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8話 外は危険がいっぱい

8話 外は危険がいっぱい


「いやぁ~、このアニメいいな、こんな可愛い子と近くにいないかな」


思い当たる人物が一人、大食いなところを除けば、めちゃくちゃ可愛い人がいたな、そういえば。あと腹黒いところも。世の中に完璧な人なんていない、ということを身を張って教えてくれている。


「お兄ちゃん、せっかくのゴールデンウイークなのに家でアニメ?」


「ゴールデンウイークだからこそ‥‥‥だろ」


せっかくのゴールデンウイークだし、溜まってたアニメを見ているのだ。なけなしのお小遣いで契約しているbアニメストアだ。最近水瀬のことでいろいろあったし、ゆっくりしたい気分なのだ。


家でゆっくりアニメを見る、これに勝る娯楽はない。家は最高なのだ。


「家に引きこもってばっかりじゃ、ダメ人間になっちゃうよ」


「外はほら‥‥‥危険がいっぱいだろ?、‥‥‥紫外線とか」


「もっとマシな言い訳しなよ‥‥‥ほらこの前買い物付き合ってくれるって言ってたじゃん」


「日曜も出かけるし、今日も外出したら体力が持たないんだよ」


「へえ、誰と出かけるの?、珍しいね」


まるで友達がいないみたいな言い方だな。お兄ちゃん彼女もいるんだぞ‥‥‥偽物だけど。


「そうそう、友達だよ」


「ふ~ん、まぁ、いいから付き合ってよ」


そう言って、テレビに接続していたコードを引き抜いてくる麗奈。なんて力技だ。これは未来の旦那様は大変だろう。まぁ、麗奈にはまだそういうのは早い。まずは俺に挨拶に来させてからがスタートだけどな。


「麗奈‥‥‥、彼氏とかまだいないよな?」


「うん、いないけど‥‥‥、急にどうしたの」


「いや、なんでもない」


◇◇◆◇◇


ということで、麗奈と一緒にショッピングモールにやって来た。


「お兄ちゃん、私あそこのショップ見てくるから。そこのベンチにでも座ってて」


「うい、座っとくよ」


道の真ん中のベンチに腰掛ける。隣にも買い物の付き添いで疲れ果てたのであろう、男たちが座っていた。うんうん、その気持ち良くわかるよ。


ゆっくりスマホを触っていると、見覚えのある人物が視界に入ってきた。まずい、ここは息を殺して‥‥‥。


「あら、牧野君じゃない」


秒でバレてしまった。仕方ないな。


「おお、奇遇だねこんなところで」


隣には水瀬さんと同じくらいの美人の方がいる。水瀬さんに負けず劣らずの‥‥‥、よく見たら顔が似てるような‥‥‥。


「こんにちわ、杏葉の姉の水瀬明里(あかり)よ、妹の友達かしら?」


「そうで‥‥‥」


そう言いかけたその時、水瀬さんが割り込んできた。


「私の、彼氏よ」


「あら!、そうなの。そうなら初めからそういってよね~。私のことは明里さんで大丈夫よ。それともお姉ちゃんって呼んでもいいわよ~?」


なかなかパンチのあるお姉さんだな。水瀬さんとはまた違うタイプだ。それにしてもお姉さんもすごく美人だ。なんというか、大人の余裕というか‥‥‥。


「ん?、君どっかで見たことある気がするわ」


「俺がですか?」


今日が初めましてなはずだけど‥‥‥。


「あっ、なるほどね‥‥‥、そういうことね‥‥‥」


といい、水瀬さんの方を見る明里さん。


「ちょっと!、お姉ちゃんは黙っててよ」


なにか慌てた様子の水瀬さん。バタバタしてて可愛いな。


「分かったって。お姉ちゃんだまっとくからさ」


「どうかしたんですか?」


「いや、なんでもないわ、彼氏君。お近づきの印にはいっ、これ」


RINEのQRコードを見せてくる、明里さん。


「なにしてるの!、お姉ちゃん」


「いやただお友達になりたいだけよ、大事な妹の初彼氏なんだし」


「いやっ、そういうのは言わなくていいのよ」


なるほど、姉妹の力関係は姉の方が強いらしい。水瀬さんの上を行くなんて、要注意だな。


「これが彼氏君のRINEね‥‥‥、牧野けいた、ね‥‥‥」


「ん、やっぱりどうかしたんですか?」


するとまた、水瀬さんが割り込んでくる。


「牧野くんは気にしないで!、お姉ちゃんは先行ってて」


「ふふっ、面白いこともあるものね。じゃ、お姉ちゃんは先行っとくね~」


と言い残し、先に行ってしまった。なるほど、なかなかの強敵であることは分かった。ラスボス(妹)の裏に、真の裏ボス(姉)がいたと分かった時みたいな感じだ。


◇◇◆◇◇


「それで、今日牧野君はなにしてるの?、人間観察かしら?」


俺はそんなに暇人ではないぞ。それに俺にそんな変わった趣味はないぞ。俺はいたってノーマルだ。


「な訳ないでしょ‥‥‥、妹の付き添いだよ」


「あぁ、麗奈ちゃんね」


「ん?、妹の話したことあったっけ?」


「あっ、その、してたわこの前ね」


あれ、麗奈の事話したっけ?、まぁ、知っているということは俺が喋ったのだろう。


「日曜日は駅前に8時に集合よ、遅れないでね」


「あぁ、わかってるよ」


「遅れたら、一日分の食費をおごってもらうから」


それは一大事だな。そんなことしたら、俺の小遣いが一瞬で底をつきてしまうぞ。このブラックホール胃袋に飲み込まれてしまう。


「えっ、その人‥‥‥」


後ろから驚いたような声が聞こえてきた。


「お兄ちゃん‥‥‥なにしてるの?」


麗奈だ。まさかこんなところで麗奈と水瀬さんが鉢合わせることになるだなんて。


最悪だ、混ぜるな危険だ。

【まずは、この作品を読んで頂きありがとうございます!】


 「面白かった!」


 「続きを読みたい!」


 「この後どうなるのっ‥‥‥?」


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