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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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53話 乗るしかない、このビックウェーブ

53話 乗るしかない、このビックウェーブ


「えっ?、駅って電車に乗るための場所でしょ?」


「それはそうだけど」


そうだ、駅は電車に乗るための場所だなんて、そんなのは分かってるんだ悠木さんよ。至極真っ当な理由を言っているのは分かるんだけど。


「この行事ってあんまり遠くに行かないように自転車禁止になってるんじゃないのか?」


「自転車禁止っていうだけで、この町から出たらいけないなんて言われなかったじゃん」


「確かに‥‥‥」


「圭太‥‥‥、ルールって破るためにあるんだよ?」


なに言ってんだろうかこの人は。


「まあ今日は私に任せときなってば」


「はぁ、分かったよ‥‥‥」


今日はもう早く帰ろうなんて甘い考えは捨てなければいけないようだ。でも、こうして悠木と出かける事ができる訳だしな。


水瀬さんという彼女(仮)がいる以上、幼馴染とはいえ女の子と二人で出かける事なんて出来ないしな。今日を楽しまないと悠木に悪いしな。


俺も悠木とこうして出かけたりするのは楽しみだったのだ。でも、昨日の夜考えていた事がふと頭をよぎる。水瀬さんが俺の事‥‥‥、って今は考えないでおくか。


「ほら圭太、電車に乗るよ。電車は待ってくれないんだからね」


こうして俺と悠木の行き先不明の弾丸旅行が始まった。生きて帰れるだろうか。


◇◇◆◇◇


「昔もこうやって一緒に電車乗ったことあったよね」


「あの時は麗奈に、俺らの親も居たけどな」


「じゃあ、私と圭太の初めて‥‥‥ってこと?」


「その言い方は語弊を産むからやめような」


「ふふっ、そんな意識しちゃって。ませたもんだね圭太も」


俺をあざ笑う仕草をしてくる悠木。なかなか煽り性能が高くてうざいな。


「そりゃあ保育園からの再会だったからな。お互い変わってるだろ」


「私そんなに変わったかな?、昔からいたいけな少女だったでしょ」


「はは、そうだなー」


「今の絶対にそれは無いだろって感じの返事だったでしょ!」


そりゃそうだろう。しず〇ちゃんよりジャ〇アンって言われた方がしっくりくるまであるわ。


「でもこういうの久しぶりだし、楽しみだったけどな」


「でしょでしょ。こんな可愛い女の子と出かけられるんだからさ」


どうして俺の周りの美少女たちはこうも自己肯定感が高い奴しかいないのだろうか。俺に原因があるのだろうか。


「でも、水瀬さんに悪いよね‥‥‥」


水瀬さんに気を使っているのだろうか。でも今日は学校の行事だから、特に意識しなくていいのに。ここは一言かけておこう。


「今日は学校の行事だから気にするなよ。そこまで水瀬さんも言ってこない‥‥‥と思う」


「そうだよね、ありがと圭太。というか、今日は気を遣えてて偉いじゃん」


「当たり前だろ?」


「あっ、やっぱ今の無し」


「おい」


「ふふっ、まだまだだよ」


得意げに俺をいじってくる悠木。やっぱなんかうざったいな。でもこういうやり取りが楽しいんだけどね。


「てか、今日はまじでどこに行くんだよ。俺なんも準備とかしてないぞ」


「まあまあ落ち着きなよ。大船に乗ったつもりで付いてきなさいな。思い出の写真を撮るにはピッタリの場所だよ」


「そうなのか。もしかしていろんなお題を想定して場所を何個か考えてたのか?」


悠木にしては中々用意がいいな。こういうの調べたりするの苦手そうだけど。今日の悠木は一味違うのかもしれない。


今日の悠木は一味違うって、なんか下ネタに聞こえるから口に出すのは控えておこう。


‥‥‥俺の思考は健全だから安心してほしい。


「いや、そういう訳じゃないよ」


「違うんかい」


悠木に感心してしまってたじゃないか。


「どんなお題が出てもこの場所に行こうって思ってたの」


「お題に全くそぐわない場所だったらどうするつもりだったんだよ」


「その時はその時でしょ。ノリと勢いが大事なんだよ」


これがZ世代というやつか、俺もだけど。社会に出たら最近の若者は、と一括りにされるから注意しろと父が言っていた。


「それもそうだな。俺も流れに身を任せるよ、このビックウェーブに」


俺はこの流れに身を任せることにした。このビックウェーブに(言いたいだけ)。

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