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俺の終わってるハズレスキル『名字が田中になる』が、ダンジョン配信で不本意にバズってる。  作者: 閃幽零×祝百万部
第二章 名字が……田中になる!

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サイド 坂田視点。


 サイド 坂田視点。


 俺の名前は坂田ダイゴ。

 時空ヶ丘2年B組の一人。


 決戦前日の夜。

 寮のエントランスラウンジに、クラスメイトのほとんどが集まっていた。


 傾国部隊が協会に乗り込んだ配信、あれについて話し合おうという流れになったのだ。

 みんな、それぞれソファやカウンターに腰かけて、思い思いに口を開いている。


「偉大なる王……俺たちはすでに知っている……あれって、もしかしてさ……」


 俺は、シャンデリアの下、みんなの顔をぐるりと見回してから、そっと切り出した。


「……砦のことじゃね?」


 その瞬間、ラウンジの空気が、一瞬、ぴたりと止まった。


「なにバカなこと言ってんだ」


 真っ先に否定したのは、猛田だった。


「いや、だって、ほかに可能性のあるやつって……」


「いるだろ、ここに」


 そう言って、猛田は、親指で自分を指す。


「あ……うん」


 思わず、微妙な顔になってしまった。

 悪気はないんだけど……つい……


「なんだ、その生暖かい目は。殺されたいのか」


 こういうところ、猛田は、いつも変わらない。


「ジュリア……じゃないよね? 人類を守っている謎の王様の正体」


 俺が尋ねると、ジュリアは、微塵の迷いもなく、


「ああ、違う。私は人類に興味がないから」


 あっさりと、そう答えた。


 ――ジュリアの場合、砦以外の全員がいなくなって、ジュリアと砦の二人だけで生きるってのが……もしかしたら理想なのかもな。


 そう考えると、だいぶ怖いな。

 それは愛なのか?

 ちょっと違う気がするなぁ……


 誰にも聞かれないように、内心だけで、そっとその考えを打ち切る。


「……何がどうなって、そうなっているのか知らないけどさ……もしかして、砦は、俺たちの知らない間に、ダンジョンの秘密を解き明かしたんじゃねぇかな? そして、あの傾国部隊を味方に引き込んだ……そう考えると、つじつまがあわない?」


「あわねぇよ。完全に根拠薄弱な妄想じゃねぇか、ばかばかしい」


 猛田が、鼻で笑って切り捨てる。


「みんなはどうおもう?」


 俺が周囲に尋ねると、意見はバラバラだった。

 「そうかもしれない」と考える者。

 「さすがに飛躍しすぎでは」と考える者。


 その温度差の中、猛田だけが、一人、明らかに苛立った様子で声を張り上げた。


「前から言おうと思っていたが、お前ら、あいつを買いかぶりすぎなんだよ。あいつは俺の下位互換なの! なんで、それがわからない! あいつが俺以上に役に立ったことが今まで一度でもあったか? ねぇだろ!」


 猛田は、そこで机を蹴り飛ばしながら、


「ああ、イライラする! もう俺は帰るぞ! こんなところにいられるか!」


 そう言い残して、大股でラウンジを出ていく。


 その背中を見送りながら、俺は、思わずつぶやいた。


「これがミステリーだったら、このあと、猛田、死んでるな」


「こんなところにいられるか、俺は帰るぞ……あ、ほんとだ、完全に死亡フラグだ」


 誰かの相槌に、その場に、小さな笑いが起こる。

 こんな時でも、こういう空気になれるのが、ウチのクラスの良いところだと思う。


 対見が、ソファの背もたれに寄りかかりながら、ジュリアに、


「ジュリアはどうおもう?」


「わからない」


 ジュリアは、静かに、窓の外を見つめながら、そう答えた。


「だが……もし、仮に、トウシが、この世界を守るために頑張っているのだとしたら……私は手伝いたい」


 その一言だけ、いつもの淡々とした口調とは、少し違う響きがあった。


 俺は、そのジュリアの横顔を見ながら、なんとなく、確信めいたものを感じていた。


 ――やっぱり、ジュリアだけは、何か気づいているのかもしれない。



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― 新着の感想 ―
これがミステリーだったら、このあと、猛田、死んでるな 完全に死亡フラグだのセリフが軽妙すぎて、 クスッとさせられます
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