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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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58話 結論から言おう

58話 結論から言おう


「なんかお前呪われてんじゃね?」


「そうかもな‥‥‥」


「まあ元気だせよ」


「ありがとな‥‥‥」


俺は今病院のとある一室に居る。


結論から言おう。


俺は足やら腕やらを負傷する全治2週間程の重傷を負ったのである。俺の高校一年の夏休みは開幕前に終わりを迎えたのであった。


骨にひびが入っていたり、皮膚が切れていたり結構ボロボロだったのだ。医者からは一歩間違ったら死んでいたかもとも言われた。


これは、今生きてるから言えるんだろうけど、悠木を助けたことにそこまで後悔はなかった。夏休みが無くなったのは悲しいけれど。


それでも後悔しなかったのは、悠木が無事だったからだ。


◇◇◆◇◇


「もう明日から夏休みだっていうのに可哀そうな奴だな」


「はぁ‥‥‥」


今日は和彦がお見舞いに来てくれていた。病院は暇だから、こうして友達と話すだけでも全然楽しいから非常に助かっているところだ。


「学校のみんなも心配して‥‥‥るはずだぞ」


「なんだよそれ」


「男子連中はお前に天罰が下ったとか言ってた奴もいたなと思ってな」


「ひどい奴らだな相変わらず。人がケガしてるっていうのに」


「まあ仕方ないよな‥‥‥あの写真は」


そう写真といえば、あの日悠木と撮った写真は、提出しなければ評定に関わるので一応提出したんだけど‥‥‥。


「写真だけでも反感を買いそうなのに、特別賞なんかに選ばれたら‥‥‥そりゃあな」


「というかなんだよ、ベスト青春賞って」


そう、俺たちの写真は入賞こそ逃したものの、特別賞というもの選ばれてしまったのだ。ある意味一位入賞より質が悪い気がする。


もしあの時、死んでたら今回の行事の写真が遺影になっていたかもしれないと考えると笑えないけどな。


「またお前が救急車で運ばれたって聞いたから流石に心配したけど、朝日奈さんと海に行ってたって分かって心配する気も失せたわ」


「お前俺をなんだと思って‥‥‥」


「ギャルゲーの主人公だろ」


「そんないいもんじゃないからな?」


「でもほんとにお前が生きてて良かったわ」


「なんかお前に言われると嫌だな。辛気臭いし」


「人が心配してやってるっていうのに、ふざけんなよ?」


「ごめんってば」


和彦の嫌味を受け流しつつ、俺は悠木の事を考えていた。普通だったら死んでもあんな所から飛び降りたりなんかしないんだけどな。


考えるより先に体が動いたなんてほんとにあるんだな。


「そういえば悠木は大丈夫そうだった?」


「朝日奈さんは‥‥‥相変わらずだったな」


「そうか‥‥‥」


悠木はあの日泣きながら自分を責めていたらしい。麗奈から聞いたことだ。


俺はあの日救急車で運ばれた。なんと次の日まで意識が無かったらしいのだ。岩肌で強く頭を打って意識を失っていたとのことだ。何針か縫う羽目にもなったし。


てか、そんな重体のやつに天罰が下ったって言うなんて不謹慎すぎないか?


「でもお前が羨ましいよ。目が覚めたら水瀬さんと朝日奈さんが隣にいてくれたんだろ?」


「そうだけどさ‥‥‥。ならお前も同じケガを味わってみるか?」


「いや遠慮しとくわ」


俺が目が覚めた時、悠木と水瀬さんが泣きながら抱き着いてきて、骨にひびが入っている部位をガシガシされて痛かったけど、素直に嬉しかった。


自分の事をこんなに心配してくれる人がいるんだって思って嬉しかったのだ。それを見てた父がにやけていたのを俺は見逃さなかったけどな。


「元気そうだし、そろそろ帰るわ。明日からの夏休みを楽しもうな?」


「ほんとにケガしてなかったらお前をぶっ飛ばしたい」


「まあほんとに安静にしとけよ。また来れるとき来るから‥‥‥、じゃあなー」


和彦が病室を出ていくと部屋が一気に静寂を取り戻した。


「はぁ‥‥‥」


そして俺は深いため息をついた。


‥‥‥なんか、今のため息格好良くないか?

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