーニスのことを本当に愛していたのだ、とアシュレは思い知る。
心を決めても――肉体がそれを憶えている。
ひざまずき、その手を握る。
驚くほど熱かった。
そして、あちこちに内出血の跡がある。
凄まじい勢いで、イリスの肉体が改変を強いられている証拠だった。
視線が合う。
「わたし――この子に、この世界を見せてあげたいです」
そのひとことで充分だった。
くだくだしい説明もなにもかも不要だった。
ダシュカは事前に説明はしてある、とアシュレに教えてくれた。
つまり、イリス自身を“作り替える”ということについて――その危険性について、である。
それでも、アシュレは自分の言葉で確認するしかない。
「危険かも、だ」
「危険じゃない出産なんて、ないですよ」
「ああ、そうだね」
互いの意志表明は、それで充分だった。
ノーマンの施してくれた停滞の異能が効いているのだろう。
アシュレがこれほど近くにいても、イリスの容体は安定している。
ただし、短時間でなければならない。
そうノーマンは念押しした。
堰で河の水をせき止めているようなものだと考えてくれ、と説明した。
長引けば長引くほど、彼女の肉体に後になってふりかかる負担が大きくなる、と。
「望んでもらえますか?」
「もちろん」
イリスの問いかけに、アシュレははっきりと頷いてみせた。
にこり、とイリスの顔に笑みが広がった。
目尻がこぼれそうなほど垂れるのは、修道女だったころのアルマの特徴だった。
アシュレは何度もどぎまぎさせられたものだ。
まさか、彼女と自分がこんな関係になるなど、想像さえできなかった。
まだ三月も前のことではない。
とてつもなく遠くへ来てしまったような感慨にアシュレは襲われた。
互いの意志を無言で確認すると、イリスはシオンの手を取り言った。
「当分の間、アシュレをお願いしますね。えと、いろんな意味で大変だと思いますけど」
「まかせておけ。うん? いろんな……意味……?」
「いままでふたりで分担してたこと、ぜーんぶ、シオンが引き受けるんですよ? 耐えられます?」
イリスの言う「大変」の意味に、シオンはようやく気がついて赤面する。
完全に復調したアシュレとの夜を思い出したのだ。
「あう」
狼狽が言葉に――というよりも音になって出てしまった。
「?」
アシュレが意味が判らないという顔で振り返るものだから、よけいだ。
ごつり、といまだにひざまずいたその頭に、シオンは拳を振り下ろすしかない。
あははっ、とさすがにイリスが笑う。
屈託ない笑顔。
「その様子だと、わたしが入院して以来、手つかずってかんじですね?」
押し黙りうつむくシオンをイリスがまた笑い、アシュレは当惑する。
「えっ、どういうこと? なんで、ボク、殴られ――あ、痛っ」
シオンは振り下ろしたままの拳で、アシュレの頭髪を掴んだ。
「それはアシュレが悪いよ」
笑いながらイリスが言う。
理由はわからないままに、しかし、イリスが笑ってくれるのが嬉しく、アシュレはどう対処していいのかわからなくなる。
もっとも、退出するときになってイリスに呼び止められ、耳打ちでシオンの暴力の意味を知らされ、こちらはこちらで死ぬほど動転するのだが、それはまた後の話だ。
※
「おや、カテル病院騎士、居残り?」
「いま、面会中だ。当事者でないオレがいても、よいことなどなにもないからな」
施療院の内壁に背を預け腕を組んでいたノーマンに、イズマが声をかけた。
「んだね」
イズマはその隣りに同じようにもたれて倣う。
「行かんのか?」
「ボクちんが? なんで?」
「イリスがいちばん懐いていたのは、貴公にだと思っていたが」
「安眠できるからってヌイグルミのクマちゃんが、そのコの一生を変える重大な決断に貢献できるとは、ボクちんは思えないなぁ~。そういうことは、本当に大事なヒトと決めるべきだよ」
ところで、ここ、喫煙OK?
イズマは煙管を取り出し、ノーマンに訊いた。
「当然、ダメだ」
「ですよね~。んじゃ、これ食うか」
どこで手に入れたのか饅頭を取り出し、イズマはぱくつきはじめた。
細かく砕いた豚の塩漬け肉に、干しアンズやリンゴの細片を混ぜ作った餡を小麦粉の皮で包み、蒸したものだ。
「食う?」
「……頂こう」
一瞥し、ノーマンが頷く。
施療院の内壁にもたれ、男ふたり、それも重武装の病院騎士と土蜘蛛の男が並んで饅頭をぱくつく姿はたぶん、相当におかしな絵ヅラではあっただろう。
「うまいな」
「でしょ? ちょっと仲良くなった農家のおばちゃんたちがさ、もってけーって。タダは悪いんで、熱冷ましの薬と引き換えにねー。施療院まで、ちょこっと距離があるところだったから、えらい感謝されたよ」
「あまり、出歩いて顔を売るな。われわれ騎士団相手にはともかく……貴公とシオン殿は人類の仇敵というのが一般的な認識なのだぞ? まあ、シオン殿はどこかの貴族令嬢で通るだろうが、貴公の耳は――いでたちもか――誤魔化せんだろう?」
「なーめんなって、相手の記憶から印象を消す術だってあるんスよ」
イズマの言葉に、ノーマンは目を丸くした。
「まるで間者だな」
「逆だよ、ノーマンくん。土蜘蛛の技術を彼らが吸収しただけのことさ。でも、本家にはかなわない。目に見えて派手な技よりも、目に見えず嗅ぎ取れず気配もない、そういう攻撃のほうが致命的なことはよくあることさ」
技術的な講釈をひとくさりしてから、イズマはノーマンに話題を振った。
「んで、アレ――やばげな聖遺物:〈コンストラクス〉だっけ? けっきょく使うの?」
「止めはしたが、決意は揺らがぬそうだ」
「ダシュカちゃん?」
「大司教猊下、のな」
「ノーマンくんは反対なんだ?」
その問いにノーマンは答えなかった。
「ダシュカちゃんが心配?」
「……妹だからな」
ノーマンの発言はもしかしたら鉄拳制裁より、もっとずっと、はるかに効果があったかもしれなかった。
イズマは食べていた饅頭を喉に詰め、悶死寸前となる。
ノーマンがその大きな義手で背中を叩いていなかったら、危うく本当に死ぬところだったかもしれない。
「タンマタンマッ、ノーマン、それ冗談がキツ過ぎるッ!!」
酸欠で青くなりかけた顔に生気が戻り、今度は赤くなりながらイズマが言った。
「そんなにおかしいか?」
イズマの様子に、ノーマンの鉄面皮が困惑顔になった。
片眉毛を持ち上げ、顎をしきりに撫でる。
「だって、ぜんっぜんっ、似てないじゃん!! 美女と野獣どころか、チミィ怪獣でしょ!」
「貴公、饅頭で死んだほうがよかったかもな」
言葉は辛辣だったが、ノーマンは破顔一笑――つぎに声をあげて笑った。
あっはっはっ、と快活な声が響き、看護服の尼僧に注意された。
ふたりがお口にバツの字ジェスチャーをするさまは、正直コメディ以外のなにものでもない。
「まあ、義理の、だがな」
「そりゃそうだろー、こんな朴念仁のどこ捻りゃ、あんなセクシー美女の血筋と繋がるっての! 要説明だよ!!」
ふふっ、とノーマンがまた笑った。
どうもノーマンは、このイズマとのやりとりを楽しんでいるらしい。
イズマの方は、いつもの調子だ。
「あれっ、てことはさ、ノーマンって、奥さんが……」
「ダシュカマリエ大司教の姉、エフィメラルカはオレの妻だ。……妻、だった」
「別れたの? 離婚?」
「死別した。息子もいたが、妻とともに死んだ。もうずっと以前のことだ」
あ、ごめん、とさすがのイズマも謝ったが、ノーマンは気にした様子もない。
だからというわけではないが、イズマはさらに立ち入った質問をした。
こういうところが、イズマである。
「理由を訊いてもいいかい?」
「かまわんさ。ふたりとも、病死だった――いや、あれを病死と言っていいものかな。酷い死に方だった。病魔との戦いでな」
「そうかー、ダシュカちゃんのお姉さんだもんね。きっと優秀なカテル病院騎士だったんだろうなー」
「いや、その逆だよ、イズマ。妻は、エフィメラルカは、かつて我らの仇敵:拝病騎士団だった女だ」
イズマが壁から再び身体を引き剥がし、目を見開いてノーマンを見た。
「それ、マジ?」
本当だ、とノーマンは頷く。
イズマは天を仰いだ。
「だが、オレと出会ったとき、妻はすでに拝病騎士団のありかたに疑念を抱いていた。
表出する拝病騎士としての教義実践者と、本心との間に生じた埋めようのない齟齬に苦しんでいた。
オレは、そのころまだ、どこにも属さない駆け出しの施療師だったが、最初敵として相対した彼女の手を取り、いつのまにか、拝病騎士団からの足抜けを手助けするようになっていた」
ノーマンは、それからの日々を追憶する。
問わず語りに、イズマへと聞かせながら。
拝病騎士団とは病魔の王であるプレイグルフトと、その賜物である病こそ人類を新たなる段階へと押し上げ、神にかけられたヒトという名の軛から人類を解き放つ鍵であるのだと狂信する一派である。
施療師を装い都市部や村落に流入し、恐ろしい流行り病を流布する危険なテロリストネットワークとして各国が、その撲滅を掲げているカルト集団だ。
だが、叩いても叩いても拭い取ることのできぬカビのように、彼らは勢力を吹き返し、惨禍を引き起こす。
一説では、イクス教の修道院のいくつかが彼らの隠蓑、あるいは母体となっており、資金・人材の両面で多大な支援を行っているという噂さえある。
ノーマンの妻、エフィメラルカはその教団幹部候補生だった。
カテル病院騎士であった父を陥れるため、少女時代にかどわかされ洗脳を施された。
それ以来、拝病騎士団の精鋭として育てられた背景を持っていた。
だが、いくつもの村落、都市を陰惨な流行り病――それも数種の病魔を交合させ産み落とした菌種――によって、病魔の苗床に捧げ続ける日々に、いつしか、エフィメラルカは疑念を抱きはじめていた。
かけられていた洗脳と、彼女自身が持つ良心が、その摩擦に耐えられなくなりつつあったのだ。
だが、人類の敵対者として生きてきた自分が、この後、いったいどうすればいいのかわからず、悪業の片棒を担ぎ続けた。
はじめてノーマンとエフィメラルカが邂逅したのは、山間部の村落でだった。
傷病者に対し献身的に尽す修道女としての彼女と、疫病を愛で流布させる恐るべき狂信者としての彼女。
その両面をノーマンはそこで見たのだ。
そして、その二面性の間で悲鳴をあげるエフィメラルカの精神をノーマンは見抜いた。
一介の施療師として、その時まだ異能者ではなかったノーマンは病に倒れ、しかし、そこで《スピンドル》に開花する。
むろん、彼が一命を取り留めることができたのは、駆けつけたカテル病院騎士の適切な処置のおかげだった。
騎士:ギャルレイとその娘にして、まだ成人前の少女でありながら助手を務めるダシュカマリエとの出会いだった。
カテル島での正規の修業を勧めるギャルレイの申し出を、ノーマンは丁寧に辞退し、ひとり、旅を続けた。
エフィメラルカの足跡を追うためだ。
彼女を救いたかった。
そして、数奇な運命の巡り合わせか――紆余曲折を経て、ノーマンはエフィメラルカが拝病騎士団を脱するために手を尽すことになる。
手に手をとっての逃亡生活の始まりだった。
エフィメラルカには二重、三重に追手がかかっていた。
テロリストの跳梁跋扈を許さぬ世俗の国家。
異端者として追う法王庁。
さらに拝病騎士団。
そしてカテル病院騎士団は娘を裁くため、父とエフィメラルカの妹、つまりダシュカさえ差し向けていた。
そんな逃亡生活のさなか、ふたりは恋に落ちた。
いや、恋に落ちたからこそ逃亡を決意できたのか――いまとなってはわからない。
辺境の海辺に暮す魔女の館に起居を得た。
魔女は偏屈で小言の多い人物だったが、けっして性根の悪い女ではなかった。
近隣の村々では薬草師として頼りにされながら、遠ざけられ、偏見をもたれていた。
そういう孤独な老人が偏屈であることは、ありがちなことだ。
魔女は弱いながら《スピンドル》を扱えた。
かつては、エクストラム法王庁のお膝元で、汚れ仕事を請け負うスパイラルベインに属していたこともあるのだと、酒の勢いで教えてくれた。
年老い、その任を解かれて流れてきたのだと。
スパイラルベインは、エクストラム法王庁を元締めとする異能者集団だ。
異能の根源たる《意志》の力:《スピンドル》に開花しつつも、その発現が弱く、かつ、社会適応能力に欠いてしまったもの者たちが主要な構成メンバーを占める。
その日陰の存在に、裏方の仕事――だいたいは濡れ仕事を与えることで生活基盤と規律を確保、管理する機関である。
一瞬、ノーマンもエフィメラルカも法王庁への内通を恐れたが、魔女は、
「疲れたよ。そういう入り組んだ世界にね。この歳さ。どうせそう長くは生きられない。小金欲しさに昔の飼い主に尻尾振るなんざ、願い下げさね。ヒトとして死にたいよ、あたしゃ」
と言い、可能性を否定した。
その言葉を証明するように、魔女はノーマンたちが流れ着いた年の春先に老衰で死んだ。
最期の最期で、おもしろい人生だったよ、と言い残して。
つつましいながらも、よく手入れされた一軒家を残してくれた。
ノーマンとエフィメラルカはそこで、息子を得た。
ふたりにやっと、静かな時の流れが訪れたのである。
子供は、健やかに成長した。
けれども、息子が六つの誕生日を迎える前に、それは起きた。
「近隣の村落が流行り病に呑まれたことがわかった。拝病騎士団の仕業だった。
妻は――エフィは家を飛び出した。
しあわせを得たからといって、彼女の罪の意識が消えるわけがなかった。
もちろん、オレも後を追った。息子:ユージーンを連れて。
それがどんな結果を招くのか、深く考えることもできずに」
結果として、待ち受けていた拝病騎士との対決によって、ノーマンは妻子と、己が両腕を失ことになった。
かどわかされた後、仇敵の一派に取り込まれた娘:エフィを追い続けたカテル病院騎士:ギャルレイは、拝病騎士と凄絶な相打ちを遂げ、我が身を挺して病魔を封じた。
そして、いまや美しい娘に成長したダシュカマリエが、両腕を失ったノーマンを再び救ったのだ。
「あの日、オレたちは――我らは誓った。業苦から、そのことごとくから人々を救うものになろうと。そのための《ちから》を得ようと」
ほとんど抑揚なく、淡々と自らの過去を語り終えたノーマンのかたわらで、イズマは黙りこくり、視線を海辺に向けていた。
いよいよ陽が陰り、風も冷たさを増してきた。
いつもは青く澄み渡り輝くファルーシュの海が灰色に曇っている。
「志は立派だと思うよ」
けれども、とイズマは言った。
「《御方》の、あんなバケモノの《ちから》を――それが例え、死骸を再利用するカタチであったとしても、頼むことでは、決して――」
「ならば、そこまで知るならば、なぜ、あのとき――〈コンストラクス〉を眼前にしたとき、貴公は黙っていたのか?」
おなじだろう? 姿勢を変えぬまま、ノーマンの瞳がイズマを見た。
もしかしたら、このカテル病院騎士団の男も、このときまた、戸惑っていたのかもしれない。
ダシュカマリエの悲壮な決意と――それを選び取っていく姿に。
同じようにイズマもまたノーマンを見た。
「アレが、なになのか、ノーマン、キミは知ってんの?」
「神ではないことだけは、たしかだ。イズマ、貴公こそどうなのか?」
「……詳細をご説明できないのが大変つらい。奴らの正体に言及することが、ボクにはできないのさ。概要は説明できるけど、それは寝言にしかキミらには聞こえないだろう」
呪われてんのさ、とイズマは首筋に巻いたハンカチーフを引っ張る。
絞首刑に処せられた罪人をそれは連想させた。
「呪われた? 《御方》に、か?」
「《御方》に、というより《そうするちから》――《ねがい》にかな? こないだも、うっかりと口滑らせたもんで、キッチリ目ぇつけられたみたいでさ。いまも実はけっこうつらいのよ。しっかり意識しておかないと、ここに留まっておくのもね」
「どういうことだ」
イズマはなにかを例えるように、細い蔓橋を渡るような仕草をする。
ノーマンはその義手の両手:〈アーマーン〉で、イズマを掴んだ。
ざあっ、と一瞬、イズマの肉体が砂でできているかのようにブレる。
イズマを掴んでいたノーマンのほうが立場を、世界観を見失いそうになるような体験。
「?!」
「答えてあげたい。伝えたいけど、やり過ぎるとボクちん自身が“むこう”に呑まれちまうんだ。そうなると、もうだれも――ボクちんを思い出せない」
だから、考えておくれ。自分で。見ておくれ。自分で。
驚くノーマンを横目で見て、イズマは続ける。
「そして、判断するんだ、ノーマン。ボクちんにできるのは、道標になること。核心にみんながたどり着くまで、先駆者たること……それだけなんだ」
貼り付けたような笑みでイズマが言った。
ノーマンは背筋に氷の針を突き込まれるような痛みを覚えた。
イズマが背負ってきたものを思い、その重みに震えて。
だが、それでも、とノーマンは言い返した。
これまでノーマンが、ダシュカマリエが歩んできた道のりもまた、暗く、救いのないものだった。
それを反古にすることはできない。
だから、言った。
「だが、イズマ、オレは、オレにはダシュカを止められん」
うん、とイズマは頷く。
「わかるさ、ノーマン。だから――ボクもアシュレたちを止められなかったのさ」
イズマは音もなく微笑んだ。
それはあまりにも、寂寥として、荒漠とした笑み。
風が強さを増したのか。
雪片がどこからか、紛れ込んできた。




