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巳年に転生したらメデューサ令嬢になりました。それでも溺愛されているのですが皆様大丈夫ですか?

作者: 蒼真まこ

巳年に元旦に御馳走食べながら思いついた物語です。

気軽に読んでいただければ嬉しいです。

そこまで蛇っぽくないファンタジーですが、蛇なんて想像だけでイヤ!という方は念のためご注意を。

 転生したら、メデューサ令嬢になっていた。


「メリサ様、朝でございます。起きてくださいませ」


 メリサって誰よ? 私には芽衣子って純和風の名前があるんですけど? と思いながら起床して鏡を見たら、頭に無数の蛇がいる。波打つ黒髪かと思ったら、うごめく蛇だったのだ。蛇たちはわさわさと揺れながら、「あっ、起きた?」「おはよう」「今日もいい天気だよ」と言わんばかりの無垢な瞳で私をじっと見つめている。不覚にも、ちょっと可愛いと思ってしまった。


 えーっと。

 頭が蛇の女性って漫画とかアニメとかゲームの世界にいたよね。元ネタは神話だったと思う。昔読んだ漫画では、メデューサは主人公の親の敵で、ラスボス的な存在だったかな。ようするに典型的な悪役。まぁ、頭が蛇の女性では悪役以外にはなれないと思うけど。

 それよりもだ。

 なぜ私はメデューサになってるの?

 たしか巳年になったばかりの元旦だったはずだ。年の始まりだし、今日ぐらいは飲んだくれてもいいよねと思い、しこたまお酒を飲んだ。実に良い気分でお酒を飲みまくり、こたつでそのまま寝てしまった。

 目覚めたら頭が重い。痛いというよりも、ずっしりと重いのだ。

「メリサ様」という聞き慣れない名前を呼ばれて起きたら、頭に無数の蛇がいるメデューサになっていたのだ。頭に蛇がわんさかいたら、そりゃあ重いよね。うん、納得。

 ……って納得してる場合じゃない。問題はなぜ私がメデューサになっているかだ。

 小説や漫画でよく見る異世界転生ってやつかもしれない。今人気なのは乙女ゲーム世界の悪役令嬢になってしまうヒロインの話だっけ? 私も好きで、いろいろと読んだことがある。

 もしもこれが悪役令嬢ヒロインに転生する話だったとして。なぜメデューサなの? もしかして巳年だから? 巳年の元旦にお酒飲んで寝て、そのまま意識を失った私は悪役令嬢ならぬメデューサ令嬢になっていたと。そういうことかしら。

 いやいや、ちょっと待って。

 異世界の神様って、どんだけ適当なの? 百歩譲って、巳年の元旦に飲んだくれて意識を失い死んでしまったことは自業自得とあきらめるとしよう。でも巳年の元旦に転生したからメデューサ令嬢ってあんまりじゃないの? 悪役令嬢すっ飛ばして、バケモノ令嬢じゃないですか。異世界の神様って悪い冗談が好きなの?


「メリサ様、いかがされましたか? さきほどから鏡をご覧になったまま呟かれておりますけども。どこかご気分でも悪いのですか?」


 心配そうに声をかけてくるのは、メリサ付きのメイドのミラだ。頭が蛇という奇抜な姿の令嬢であっても、丁寧に世話してくれる貴重な人。もっともこの屋敷にはメイドはミラしかいないんだけど。あとは庭師と料理人がいるだけだ。

 転生して覚醒したばかりだけど、今の生活のことも頭の中に少し記憶がある。


「ミラ、私なら大丈夫よ。改めて自分の姿を確認して少し驚いただけ」

「頭に蛇さんを飼ってらっしゃることですか?」

  

 頭に蛇を飼ってる。

 うーん、ちょっと違う気もするけど、否定はしないでおくか。


「ええ、そうね。他のご令嬢は頭に蛇を飼っていらっしゃらないものね」


 この世界のことを全部知ってるわけではないけれど、少なくとも私と同じ姿をした人はいない。小説や漫画で読んだとおり、この世界のご令嬢や庶民のお嬢さんも、ごく普通の人間の姿をしている。頭に無数の蛇がにょろにょろしている女性はいないはずだ。


「わたくしは、お可愛いと思いますけどね」


 うん? ミラ、今なんて言ったの?

 「お可愛い」って言ったように思うけど、気のせいだよね?


「もしかしてミラ、『かわいい』って言った?」

「はい。お可愛いです」

「どこが?」


 何度も確認しているが、私は頭に蛇がわんさかいるメデューサだ。お世辞にも可愛い姿ではない。けれどメイドのミラは真顔で話しており、とても嘘を言ってるようには思えない。


「メリサ様の頭の蛇さんたちは、とても愛嬌がありますもの」

「愛嬌⋯⋯?」


 私の頭でうごめく蛇たちをじっと見つめる。すると、「あっ、お呼びですか?」と言わんばかりに蛇たちがうにょうにょと動き出した。

 横振れのダンスを始める蛇、体をくねらせてハートマークを作る蛇、キメポーズなのか体をめいっぱい伸ばして目を光らせドヤ顔する蛇、お互いの体をぐるぐると巻きつけ仲良しアピールをしている蛇二匹。さらに一番子ども思われる小さな蛇は、私の頬に体をすりつけてくる。蛇は好きでも嫌いでもないけれど、頭の蛇たちは飼い主?である私に愛着を感じでいることが伝わってくる。


「愛嬌というか。いろんな芸ができる蛇たちね」

「ですよね!? わたくし、メリサ様の蛇さんが可愛くて可愛くて。だからお世話係に立候補したんです。メリサ様の頭の蛇さんたちが見せてくれる芸、わたくしは楽しみで仕方ないんです!」


 息も荒く、自分の性癖を暴露するミラ。えっと。ミラってちょっと変わってる?

 いや、たんにヲタクなのかしら。蛇ヲタクって聞いたことないけど、蛇をペットとして可愛がる人は前世でも聞いたことがある。

 うっとりとした表情でミラは私の頭の蛇たちを見つめている。すると一匹の蛇がミラに向けてウィンクした。異世界の蛇って片目をつぶるウィンクができるんだ、器用だなぁと思っていたら、ミラの頬がみるみる赤くなっていく。


「メリサ様、今ご覧になりましたか? 蛇さんが、わ、わたくしにウィンクを⋯⋯!」

「そ、そうね。鏡を通して確認できたわ」

「ですよね? メリサ様の頭の蛇さんたちは本当にお可愛いです。わたくしメリサ様のお世話係になれて嬉しいですわ」

「ありがとう、ミラ」


 蛇好きミラが正常かどうかはともかくとして、私の世話や屋敷の雑用を精力的にこなしてくれるのは本当にありがたいもの。ミラがいなかったら、私はこの異世界で生活していけないだろう。


「あら、もうこんな時間。メリサ様、朝食のお時間ですわ。着替えて食堂にまいりましょう」


 時間を確認したことで冷静になったのか、ミラは真顔に戻り、テキパキと私の着替えやメイクを施していく。合間に私の頭の蛇を撫でるのも忘れない。


「できあがりました。メリサ様、今日もお美しいですわ」


 身支度が整った姿で鏡を見ると、メリサは美しい顔立ちをしていた。肌は色白できめ細かく、瞳はルビーの宝石のように赤くきらめいている。手足が長くて胸は豊か、腰はきゅっと細い。プロポーション抜群、モデルとして活躍できそうな美しさだ。まぁ、頭が蛇のメデューサ令嬢ではモデルになれるわけないんだけど。 

 ミラと共に食堂へ入ると、大きなダイニングテーブルに用意されているのは私のための食事だけ。共に食べる人は誰もいない。テーブルが大きいせいか、やけにポツンと感じられる。


「メリサ様、どうぞ召し上がってください」

「ありがとう、ミラ」


 ミラに給仕してもらいながら、朝食をいただく。パンはふんわりとしていて美味しいし、野菜スープも雑穀が入っているのか食べ応えがあっていい。食後にとフルーツと紅茶を出してくれたのも嬉しい。食事には何の不満もないけれど、広い食堂でひとりぼっちで食事をするのは、ちょっと抵抗がある。前世でも一人で食事することはよくあったけど、こんなに寂しく感じなかったのにな。せめてもっと小さな部屋とテーブルであってくれたら良かったんだけど。


「メリサ様、お紅茶のおかわりはいかがですか?」


 気を利かせてくれたのか、ミラが私に紅茶を勧めてくれた。


「ありがとう。いただくわ」

「はい」


 ミラが入れてくれる琥珀色の紅茶を眺めながら、メリサの家庭や生活環境のことをさりげなく聞いてみる。ある程度は記憶があるけれど、全部憶えているわけではないみたいだ。


「ミラ、お父様はお元気かしら」

「はい。わたくしも詳しくは聞いておりませんが、王宮のパーティーによく出席されているようです」


 気配り上手のミラのことだ。私が悲しい思いをしないように、あえて詳しく話さないようだ。


「王宮のパーティーね。ということは義妹のレイラを王族に嫁がせたいとお思いなのかしら」

「わたくしは存じませんけど、レイラ様をよくお連れになっているようですよ」


 ミラと話しながら、メリサの家庭環境のことを徐々に思い出してきた。

 私の母は、私を産むと同時に天に召された。残されたのがメデューサである私だ。

 母は深窓の令嬢だったのだが、魔物の瘴気を体内に吸収しやすい体質だったようだ。王国にただよう魔物の瘴気を知らず知らず体内にため込み、結果生まれたのが私だったという。父は母が魔物と通じ、不義の子を産んだのだと勘違いしたようだが、教会が正式に母の潔白を証明してくれたため、母の名誉だけは守られたのだ。

 だが父は、メデューサの私が侯爵である父の実子であると認めたくなかったようだ。生まれて間もなく私を僻地にある別荘に送り込んだ。以降、ほとんど会ったことがない。ミラから聞いた話では、私を追い出してすぐに父は別の女性と再婚し、愛らしい娘レイラも生まれたそうだ。

 父は、「レイラはわたしの可愛い一人娘」と日頃から言っているらしいので、私を娘と認めてないのは明白だ。メリサの記憶には、父の顔がまったくと言っていいほど残っていない。父は名前だけの存在だと、メリサ自身もあきらめていたのだと思う。

 頭に蛇がうごめいているメデューサ娘を可愛がってくれる父親は、世の中にそうはいないと思う。誰もがミラのような蛇好きとは限らない。その辺は理解できなくもないが、さすがに実娘への扱いが酷すぎるのではないだろうか。父は侯爵だというし、身分の高い人は実子もあっさり見捨てるのだと思うしかないのかもしれない。


「でも王家は国内に現れ始めた魔物に怯えているそうですから、レイラ様のご縁談がまとまるのか、わかりませんけどね」

「魔物は姿を見せ始めているの? 以前は瘴気だけだったと聞いているけれど」

「はい。瘴気が国内にただよっていた頃に、なんらかの対処をしておけば良かったと嘆いておられるそうです」


 魔物は本来そう多くはない存在なのだが、数百年ごとに大量発生する時期があるという。大量発生の予兆が人が暮らす場所にもただよう魔物の瘴気なのだが、国は深刻に捉えていなかったらしい。結果、大量発生し始めた魔物が国内にも現れ始め、王宮を中心とした都は対策に追われているというわけだ。


「では王宮でパーティーを開催している場合ではないのではないかしら?」

「わたくしもメリサ様と同じように思います。王家の方々のお考えは、わたくしのような下々の者にはわかりかねますけれど」


 何か目的があってパーティーを開催しているのかもしれないが、魔物と必死に戦っているであろう兵士たちを王宮のパーティーの警備にと、さらにこき使っていいことはないように思う。


「ミラ、この辺りにはまだ魔物は現れてないの?」

「はい。念のため用心しておりますが、今のところそういった報告は届いておりません」

「もしも魔物が現れた場合、どうすればいいのかしら」

「戦うか、逃げるかだと聞いてます」


 戦う力がないなら、逃げるしか方法はない。

 でも私、メデューサなのに何もできないのかな。たしか神話の中のメデューサには、すごい力があったような……。うーん、思い出せない。なんだったかなぁ?


「メリサ様、お考え中に申し訳ございませんが、頭の蛇さんたちにもお食事をさしあげてもよろしいですか?」

「え? この子たち、食事摂れるの?」


 意外だった。にょろにょろ生きてる蛇とはいえ、私の頭にいるし、てっきり食事なんていらないかと思っていた。

 

「はい。大好物がこざいますよ」

「大好物って、なに?」

「はい。こちらでございます」


 ミラは足元に置いていた木製の桶を抱えると、私に見せてくれた。中には赤い液体が、たぷたぷと揺れている。かぐわしい香りに懐かしさを感じた。だってそれは、前世の私が大好きなものだったから。


「これって、赤ワイン?」

「はい♪」

「赤ワインを、蛇たちが飲むの?」

「はい。とても喜んで飲まれますよ」


 気づけば、頭の蛇たちがじーっと赤ワインの桶を見つめている。中にはよだれを垂れ流している奴までいる。早く欲しくてたまらない様子だ。お酒が好きな蛇って、他の神話でも聞いたことある気がするけど、酒好き蛇って世界共通認識なのかしら。


「さしあげてもよろしいですか? メリサ様がお許しにならないと、蛇さんたちはワインを飲まれませんし」


 飼い主である私の許可を得ないと、蛇たちは好物のワインを飲まないなんて。私には忠実らしい。


「いいわ。蛇たちに赤ワインを飲ませてくれる?」

「はい、メリサ様」


 にっこりと微笑んだミラは赤ワインの桶を蛇たちに差し出す。すると待ってましたとばかりに、頭の蛇たちが一斉に桶に体をつっこみ、ごくごくと赤ワインを飲み干していく。あまりに美味しそうに蛇たちが赤ワインを飲んでいるものだから、私まで飲みたくなってしまった。


「よろしければメリサ様も赤ワインをお飲みになりますか? こちらのワインは近隣の村で作られておりまして、とても質の良いワインですし」


 ミラが気を利かせてくれたのは嬉しい。正直言って私も飲みたい。

 でも巳年の元旦に飲んだくれたことで転生してメデューサ令嬢になってしまったのだから、さすがに自重したい。


「私はいらないわ、ミラ。かわりにたっぷりと蛇たちに飲ませてやって」

「かしこまりました」


 ミラがさらにおかわりの赤ワイン桶をもってきてくれたので、蛇たちは心ゆくまで赤ワインを堪能したようだ。ワインをたらふく飲んだことで、すっかりご機嫌になったのか、蛇たちはにょろにょろと謎のダンスを一斉に踊っている。


「メリサ様、蛇さんたちがダンスしてますわ。お可愛いですねぇ」


 ミラが手鏡を用意してくれたので、頭の蛇たちのダンスをこの目で見ることができた。お酒を飲んで、ご機嫌で踊ってる姿はちょっと人間みたいで、確かにちょっと可愛いかも。私がメデューサであることはもう変えられない事実みたいだし、頭の蛇たちとも仲良くしていけるといいな。

 蛇のダンスをミラと共に楽しく眺めていた時だった。


「メリサ様、大変でございます! 魔物が近隣の村に現れました!」


 青い顔で飛び込んできたのは、庭師のルドルフだ。庭師だけど屋敷周辺の掃除も担当してもらってる。ミラ同様に働き者で、気の優しいおじさんだ。


「メリサ様、逃げましょう!」

「逃げるってどこへ?」


  私が聞くと、ルドルフが答えてくれた。

 

『お屋敷には地下がございます。万が一のため、備蓄食料なども保存してありますので、そちらへ避難いたしましょう」

「メリサ様のお着替えや毛布はわたくしが入れておきました」


 ミラも、ルドルフも、この時のために準備してくれていたのだ。なんて主思いで、有能な人たちだろう。


「待って。地下には近隣に住む村人たちは地下に連れてこれそう?」


 私が確認すると、ミラとルドルフは視線を合わせ、共に気まずそうな表情を見せた。

 

「当屋敷の地下は備蓄用に作られたものです。それほど広さがありませんので、村人全員を連れてくるのは無理かと……」


 ルドルフが申し訳なさそうに答えた。ルドルフが建てた屋敷でもないのに、責任を感じているようだ。


「じゃあ、村人たちに魔物と戦う力はある? 逃げられる場所は用意されているの?」


 ミラとルドルフは無言で首を振った。蛇たちが喜んで飲んでいた赤ワインは近隣の村で作られたものだとミラが言っていた。ということは、ごく普通のブドウ農家が多いのだろう。そんな彼らに戦う力があるとは思えない。逃げこめる場所には出荷用のワインが貯蔵されているだろうし、魔物に荒らされたら村人たちはきっと生活していけなくなってしまう。


「村人を助けなきゃ!」


 思わず叫んでしまった。何か策があるわけでもないのに、見捨てたくないと思ってしまったのだ。だってワインを作るのって大変なんだよ? 時間も手間もかかる。前世の世界のように機械が導入されていれば少し楽だけど、中世ヨーロッパ風異世界には便利な機械があるとは思えない。おそらくすべて手作業でワインを作っている。質の良いワインを作ってくれるブドウ農家さんを救わなければ! 頭の蛇たちの好物を守るためにも。


「私、行くわ。ミラとルドルフはここで待っていて」


 ミラとルドルフが止めるよりも先に、私は走り出していた。自分自身が危険かどうかよりも、ブドウ農家と良いワインを作ってくれる村人を守らなくては、という思いで頭がいっぱいだった。

 私はメデューサに転生してしまったし、生きていてもこの先良い事があるとは思えない。だったらせめて、前世の私と頭の蛇たちが大好きな赤ワインを守って死にたい。私にどこまで村人を救う力があるのかわからないけれど、やれるところまでやってみよう。魔物に攻撃されて、赤ワインの樽に頭を突っ込んで死ぬなら、私も頭の蛇たちも本望というものだ。

 無我夢中で走っていると、巨大な黒い狼のような魔物に追いかけられている村人を発見した。小さな子どもを抱きながら逃げているお母さんもいて、母子を喰わんと魔物が大きな口を開けている。魔物に怯えて泣いている子どもの泣き声に引き寄せられているのだろう、母子のすぐ後ろにまで魔物は迫っていた。


「やめなさいっ!」


 咄嗟に私が叫ぶと、母子を襲おうとしていた魔物の足がぴたりと止まった。


「グオゥ??」


 どうやら魔物は私の姿に戸惑っているらしい。そりゃあそうだよね。頭に無数の蛇がいるメデューサなんだもの。魔物から見ても私はバケモノなんだと思うとショックだけど、今はそんなこと考えてる場合じゃない。お母さんと子どもを助けないと。


「ひぃ! あ、頭が蛇! お、お助けを~」


 私がバケモノに見えるのは魔物だけではなかったようで、子どもを抱いたお母さんまでガタガタと震えている。


「怯えてる場合じゃないわ。あなたは子どもを守りたいんでしょう? ここは私に任せて早く逃げなさいっ!」

「あ、あなた様は……?」

「そんなことは後でいいから早く逃げて!」


 私の姿に驚いているのか、口をぽかんと開けた子どもを抱え、お母さんは逃げていく。良かった。怪我もないみたいだし、きっと大丈夫だろう。


「グオオオ!」


 獲物に逃げられたことで正気に戻ったのか、魔物が怒りに震えている。代わりにおまえを喰ってやる! と言わんばかりに大きな口を開いて襲ってきた。

 本気で怒った魔物、超怖いっ! そういえば私、どうやって魔物と戦うのか何も考えてなかった気がする……ということは、このまま魔物にぱくりと喰われて終わりってこと? せっかく母子を守ったのに、そんな惨めな死に方あんまりだ。前世で飲んだくれて死亡しメデューサ令嬢に転生、今世では魔物のエサってどうなの? この世界の神様、酷すぎる。私がメデューサだというなら、せめてバケモノらしい力を発揮させろっていうのよ。

 バケモノらしい力……? そうだ、神話のメデューサにはすごい力があったんだ! なんで忘れてたのよ、私。すごく大事なことじゃないの。

 メデューサの能力をようやく思い出した私は、魔物を強く睨みつける。私の目がどんどん熱くなっていき、ルビー色の瞳からビームのような赤い光が発射された。同時に頭の蛇たちも、一斉に狼魔物に向かって目を赤く光らせる。するとどうだろう。巨大な黒い狼がみるみる石へと変わっていく。あっという間に、魔物のオブジェの完成だ。

 メデューサがもつ固有の力。それは石化能力だ。見た者を恐怖で石のように硬直させてしまうとも言われているけど、ミラやルドルフ、さっきの母子が石になってないことを考えると、私は自分が望んだものだけを石に変えられる力があるらしい。これなら魔物と十分戦えるし、村人を救ってあげられるはずだ。

 気づけばあちこちから、村人の叫び声が響いている。きっと魔物に襲われているんだろう。


「待ってて、今助けるわ!」


 メデューサとしての力に目覚めた私は、村を襲った魔物を次々に石へと変えていく。目から赤いビームが発射されて魔物を石化する姿はまさにバケモノで、人々を守るヒーローにはほど遠い。もはやご令嬢の欠片もない姿だ。でも今はそんなこと、どうでもいい。人を魔物から救う能力があるなら使うべきだ。村人を守れば、また良質なワインを作ってもらえるしね!


「ふぅ。魔物はすべて石にできたようね」


 村中を駆けまわったおかげで体はクタクタだけど、困っている人たちを助けられたことが嬉しかった。

 村人たちは突然現れて魔物を次々と石化した私を味方と思っていいのか、それとも敵なのか判断できないようで、武器代わりと思われる農具を手に遠巻きに私を見つめている。プルプルと震えている女性もいた。

 私、メデューサだもんね。仕方ないよ。見た目の恐ろしさは魔物と変わらないと思うし。とりあえず村人に危害を加えたりしないことだけは、わかってもらえると嬉しいな。


「あの〜魔物を石に変えた私が言うのも何ですけど、私、怖くないですよ? 見てのとおり、頭に蛇がいるんですけどね。この子たちはあなた方が作る赤ワイン、大好きなんです。ワインを作られてる皆さんを守りたかったんです。あっ、自己紹介が遅れましたけど、私はメリサです。あちらの屋敷に暮らしている者です。一応父は侯爵です、はい」


 釈明なのか、自己紹介なのか、わけのわからない説明をたとたどしく伝えてみたけれど、村人たちは警戒心を解こうとしない。武器代わりの農具を構えたままだ。

 うーん、どうしたら害はないとわかってもらえるんだろう? メデューサの私が人を救うなんて、おこがましい行為だったんだろうか。

 何を伝えればいいのかわからず、頭を抱えていた時だった。

 

「お姉ちゃん!」


  小さな男の子が私に向かって駆けてくる。あの子、なんか見たことあるような。子どものすぐ後ろにお母さんらしき人がついてくるのを確認して、ようやく思い出した。最初に助けた母子だ。

 小さな男の子は私に向かって叫ぶ。


「お姉ちゃん、目からしゅびーん! って赤い光がでたよね。あれで怖い魔物やっつけてくれたんでしょ? すごくかっこよかった!」


 かっこいい⋯⋯? メデューサの私が?

 てっきりバケモノと罵倒されるかと思ったのに。男の子は目をきらきらと輝かせながら、私を眩しそうに見つめている。

 無垢な子どもから見た私は、ヒーローに見えたのかな。頭が蛇のメデューサ令嬢であっても、村人とブドウ農家を守りたいという思いだけは子どもに伝わったのかもしれない。もしもそうなら、すごく嬉しい。


「あの、さきほどは助けていただきありがとうございました。あなた様のおかけで、魔物からこの子を守ることができました。息子もお礼を伝えたいと申しております」

 

 小さな男の子のお母さんも、私に感謝の言葉を伝えてくれた。


「息子さんもあなたも、怪我はないですか?」

「はい、おかげさまで。ですがあなた様と同じく、助けにきてくださった騎士様が魔物と戦って怪我をされてしまいまして⋯⋯。この村には治せる者がおりませんし、どうしたらいいのかと相談しております」


 助けにきてくださった騎士様? 私と同じように、この村を守ろうとしていた人がいたのね。怪我が酷くないといいんだけど。

 互いの健闘を称えたくて、負傷した騎士の様子を見に行った。すると騎士は想像以上に重症の様で、どくどくと血が流れている。身分の高さを感じさせる甲冑や剣も血と泥にまみれている。

 これってかなりヤバイ状態なんじゃ⋯⋯。

 なんとか助けてあげたいけど、止血するぐらいしか私にはできそうなことはない。

 せめて私が前世で看護師とか医師だったら救ってあげられたのに。あるいは異世界召喚や異世界転生ヒロインによくある、見た目は平凡だけど実は聖女様でした〜っていう設定であれば、回復魔法とかで治してあげられたんだけどなぁ。


「たしか、こんなふうに言ってたよね?」


 たくさん読んできた聖女ヒロインの物語やゲームを思い出しながら、騎士に向けて手をかざす。ほんのわずかでもいいから、怪我した騎士を助けてあげることができたら。祈るような気持ちで手に力をこめる。


「ヒール」


 私が唱えると、手から温かな光があふれ出した。目から発射された赤いビーム光線とは違う、すべてを優しくつつみこむ春の陽ざしのような、やわらかな光だった。

 すると驚いたことに、光につつまれた騎士の怪我がみるみる治っていったのだ。

 ええっ! ど、どういうこと??


「おおっ! 奇跡だ……」

「すごい⋯⋯神様みたい……」


 いやいや、神様じゃなくて、頭が蛇のメデューサですから。

 というか、これっていったいどういうこと? 私はメデューサに転生させられて、魔物を石に変える力をもつバケモノ令嬢だったんじゃないの? 癒しの回復魔法まで使えるって、こんなのまるで……


「聖女よ……」


 そう、聖女。漫画やラノベでたくさん読んできた聖女みたいだよ。メデューサなのに聖女って、どんだけ適当設定、いや、チートな能力なの? バケモノ系令嬢なのか、清らかな聖女系令嬢なのか、統一した設定にしろってのよ。当事者が混乱するじゃない。


「聖女よ、ようやく見つけたぞ。こんなところにいたとは。どれだけ城でパーティーをしても、わからなかったはずだ」


 考えこむ私に、誰かが熱心に語りかけてくる。

 だれよ? 今私はね、異世界の神様とやらに言ってやりたいことがありすぎて、怒ってるんですからね。それに城でいくらパーティーを開催しても、のこのこと聖女様がダンスを踊りにくるわけないでしょ。少し考えればわかることじゃないの?


「聖女よ、俺のほうを見てもらえないだろうか」


 大きな手が私の腕にそっと触れた。驚いて顔をあげると、まばゆい金色の髪のイケメンが、青い瞳をきらきらと輝かせながら私を見つめている。

 だれ? と思ったら、さっきまで大怪我でうんうん唸っていた騎士様じゃないの。血にまみれていたからわからなかったけど、こんなにも美形だったのね。


「ようやく俺を見てくれたな。まずは礼を言わせてくれ。聖女よ、怪我を治してくれてありがとう」

「いえ、たいしたことはしておりませんし」


 手をかざして、「ヒール」って唱えただけだしね。体は少し疲れてるけど、魔物を石に変えた後だから仕方ないと思う。


「聖女よ、名前を教えてくれないだろうか」

「私の名前はメリサです。あの、私は聖女なんかじゃないですよ。見てのとおり、頭髪が蛇のメデューサですから」

「だが村を魔物から救い、俺の怪我まで治してくれたではないか。そんなことができるのは聖女だけだ」

「聖女って、もっと美しい人のことを言うんですよ。私ではないです」

「なにを言う? メリサ、あなたは美しいではないか」


 うん? この人、今なんて言った?


「美しいって誰がですか?」

「だから、あなただよ、メリサ。あなたはこんなにも美しい」

「私のこと、ちゃんとご覧になってください。私の頭を特に。蛇がわんさかいて、うにょうにょしてるでしょ? こんな私が、美しいわけないじゃないですか」


 頭を押し付けるようにして、騎士様に頭の蛇たちを見てもらう。頭の蛇たちは愛想も良くて可愛いとは思うけれど、それでも女性の頭にいていい存在ではないと思う。


「たしかに個性的な髪型ではあるね」


 ものは言いようですね。メデューサヘアを前にして、個性的な髪型と言い切るとは、たいしたものでございますよ。お上品な言い方に、尊敬してしまうぐらいです。


「個性的ヘアかどうかはともかくとして、私は見てのとおりのバケモノ令嬢ですから、聖女と呼ぶのはやめてください。本物の聖女様が気を悪くされますよ」


 悪役令嬢といわれるご令嬢は実はいい人で、本物の悪女は聖女様でした~って話も人気だから、聖女が良い人とは限らないかもしれない。でもどんな聖女であっても、みな美しい人ばかりだ。私みたいにメデューサ令嬢はいないと思う。


「たしかに頭に蛇を飼ってる聖女はいないかもしれないね。だが俺はあなたの頭の蛇たちも、メリサも美しいと思うよ。龍を守護神とする我が国にふさわしい聖女様だ。知ってるかい? 蛇は龍の化身と言われているんだよ。我が王家の御先祖の姫君は龍に嫁いで子どもとなる蛇を産み落とし、その子らは成長して龍となったという伝説だってある。俺が蛇を可愛く思うのは、御先祖の血によるものだと思う。だからメリサ、あなたは我が国の聖女にふさわしい人だ」


 なるほど、だからイケメン騎士様はメデューサの私をバケモノ扱いしないのかな。私が聖女とは今も思えないけれど、蛇を龍の化身として大切に思っていることはわかった気がする。

 ところでこの騎士様、さっきから「我が国」とか「我が御先祖」とか言ってるけど、何者なんだろう? 実は高貴な人だとか?


「あの、ところであなた様のお名前は? どこの騎士団に所属されている方でしょう?」

「これは失礼した。俺の名前はリカルド。我がヘルディナ王国の第二王子だ。魔物と戦うために騎士団を率いている。俺が大好きな赤ワインを作っているブドウ農家の村が魔物に襲われていると聞いて、いてもたってもいられず駆けつけてしまった。村人を守り切れず怪我をしてしまったが、おかげであなたに会うことができた。これぞ神様のお導きだろう」


 お、王子様? このイケメン騎士、じゃなくて、金髪美形さんは王子様なの? そんなことってあるの?


「聖女メリサよ。どうかお願いだ。俺と共に魔物と戦ってくれないだろうか?」

「王子様、ですから私は聖女じゃないです。勘違いなさってますよ」

「数百年に一度、魔物が大量発生すると同時に、魔物から人々を守るために聖女が神から遣わされると言われてる。時期的にも合っているよ」

「でも私はこんな見た目ですし、メデューサですし」

「メリサ、君は見た目で人の価値を決めるのかい? 容姿が優れているものだけが、世界の中心にいるわけじゃない。心の美しさこそ、もっとも大切なことだ」


 人は見た目じゃないとイケメン王子様が言われても、やや説得力に欠ける気もする。でも王子様がいう心の美しさが大事だということは、私もわかる気がした。


「だからメリサ、たった一人で魔物に立ち向かい、村人と俺を救ったあなたは、だれより美しい」


 お世辞ではなく、リカルド王子様は本気で私を美しいと思ってくれているんだ。

 メデューサになった私を「美しい」と称えてくれる人がいるなんて……


「メリサ、泣いているの?」

「えっ?」


 リカルド王子様に言われて気づいた。私の目から、涙がこぼれ落ちていることを。私を心配しているのか、頭の蛇たちは私の頬に体をすりつけてくる。

 

「やだ、私、泣くつもりなんてなかったのに……」


 巳年の元旦に飲んだくれて異世界に転生してしまったけれど、転生後はバケモノと呼ぶにふさわしいメデューサ令嬢で。こんな姿で幸せになれるわけないと覚悟していた。だから魔物と戦って死んでも悔いはないと思ったのだ。それなのに私のことを美しいっていう変わりものな王子様がいる。なにも良いことはないと思った世界にも希望はあったんだ……。


「わ、私、メデューサ令嬢ですけど、聖女って言うのもおこがましいですけど、がんばってみます……」


 リカルド王子様の言葉が嬉しくて、泣きじゃくりながら言ってしまった。聖女として頑張ってみると。メデューサで、バケモノ令嬢の私が人の役に立つのなら、こんなに嬉しいことはないもの。


「ありがとう、メリサ! そう言ってくれると思っていたよ」


 満面の笑みを浮かべたリカルド王子は、よほど嬉しかったのか、強引に私を抱きしめた。

 

 わわっ! 私、王子様に抱かれてるよ! こ、こういうときはどんな反応すればいいの? ってか、この方意外と筋肉あるのね。力が強くて逃げられないよ。


「王子様、く、苦しいです……」


 それしか言えなかった。だって金髪イケメンに抱かれることなんて、私の人生、前世も含めて一度もなかったんだから。しかも私を抱いているのは、この国の王子様なんだよ?


「申し訳ない! つい嬉しくて。体は大丈夫かい?」

「はい。大丈夫です」

「良かった。ではメリサ、俺と共に魔物と戦い、傷ついた者を回復魔法で治してくれるかい?」 

「はい、私でよろしければ」

「ありがとう! メリサ」


 こうして私は、リカルド王子様と共に魔物と戦うこととなった。

 戦うと言っても、私の石化ビームは強力で、魔物を次々に石像へと変えていく。私の力に怯えた魔物たちは逃げまとい、ついに魔物はほとんど姿を見せることはなくなった。魔物に襲われて怪我を負った人は回復魔法で治していく。すると皆が私に、「ありがとうございます、聖女様」と言ってくれるようになった。頭が蛇のメデューサ令嬢でも、国中の人々に感謝されるのは嬉しいものだ。

 そうこうするうちに驚くほど早く、魔物との戦いは終わってしまった。

 お役御免となった私は、元々暮らしていた屋敷へと帰っていった。私の帰りを待っていたミラやルドルフたちと暮らす生活へと戻ったのだ。

 リカルド王子様とは、もう会うことはないだろう。彼は次の国王となるらしい。国王にふさわしいお妃様を娶って、立派に国を治めていかれる方だと思う。元々遠い世界の方だったんだもの、仕方ないよね。

 

 ……と思っていたのだが。

 なぜだがリカルド王子様は、私が暮らす屋敷で今日も紅茶を飲んでいる。

 魔物退治が終わっても、リカルド王子様は私に会いたいとわざわざ来られるのだ。

 どうして私なんかに会いたいんだろう? 頭が蛇のメデューサ令嬢なのに。


「ミラ、あなたが入れる紅茶は美味しいね」

「ありがとうございます、リカルド王子様。よろしければお菓子もどうぞ」

「ありがとう、いただくよ。メリサも一緒に食べよう」


 ミラもすっかり慣れてしまったようで、王子様が好むお菓子まできちんと準備している。


「ところでミラ、今日もメリサの頭の蛇たちは可愛いと思わないかい?」

「王子様もそう思われますか? わたくしは目元が特にお可愛いと思うんです! にょろにょろ感も素敵ですけど」

「うん。俺もそう思うよ」


 リカルド王子様は御先祖が龍に嫁いだことで蛇にも愛着があるらしいが、ミラは王室関係者というわけではなく、蛇好きはただの性癖だったようだ。それでも二人は仲良く私の頭の蛇の可愛さを語っている。私にはちょっとついていけない感覚だ。


「リカルド王子様、お忙しいのにいいのですか? こんなところで時間を潰していて」

「時間を潰してなどいないさ。俺はあなたに会いにきてるんだから」

「なぜ私に会いたいのですか?」

「なぜって。メリサ、それ、本気で言ってるのかい?」

「はい。だって私はメデューサ令嬢なんですよ? バケモノに会いたい奇特な人なんているわけないです」

「それがいるんだな、ここに。メリサに会いたくてたまらない男がね」

「私の頭の蛇を眺めるために、ですか?」

「それもあるけどね、それが目的じゃないよ、メリサ」

「では何が目的なんでしょう?」

「うーん、それはね。まぁ、おいおい教えていくとしよう。メリサはなかなか頑固で、少々鈍いところもあるようだから、ゆっくり伝えていくよ」


 どうやら王子様は私にいろいろと教えてくれるつもりらしい。それが何なのか私にはわからないけれど、美しいリカルド王子様を眺めるのは眼福だし、話していると楽しい。これからも会えるなら、嬉しいなって思う。

 巳年の元旦に飲んだくれてメデューサ令嬢に転生してしまったことで、異世界の神様を恨んだこともあったけれど、今の生活は意外と悪くない。神様を悪く言ったことを詫びたいぐらいだ。髪型が個性的すぎることは、今でも文句を言ってやりたいけれど。


 メデューサ令嬢として転生した私が、メデューサ聖女として人々に慕われる異世界ってとても不思議だけど、時にはこんな変な幸せもあってもいいよね、きっと。ねぇ、神様?


   了


 


 

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