表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/56

5話 腹黒少女

5話 腹黒少女


俺は今、大急ぎで身支度をすましている真っ最中だ。


「これは遅刻確定だな‥‥‥はぁ‥‥‥」


俺の高校での無遅刻・無欠席の記録は2週間で終わりを迎えた。


俺は妹を振り払い、3度寝ほどして、完全に寝坊してしまった。


麗奈からはRINEが届いていた。


麗奈【お兄ちゃん、もう起きた?】

麗奈【今日は生徒会の仕事があるから、もう先に出たからね】

麗奈【何回も起こしたからね?、言っとくけど】


妹よ、兄を見捨てたな‥‥‥。まぁ起きなかった俺が悪いんだけどね。だけどもう少し、粘ってほしかったよ。まだ急げば、朝のホームルームには間に合うから急ぐか‥‥‥。


◇◇◆◇◇


小走りで家を出たが、結構ギリギリだな、間に合うか?、


学校まであと少しのところにあるコンビニに、見覚えのある人物がいるのが発見できた。まさか、嘘だろ‥‥‥。


「おはよう、牧野君。社長出勤だなんて、偉くなったものね」


「まさか、待っててくれたの‥‥‥?」


「当たり前でしょう‥‥‥、カップルというのは連帯責任が伴うものよ。あなたが遅刻するなら、私も遅刻することになるわ。つまり、私が遅刻する時はあなたも遅刻しなさい」


なにを言ってるんだ‥‥‥、それに、両手にはコンビニのウインナーにハッシュドポテトを持っている。それをムシャムシャ食べる水瀬さん‥‥‥、幸せそうだな。もうこの時間帯には生徒はみんな学校についてるだろうけど‥‥‥。やっぱりこれで高嶺の花って呼ばれてるなんて、よくバレなかったな。まぁ、俺も、昨日の昼休みの事件が無ければ、彼女を尊敬したままだっただろうけど‥‥‥。


「というか、水瀬さんほんとに遅刻するから、急ごうか」


「わかったわ‥‥‥ちょっと待って」


俺がそう急かすと、直ぐに両手のホットスナックを食べ切った水瀬さん。食べ終わるの早いな。思わず、食べるのが早い人は太りやすいらしいよ、と言いそうになったが心の中に留めておいた。これも優しさだろう。


「さっ、急ごう、水瀬さん」


そして僕は急ぎ足で学校に向かう。すると後ろからうめき声のようなものが聞こえた。


「待って‥‥‥牧野君。食べ終えたばかりだから走れない‥‥‥」


「はぁ、これがみんなの憧れか‥‥‥」


この様を見たら、みんなどう思うのだろうか。これじゃあもう遅刻確定だ


俺は間に合わせる事を諦め、水瀬さんと一緒に学校に向かった。


◇◇◆◇◇


「すいません‥‥‥、遅刻しました‥‥‥」


結局、俺たちが教室についた頃には、ホームルームが始まっていた。二人で一緒に遅刻したので、みんなからの視線がすごかった。恥ずかしいからそんなに見ないでぇ‥‥‥。


みんなの前で二人揃って先生に公開お説教を喰らう。なんだこのプレイは。そして、俺の方が説教が厳しめだ。水瀬さんは、間に合うのにわざと遅刻したんだぞ。


「おまえたち‥‥‥、二人揃ってなんで遅刻したんだ」


「朝は少し、体調が優れなくて‥‥‥。すみません‥‥‥、間に合うように急いだんですけど‥‥‥」


「そうなのか、水瀬。それは仕方ない‥‥‥。体調に気をつけろよ」


なにが体調が優れなくて、だ。さっきまであんなにジャンクな油ものを食べていたくせに。しかも二つ。

俺は全て見てたんだぞ。こんな迫真の演技で嘘をつけるなんて、恐ろしいな。詐欺師もびっくりの名演技だ。ひょっとしてそっち方面の才能があるんじゃないか?、美術室の鍵も易々と手に入れてたし。


「それに比べて‥‥‥、どうせ牧野は寝坊だろ!」


決めつけが凄いな。この変態教師め、水瀬さんにはあんなに優しかったのに。まぁ、ここは一芝居売っておくか。


「いや、お腹が痛くて‥‥‥」


「嘘を付くな!」


速攻で見破られてしまった。


「嘘を付くなんて、人として一番最悪な行動だぞ!」


正論すぎて反抗する気も起きない。だけど先生、俺のとなりにその人として一番最悪な行動をした人間がいますよ。同じ嘘でもここまで違うのか。


社会の理不尽さに絶望していると、となりには笑いを必死に堪える水瀬さんの姿が。


くそっ、こいつなんてやつだ。自分が走れなくて間に合わなかったって分かってるのか?‥‥‥、だけどまぁ、遅刻した俺を待っててくれたんだ。そこは優しい‥‥、というか、どうやって寝坊したことが分かったんだ。さっきは急いでたからなにも思わなかったけど、冷静に考えたらなんでだ?、気になるし、後から聞いてみるか‥‥‥。


「聞いてるのか!?」


「はいっ!」


先生がいきなり大きな声を出すから、びっくりして変な声が出てしまった。


水瀬さんがさらに笑いそうになって、それを堪えている。ちょっとでも優しいと俺が甘かった‥‥‥。先生、となりの小悪党に騙されないでください。彼女のお腹は真っ黒です。


◇◇◆◇◇


やっと地獄のホームルームが終わり休み時間になった。さて、なんで寝坊したことが分かったのか、聞きに行くか。


俺が席を離れようとすると、ぞろぞろとみんなが集まり、和彦を筆頭にクラスの連中に囲まれてしまった。


「おい、牧野。全て包み隠さず話してもらおうか」


あっ、これ知ってる。俗にいうラブコメ主人公の友達キャラがうざいってやつだ‥‥‥。


【まずは、この作品を読んで頂きありがとうございます!】


 「面白かった!」


 「続きを読みたい!」


 「この後どうなるのっ‥‥‥?」


 と思われた方

 

 下にある☆☆☆☆☆から、この作品への応援をお願いします。


 面白かったら星5つ、面白くないと思われたら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


 ブックマークもいただけると本当に嬉しいです。制作の励みになります。


 何卒よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ