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これが


他の作品と共に、アイデアが飛び出てき次第投稿します。

一話短めのショートストーリー集です。




「女将ィ! こっちに生一丁!」


「おぬしこの間奥方にドヤされておったろうが! 知られたくなければ自重せよ!」


「ルナちゃん! この枝豆とシシャモお願い!」


「かしこまりー! ちょちょちょいっと準備してきますよー!」


「・・・すみません・・・会計お願いします」


「はぁい! ただ今参りますよー、っと・・・・・・あれ? 誰もいなくない?」


「ここって撮影しても大丈夫ですか? 料理とかお店の雰囲気を後で配信に載せたいんですけど・・・」


「大丈夫ですよ。迷惑行為とコチラが判断しない範囲でなら」



 現在、夜の帳がゆっくりと空を覆おうとしている頃。

木造の居酒屋『竜宮城』の中で、従業員である一家はあらゆるお客さんを相手に大忙しです。

お年寄りから子供まで、様々な人たちがやってきては交流していくご近所の憩いの場となっているこの場所は、地域にとってなくてはならない大変貴重な居場所となっていました。


 学校での出来事をお隣の席の老夫婦に話す年の離れた兄弟。

はじめて入ったのか物珍しそうに周りを眺める青年に、いい感じに酒が入って絡みに行っているお姉さん。

子育てや買い物の話で盛り上がっているご婦人たちの集まり。

その横で固まってワイワイはしゃいでいる子供たち。

ざっと軽く見渡すだけでも、これほど人の温かみを感じられる場所というのは世界中探してみてもかなり限られることでしょう。


 提供される料理の値段が駄菓子レベルで設定されているため家族みんなが腹いっぱい食べても2000円までいくのは珍しい、というほどの低価格絶品料理。

その種類も実に多岐にわたり、和洋折衷問わず何でも出てきます。

一応、初見さま用としてメニュー表を置いてありますが、書いてある内容はその人が今食べたいと考えた品からオススメを順に浮かび上がらせる、という巫山戯たものでした。


 ここにやって来るということは、食べたいメニューが何となく心の奥底で決まっている者が多く、メニュー表を開くだけで好きなメニューの、中にはまだ食べたことがないようなものでさえ表示されるわけですから、冒険してみたくなる人も多くいます。



「ロロちゃん、相変わらずキレイだねぇ! どうだい? 今夜こそあたしと一緒に夜の街へ───」


「旦那さまを誘惑する愚か者はそなたか駄エルフ」


「ルナちんお願い! またハグしてもらっていい? 今月締切やばくてもう限界なの!」


「ええー? 仕方ないな。よし! このルナちゃんが元気チャージしたげる! ミオ! カモン!」


「お姉ちゃん聞いてよ! いま幽霊に話しかけられちゃったかも!? どこ探してもそれっぽい人いないんだもん!」


「その人なら霊道を通ってさっき帰っていったから、もう大丈夫ですよ。お金もちゃんと払ってくれました」



 居酒屋であるためお酒を嗜む人たちもそれなりにいます。

中にはこのように、普段は恥ずかしくて中々頼み辛いようなことも、お酒の力を借りて口が滑らせる人もいました。

店主のロロ(褐色目隠れロリ)を口説くお姉さんを睨みつけるアオ(良妻ドラゴンロリ)

元気にお店中を駆け回るルナ(爆発ヤンチャガール)に泣きつくミオ(大食いギャル)

この混沌とした店内を回せているのは、この一家による連携プレイがあってこそです。


 ちなみに人類大好きな元魔王さまであらせられるアオですが、俗世に染まってすっかりと妻一筋の愛妻家となっています。

人類賛歌<ロロの形となった現在では、例え自分が認めた勇者であっても愛するロロに下心を出そうものなら、メンチを切りながら下から睨みつけてくるヤンキーのような顔つきで相手を覗き込んでくることでしょう。

これがルナやミオであっても同じヤクザムーブをかましてきますし、もしかしたら子煩悩も併発させた影響で凶悪な裏社会のドンですら一睨みでバタフライアウェイさせてしまうくらいのおもてなしも一緒についてくるお得仕様です。



「ミオちゃん! すまないけど写真撮ってくれないかい? まだ使い方覚えきれなくてね」


「おまかせあれ〜。このミオさんに任せればどんな被写体だって超美麗ホログラム並にキレイに撮っちゃうもんね! でも流石のミオさんでも大根で写真は撮れないかな〜。竹輪ならワンチャン」


「みてみて! これこのまえハクブツカンでカってもらったアルビオンぬいぐるみ! でっかいテレビでアオさんがキレイだったんだよ!」


「おお! そうかそうか! あれはなぁ、実はそこのミオが撮ってくれたのだ。そなたにそう言ってもらえるのなら、ミオも鼻が高いであろうな。どれ、ささやかな感謝を込めてそのぬいぐるみに我の力を分けてやろう」


「ルナさん! 好きです結婚して一緒の墓に入りませんか!」


「いろいろツッコミたい所が多すぎて本気かどうかが分からないんだけど!? まずは水を飲め!」


「オヤジ、ロックを一つくれ。この店の騒がしさにはそいつがよく合う」


「ありがとうございます。でも、胸をテーブルの上に乗っけないでください。争いの火種になります」



 今日も今日とて、個性的なお客さんたちが多くつめ寄せているため非常に賑やかな夜を過ごせています。

半裸で酒を飲むお姉さん、それを見て殺気立っている女性陣、イった目で告白してくるお兄さん、飲みすぎて視界が天元突破している老婦人、などなど。

中には純粋な子どものキラキラした光を浴びて灰になってしまった人もいたりするのかもしれませんが、仲間の手により慣れた手つきでゴミ箱に捨てられているので衛生面に問題はありません。


 しかし、この程度ではまだまだ余興といったところ。

ヒートアップした本番では、更に恐ろしいことが待ち受けているのです。

今日もついにその時がやってきて、一斉に店内がざわつきました。


 ガラッと開けられた入口に立つ一人の美少女。

その人物こそ、居酒屋だがしが本格稼働する合図を知らせるゴングだったのです!




作者の最古の作品はコチラだったりします。

まあ最初とだいぶ変わってますが。


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