↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の終わってるハズレスキル『名字が田中になる』が、ダンジョン配信で不本意にバズってる。  作者: 閃幽零×祝百万部
第二章 名字が……田中になる!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
53/82

3話 もういい猛田! 戻れ!


 3話 もういい猛田! 戻れ!


 ……この一連の光景を、俺は、スマホでしっかりと撮影しながら、


「くそぉ! 猛田のせいで! あいつが余計なことをしなければ!! おい、邪神! 貴様ぁ! よくも、たくさんの人を殺してくれたな! 絶対に許さないぞ!」


 台本通りに俺は叫ぶ。

 とりあえず、『今、何が起こっているか』は、

 随時、具体的に視聴者様に伝えた方がいい。


 難しいストーリーラインは万人受けしない。

 あらすじはシンプルなのがいい。


 アホの猛田がツボを割った。

 そのせいで、邪神が出てきた。

 で、いっぱい人が死にました。


 ……これでオールオッケー。

 完璧なシナリオ。


 アダムは、俺のスマホに向かって、


「私は人を滅ぼす邪神……人類よ。貴様らは間もなく死に絶える。私の手によって」


 アダムは、涼しい顔でそう宣言すると、いったん転移の魔法でその場を立ち去った。


 よし……ここまでは問題なく台本通り。



 ★


 このことは、あっという間に大ニュースになった。

 1時間もたたないうちに、日本中……いや、世界中を駆け巡った。


 ――『猛田カルマくんが不用意にツボを蹴飛ばしたせいで、殺人邪神が現れ、何人もが被害にあった』


 シンプルなあらすじなので、

 誰でも状況を理解できた。

 ゆえに、怒りも盛り上がりやすい。


『猛田ぁああああ!』

『お前のせいで、人類がピンチなんだがぁあ!』

『責任とれぇえええ!!』


 その大炎上を受けて、

 猛田は、自身のチャンネルで、


「俺が必ず、あの悪魔を殺す! みんな、心配しないでくれ!」


 と高らかに宣言するが、



『人が死んでいるんだぞ!』

『お前、マジでさぁ!』



 と、コメント欄は爆裂炎上中。


 さすがの猛田も、

 今は自重しておいた方がいいと理解したのか、

 変に視聴者をあおるようなことはせず、


「とにかく……俺がどうにかする! 死んでもあいつを殺す!!」


 そのまま、猛田は、クラスメイトたちの制止も聞かず、とくに何の準備もせず、感情がおもむくまま、単騎でアダムを討伐しに行った。

 あいつ、賢いはずなのに、マジでアホだな……


 ちなみにアダムがどこにいるかは一応、わかっている。

 アダムにはスマホを持たせて、『時折、呑気に配信して』と命令してあるから。


 色々と抜かりはない。

 今回の目的は効率よくバズることだから、

 余計な演出は省いて、視聴者様には、最短距離で物語を消化してもらう。


 コメント欄は大盛り上がり。

 主に猛田へのメッセージが集中している。


『余計なことしやがって、クソバカ』

『人類が滅んだら、てめぇのせいだぞ』

『責任とれよ!』

『人殺し!』


 さすがにこの状況では、猛田ファンも沈黙を貫いている。

 今回ばかりは擁護のしようがない感じ。


 猛田が飛び出したあと、

 クラスメイトたちと数分だけ話し合い、

 猛田のあとを追うことが決定した。


 俺はジュリアに、『視聴者のみんなを安心させてほしい』とお願いし、

 スマホの前で、とある台本を読んでもらうことにした。


「安心してください。……あの邪神は必ず私が倒します。今回、猛田は、愚かなことをしましたが……できれば、過剰に攻撃しないであげてください。責任はとらせますし、クラスメイトとして、私たちも精いっぱい、この問題と向き合っていきますので」


 そう言って頭を下げるジュリアに、

 視聴者たちの期待が集まっていく。


『猛田、ジュリア様に謝らせてんじゃねぇぞ、ごらぁ!』

『連帯責任なんか感じなくていい』

『あいつはもう死刑』

『ジュリア様、天使すぎる』

『猛田ファン、みてるかぁ! ジュリア様になんか言ったらどうだ!』


 よしよし、すべて計画通り。

 同接は余裕で1億を超えている。


 さあ、それじゃあフィナーレといこうか。


 ★


 そして始まった。

 ――アダムVS時空ヶ丘2年B組の決戦。


 場所は沿岸沿いにあるでっかい公園。


 猛田は、ボロボロになりながらも、何度も何度もアダムに挑んでいる。


 猛田がヘタレそうになるたび、俺は、


「もういい猛田! 戻れ!」


 そう声をかけた。

 すると、もちろん、猛田は、


「うるせぇえええ! てめぇごときが、誰に指図してんだぁああ!」


 こうして燃え上がるのだ。

 さすがに、もう長いこと一緒にいるので、猛田の扱い方が、多少は理解できている。


 とはいえ、完全に理解できているわけじゃないけどね。

 あいつは時折、まったく予想不能のことをしでかす。


 ボコボコにされながらも、

 それでも立ち向かい続ける猛田。


『猛田くん、がんばって!』

『頑張るの当たり前』

『ぜんぶ、お前のせい。ちゃんと責任取れ』

『猛田くん、がんばってんじゃん、うるさい』


 ガチで頑張っている姿を見せることで、

 徐々にだが、ファンも声をあげだした。


 ……よし、同接が5億をこえた……

 できたら、もっと伸びて……最終の総再生数50億ぐらい行ってほしいんだが……


「猛田! もういい! 死ぬぞ!」


 ちょいちょいはさんでいく『俺の心配』という劇薬。


「うるせぇ! このままだと、俺の評判がやべぇんだよ!」


 叫びながら、なおも攻撃を続ける猛田。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アホの猛田がツボを割った、邪神が出た、いっぱい人が死にました、面白すぎます
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。